4-2-4 俺は栗栖が好意を寄せてくる理由を尋ねる
「・・・・・・・・・・俺に女として見てもらって、それからどうしたい」
とストレートに疑問をぶつける。
すると栗栖は力のこもった声で俺の疑問に答える。
「そんなの決まってる。伊良湖にアタシのことを好きになってもらいたい。
お互い両思いになってアタシは伊良湖の彼女になりたい。
伊良湖にはアタシの彼氏になって欲しい。いずれはアタシは伊良湖と結婚したい」
「どうして?」
「どうして・・・・・・・・・?
伊良湖はアタシに一体何が訊きたいの?」
栗栖は俺の質問に質問で返してくる。
「訊いてもいいか?」
「うん」
この際だ。
栗栖が俺に好意を向けてくる理由を訊こう。
恐らくこのタイミングでないと訊けない気がする。
「栗栖はどうして俺にそこまで好意を向けてくるんだ?」
「アタシが伊良湖に好意を寄せる理由、か。」
栗栖は
「あの時さ、あいつからアタシを逃がしてくれたじゃん?それでね」
と、その理由を答える。
「・・・・・・・・・栗栖を助けてくれる奴はいくらでもいるだろ。
俺が訊きたいのはなぜそれで好意を持ったのが俺で俺でないといけないかだ」
俺の質問に栗栖が即座に答える。
「確かにアタシが助けてって言ったら誰でも助けてくれると思う。今までもそうだった。
でもそういうやつらは大体その後アタシと付き合えるとかヤれるとか邪なことを考えてアタシを助けてたんだよね。
伊良湖はさ、アタシを助けた後もアタシに全く興味を示さなかったじゃん?
しかもこうしてアタシが身体を使って迫っても襲ってこないじゃん?
何が言いたいかって言うとさ、アタシにそういうことをしようとか考えずに助けてくれたのがアンタが最初だったんだよ。
だからアンタのことが好きになった」
「・・・・・・・・・本当にそうかな?」
俺の言葉に栗栖は悲しみに満ちた声で俺に再度
「どういうこと?」
と訊いてくる。
「今までも栗栖のことをそういうことを考えずに助けた人間は絶対にいる。
栗栖はそれに気づいていないだけだ。
そして栗栖がいくら迫っても襲ってこない人間も俺以外に絶対にいる。
それでは俺を好きになる理由としては弱すぎる。
俺が言いたいのはそれでは俺のことが好きで俺に執着する理由にはならないってことだ。
どうして俺にだけ好意を向けて俺にこんなアプローチするのかがまるっきり見えない」
「人を好きになるのにいちいちそこまで理屈で考えるやつ、初めて見た」
俺の言葉に栗栖は驚いたように言う。
「俺はいろんな人間を見てきたからな。
人間の色んな醜い感情や欲望をぶつけらて来たし。
だから俺は人からの自分に対する好意的な気持ちに関しては絶対に信じたりはしない」
「なら、アンタからの信用と信頼を何年かけてでも勝ち取るだけだね。
そしてアタシからの好意を絶対に本当だと認めさせてみせる。」
「ふん、できるものならやってみろ」
「その挑戦、受けて立ってやろうじゃん。卒業までに伊良湖にアタシのこと女として好きと言わせるから」
栗栖はそう言って再び俺の背中を洗い出す。
「じゃあさ、何で今までアタシからの要求を拒まなかったの?」
「逆らえばどうなるかわからないから」
「あ、まじ心外。人をハメるようなことをする奴だって思われてたんだ」
栗栖が不機嫌そうに言う。
「そうだよ。悪いかよ。言っただろ、色んな人間を見てきたって。俺を色仕掛けでハメようとしたやつも昔いたんだよ」
俺の答えに栗栖は
「伊良湖を色仕掛けでハメる?アンタ一体何者?」
と俺に尋ねる。
「それを知る必要はない」
「む、教えてくれないんだ」
「知ってどうするそんなこと。それに俺の信用と信頼を勝ち取りたいのならノーヒントで俺の正体ぐらい自分で暴いてみろ」
栗栖の質問に俺は突っぱねるように答える。
すると栗栖は
「いいよわかった。ならそれも含めてアンタの挑戦、すべて受けてやろうじゃないの」
と意気込んだように言う。
「というわけで次は前を洗ってあげる」
「もう自分で洗った」
「え、ウソ!?いつの間に!」
「いきなり残念だったな。早々は人にはさせないよ」
そう言って栗栖に背中を向けたまま俺は今度は髪を洗い始める。
「髪洗うよ」
「いい」
「やらせて」
栗栖が無理やり俺の手をどかし洗い始める。
ったく・・・・・・・・・。
そう思いながらも俺は大人しく栗栖に髪を洗われる。
「はい、できたよ」
「ああ、ありがとう」
俺は栗栖に背中を向けながら俺は湯舟に入る。
「どういたしまして」
栗栖はそう言って自身の身体を洗い始める。
そして栗栖は自身の身体を洗い終わり、湯舟に入ってくる。
「伊良湖」
俺の名を呼んだあと横を向いた俺の顔を両頬を両手に添えて自分のほうに向けさせようとしてくる。
なので俺は絶対に向けられないように力をかける。
「ほ・ら」
持久戦に持ち込まれ力が緩んだ瞬間に栗栖のほうに顔を向けられる。
「伊良湖、アタシの身体はどう?」
「きれいだ」
俺が死んだ魚の目で答えると
「前訊いた時もそういう感想だったじゃん。ほら、ちゃんとアタシの身体見て。そしてちゃんと感想を言って」
栗栖が俺に身体を見せつけて前とは違う感想を言えと言う。
クラスのやつらのなかでも恐らくトップクラスの大きさの胸。
そしてすごくくびれたウエスト。ほどよい肉付き。
尻も好きな人にはたまらないだろう、胸とウェストのバランスにあった大きさ。
「・・・・・・・・・・すごく、エロい」
「ふふ、ありがと」
俺の感想を訊いて満足したのか、栗栖はそのまま俺の前に座り込んで風呂に入る。
「そういえばさ伊良湖、首筋と鎖骨のキスマークは何?」
「こ、これは姉さんに」
「服についた女の匂いも・・・・・・アンタのお姉さん、本当に重度のブラコンなのね」
栗栖はそう言った後俺の身体にキスをしてくる。
「栗栖、待て、こんな」
栗栖は俺の制止を無視して肩や腕にキスをして吸い付いてくる。
首筋や鎖骨辺りも同様にだ。
「上書き完了」
そう言って再び俺の前に座るように湯船につかる。
少したわいもない話をした後
「伊良湖、そろそろ出よっか」
栗栖のその言葉で俺も風呂から出て一緒に着替え、一緒に栗栖の部屋へと戻った。
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