1-1-5 俺は姉のベッドで姉に襲われる
11/2追記
この小説は基本的に以下の時間に投稿します。
平日:6時
休日:9時
投稿日:今のところ毎日ですが現実世界での
スケジュールの都合で乱れる場合があります。
ご了承ください。
よろしくお願いします。
「わたしたちが姉弟になって3か月ちょっと経つよね?」
「そうですね」
「なのに健くんはいつまでたってもわたしとの距離を全然縮めようとしないよね?
いつまでも他人行儀で姉であるわたしと全然スキンシップをとろうとしてくれないよね?
それでね、今日は健くんがわたしの部屋にいるじゃない?
だから」
ドサッ!
俺は突然姉に肩を押されベッドに押し倒される。
「一体何をする気ですか静さん」
いきなり押し倒された俺は一応姉に何の目的があっての行為なのか尋ねてみる。
「健くん、今日はわたしといっぱいスキンシップしよう!
そしてわたしとの距離を縮めよう!
お姉ちゃん命令で拒否権はないよ」
「ちょっと何言ってるのかわかりません」
「つまりこういうことだよ」
姉がベッドに押し倒されて仰向けになっている俺の上に乗っかってくる。
そして覆いかぶさるように俺に向かって倒れてくる。
姉の顔が俺の目の前まで来る。
あと数cm近づけば唇同士が触れ合う距離だ。
「静さん!これはどういうつもりですか!?」
「言ったでしょ?わたしたちの間にある距離を縮めるって。
だからね、まずは物理的な距離を縮めるの!」
姉に押し倒されたという事実に頭がついていかないうえに姉が意味がよくわからないことを言うため俺はパニックに陥る。
「静さん、いったい何を言ってるんですか?
物理的な距離を縮めると言っても零距離まで縮める必要がどこにあるんですか?
私たちは姉弟ですよ?
姉弟がベッドの上で互いの体を密着させてスキンシップなんて」
「姉弟ならこれくらいは普通だよ?」
姉があたかも姉弟なら互いの体を密着させてスキンシップをするのは当たり前のように言う。
なので俺は必死に心を落ち着かせ姉弟の距離の現実を姉に教える。
「静さん、残念ながらそれは普通じゃないです。
世の中のほぼ全員の姉は弟と密着するような距離で接するようなことはありません。
それに姉は弟を自分のベッドに押し倒して無理やり物理的な距離を縮めるようとはしません」
「・・・・・・・ふぅん。そうなんだ。
でもね、他の人のことなんてわたしには関係ない。
わたしはね、この世界にごく僅かにいる弟との関係に悩みすぎて弟を押し倒して無理やりベタベタしちゃう、いけないお姉ちゃんなんだよ。
だから今日はベッドの上でいっぱいスキンシップしよう。
そしてわたしとたくさんイチャイチャしよう」
あれれ、おかしいですよ?
スキンシップをしようと言っていたはずなのになんで更にイチャイチャすることになってるんだ?
その必要は一切ないよね?
と言いたいところだがそんな反論を今の姉はおそらく受け付けてくれないだろう。
それにしてもおっとりとしていておしとやかだと思っていた姉がここまで積極的になるなんて・・・・・・。
俺の知ってる普段の姉とのあまりのギャップに当惑を禁じ得ないのとそれを隠しきれない。
「今日は寝かさない」
俺が姉がすごい勢いでグイグイ来ることに戸惑っていると姉が超絶イケメンボイスで俺に対してそんな宣言をしてくる。
そして姉は立てていた肘を伸ばして俺の体の上に完全にうつぶせになって全体重を乗せてくる。
姉から体温が嫌でも伝わってくる。
「うふふ、健く~ん」
姉が俺の名前を呼びながら首に腕を回し全力で甘えるような声で頬ずりをする。
そして頬ずりを終えた姉は少し体を動かして今度は俺の胸に顔を埋める。
姉のほうを見ると、姉は俺の胸に顔をうずめながら匂いを嗅いで恍惚としている。
あと、姉の体勢のせいで2つの柔い感触がダイレクトに俺の体に与えられる。
姉から伝わってくる体温と相まってすさまじく様々なところが様々な意味でヤバイ状況になっている。
「静さん、これ以上はやめてください!」
俺は姉にそう言って姉の言う"スキンシップ"をやめるように言うが一向にやめようとしない。
それどころか姉は蕩けた目と上気した顔でこっちを見ながら今度は
「いや~、今日はこのまま健くんと寝る~~~~~」
と言って更にきつく胸に抱き着いてくる。
寝かさないっていってたけど寝るの?
いやそんな揚げ足取りをしてる場合じゃない。
とにかくこれ以上はかなりまずい。
「何言ってるんですか、静さん。スキンシップはもう十分でしょう。私は部屋に戻ります」
部屋に戻るために起き上がろうとすると姉が俺が起き上がれないようにするために腕を動かせないように抱き着いてくる。
「いや。足りない。全然スキンシップが足りない。
イチャイチャなんかそもそも全くしてないじゃん!
だからまだ離れちゃダメ」
「ダメじゃないです」
「いや~、今日はもっともっとスキンシップしてい~っぱいイチャイチャして寝るときは健くんと一緒に寝~る~の~~~~」
姉が俺の胸に顔をこすりつけながらいやいやする。
どんどん姉がわがままな幼稚園児みたいになっていく。
これがネットスラングで言うところの
だらし姉っていうやつなのかね。
違うか。
ところで、姉は本当に俺に抱き着いたまま寝るつもりなのだろうか。
訊いてみたところで答えはわかりきっているが姉に一応訊いてみる。
「静さん、まさかとは思いますが今日本当にこのまま寝るつもりですか?」
「そのつもりだよ!弟抱き枕~ふへへへ~」
姉は今夜俺を抱き枕にして寝るつもりらしい。
俺はその言葉を聞き抱き枕になってたまるかと必死に引き離そうともがく。
姉は俺を絶対離すまいと俺の引き離そうとする動きをいなしながら抱き着き続ける。
互いに一歩も譲らないせめぎ合いをしているとドアを開ける音が左から聞こえる。
「静!こんな時間に何して」
母がノックもなしに姉の部屋に何してるのか聞きながら入ってきた。
姉が俺にきつく抱き着いている様子を見て一瞬母の表情が凍った。
そして目の前で起こっていることを理解した母は
「あら、ごめんなさい。邪魔したようね。
それじゃごゆっくり~」
と言ってすました顔で姉の部屋から出て行った。
そこは止めるどころだろう母よ!
「お母さんもああ言ってるし、明日明後日はお休みだよ。
だから今夜はわたしが寝ちゃうまでいっぱいベッドの中でスキンシップしてたくさんイチャイチャしようね」
「ちょ、ちょっと待ってください、静さん、
アッーーーーーーーーーーー!」
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