練習1 仮名:ー人魔横丁ー変わってしまった僕の日常
「よしっ、終わり!!」
僕は椅子を乱暴にしまうと駆け出した。
今日は待ちに待った金曜日、好きなアニメの公開日だ。
今日は塾で学んだ内容の復習をしていたため遅くなってしまった...早く帰らなければ!
塾のあるビルの階段を駆け下り、出口から飛び出し、夜の暗いコンクリートで舗装された道を駆け抜けてゆく。そんな中、奇妙な光景が見えた。顔は暗くてよくわからないが、中学生くらいの身長の女の子が二人の男に詰め寄られているのである。しかも何やら男の方はガラが悪そうだ。気になったのでスマホでいつでも警察が呼べるようにしながらばれないようにゆっくりと近づいていった。会話が聞こえてくる
「.へへ.. 嬢ちゃん随分とかわいいじゃねぇか。近くにうまい飯屋があるんでな、連れてってやるよ」
「そうそう、とってもいいとこですぐに病みつきになるぜぇ」
そう言い。男たちが手を伸ばした。
「シャン...」
突然、脳に直接響くように心にしみてくる鈴の音が聞こえた。
「なんだぁ 今の音h」
手を伸ばしていた男の頭がぼとっと、音をたてながら落ちた。
「「はぁ」」
残った男と僕の声が重なった。
「シャン.」
また鈴の音が聞こえる。
すると残った男が糸が切れた操り人形のように崩れ落ちる。
「ひっ」
突然のことに僕は理解できず、最後の生き残りである少女を見た、そこで僕は気づいてしまう。このような異常な事態であるにも関わらず少女の顔が微笑んでいることに..また、その姿は、銀の気高き獣を思わせる髪に、本物の獣の耳のようなカチューシャに巫女服という、コスプレのような格好である。美少女なのは間違いないが、それがかえって恐怖を掻き立てる。少女と視線が合う
「」
あまりの恐怖に声が出ない。少女はまだ微笑んでいる。意識が遠のいてゆき、視界が暗くなり歪んでいく。
ーーー ーー ー
「うわぁっ!!」
布団から飛び起きる。心臓はうるさすぎるほど鳴っている、乱れた呼吸を落ち着かせながら体を触り、おかしな点がないか確認する。どこも異常はない。ふぅ、と息を吐きながらとんでもない悪夢だったなと思い苦笑いをする。その後、携帯で時間を見ようとして呼吸が止まる。画面に写っていたのは警察の電話番号が打ち込まれたダイヤルだった。