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エスピリテラ漂流記  作者: 空創士
ブレイブス・チュードレン
1/123

0 プロローグ

 むかし、むかし


時間的には遠い過去のことか、はたまたそれほど経ってない過去か

それとも未来なのかよくわからない時代に、その世界の歴史を変える事が起こりました。


 しかし、それは地球の人類が歴史などで知っているフランス革命ではなく、

第一次世界大戦でもなく、第二次世界大戦でもなく、ベトナム戦争でもなく、湾岸戦争でもありませんでした。

そして近い将来に起こるかもしれない第三次世界大戦でもありません。



 そう。


 なぜなら、その世界の歴史を変える出来事が起こった世界は、この世界ではなく、異世界だったからです。


 異世界― 我々にとってはSFの世界かラノベの世界でしか見ることのない世界。

それが、ゲーム好き、アニメ好き、マンガ好きのある者― それはひとりの女性でした― によって、気まぐれとしか言いようがない理由で創られてしまったのです。


 彼女によって創られるまでは、異世界なんてどこにも存在しませんでした。

そんな世界は単なるSF作家やラノベ作家の()()()()()でしかなかったからです。

 あの世から生き返ったとか、過去から現在に生まれ返ったなどと言う話しはゴマンとありますが― これらの人たちの証言の真偽のほどはここでは論じません― 異世界に行って来たよとか、異世界で過ごしたという人は実際には皆無だったのです。


 しかし、SFファンやラノベファンが知ったら驚喜雀躍(きょうきじゃくやく) するであろう異世界の存在は、残念ながら人類の生存する地球をふくむこの宇宙に存在する者は誰も知ることはできません。

 少なくとも、この宇宙のいかなる高知能生物さえも― 人類をふくめて、人類がこの世界の中で高い知能を有する高等生物とは言い難いのですが― この宇宙に存在するいかなる超高知能生物も、いかなる超ハイテックテクノロジーを駆使しても、異世界へは行くことも、見ることもできないのです。

異世界―異宇宙ともいう― へのアクセスは科学の分野では不可能なのです。



 異世界を創ったその女性は、異世界の住人からは創造主と呼ばれていました。

そして“エタナールさま”と尊敬と敬愛をもって呼ばれていました。

創造主は、創造主になる前は、天の川銀河と呼ばれる銀河系の小さなスパイラル・アーム()、オリオン腕、の中ほどにある恒星系- 太陽系の第3惑星 地球にある小さな国で生きた女性でした。

マンガ発祥の国、アニメ発祥の国と呼ばれ世界中のファンから憧れられる国で一生を終えた女性は、どういうわけか、世界(何でも)を創れる力を持つことになりました。


 その力を彼女にもたらせたものは、“神”などという陳腐な表現で言えるものではありませんでした。

だいたい、古代から人類が神と称し、崇め奉(あがめたてまつ)って来たものは、()()()()()()であるがゆえに、人間のような怒りや憎しみといった感情をもち、時には復讐さえもする残酷な神らしからぬ神だったのです。

 

 創造主となった東洋人の女性は、そんな神さまの存在など信じまていませんでした。

彼女は、彼女に力をあたえたのは、無辺に存在する“意思”だと信じていました。

異世界を創造する者がこの宇宙には必要だと“意思”は感じたがゆえに、空想力豊かな彼女を選んだのだと思いました。



 無作為抽出的に。


ただ、それだけのことだったのでしょう。


土があり、水もあり、光もあるから種(彼女)を蒔いた―

ということなのでしょう。


 創造主となった彼女は、生きているときに賢明だったように、そしてゲーム好きだった彼女らしく、

それでも生涯独身で、妻子のある男をプラトニックで愛したように、ゲームの要素をたっぷり取り入れた異世界を創り出しました。


 創造主となった彼女は、なんと生前愛した男を勇者として異世界に生き返らせたのです。

その男は、世界を脅かす魔王を倒すために、次々と仲間を見つけ、壮大な冒険物語をしていくという、かの有名なRPGそっくりに、個性的な仲間を増やしていき、勇者として見事に戦い、世界を救ったのでした。

 

 唯一、彼女の思惑と創り出した異世界が違った点は、その勇者がなぜかメチャ美女好きで、いっしょに戦い、旅をする仲間も圧倒的に美少女が多かったということでしょうか。

 まあ、その勇者が冒険をする世界に登場するキャラは、数人を除いてすべてランダム設定で作られたため、おそらく主人公となった勇者が、生前から常に心の底で願っていたハーレム願望が、なんらかの形で実在化したということなのでしょう。



 「まあ、それはそれでいいわ...」

と彼女はそう思いました。なぜなら、その男を愛していた彼女は、彼がシアワセになるのなら、それでもいいと大きな心で考えたのです。


 いや、そう考えたつもりでしたが... 

しかし、創造主となっても心は人間ですから、愛する男がほかの女性にチヤホヤされ、ほかの女性を抱くのを見るのに耐えれなくなってしまったというのも、当然のことだったでしょう。


 そこで、勇者の守護天使として付けていた、自分の分身に乗り移り、創造主の力で必要な原子を集め、一体の美少女を作りました。

 そう、勇者好みのボディと髪と瞳をもつ美少女を。


 彼女が丹精込めて作った傑作である紫の瞳の美少女をベースにして作った美少女を

勇者はとても気に入ってくれました。なにせ、傑作のコピーですから。


 その上で、美少女の肉体をもった守護天使の位置を“妹”と設定しました。

ハーレムに美女は数多くおれど、妹は彼女一人。

 勇者に対して特別な存在となり、ほかの美女妻や恋人たちとは、一線を画する地位としたのです。




 この物語は、魔王を倒して異世界に平和をもたらした


 勇者とその妻たち


 勇者とその恋人たち


 そしてその勇者の子どもたちと


 創造主エタナールのお話です。




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