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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
1章 二人の美少女と接点を持つこととなったきっかけ
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1-1-4   俺は姉の言葉に助けられる

「健くん」



姉が俺の部屋の前にいた。



「えっ?」



意外な人物が俺の部屋の前にいたため素っ頓狂な声を出してしまった。



「えっと、こんな夜遅くに私に何の用ですか?静さん」


「今からわたしの部屋に来て」


「え、それはどうしてですか?」


「いいから来て」



姉はそう言って俺を無理やり自分の部屋へと連れていく。

今まで俺を自分の部屋に入れることなんかなかったのにどうしたのだろうか。


姉は俺を部屋に入れてベッドに座らせ、隣に座って肩がくっつくほどに体を寄せてくる。



「静さん。肩が接触する程体を近づける必要性はどこにあるんですか?」


「いいじゃない。わたしたちは姉弟なんだから。

姉弟ならこれくらい普通だよ?」


「いいえ、姉弟でこの距離は明らかに近すぎます。

それで、一体今日は私に何の用ですか」



俺を自分の部屋に招き入れた理由を姉に尋ねる。



「今日・・・・・・健くん、何だか元気がなかったから。

何かどうしたのかなって」


「何もありません。なので何も心配することはありません」



俺は姉の質問に即座にそう答える。

すると姉は両手を俺の頬に当てて俺の顔を自分のほうに向ける。


琥珀色の2つの目で真っ直ぐ射貫くように姉が俺を見つめてくる。



「・・・・・・・・本当に?」


「はい」



沈黙の時間がしばらく続く。

そして姉が沈黙を破る。



「健くん。本当のことを言って」



姉がすごく真剣な目つきで俺に何があったのか話すように促してくる。



「・・・・・・・・実は」



俺は姉の目力に負け、今日の放課後に起こったことを一切隠さず話した。



「そうか、そんなことがあったんだ」


「ええ」


「でもね健くん、どうして人を助けたのにそんなに落ち込んでるの?」


「それは・・・・・・・」



俺が理由を言うのをためらっていると姉はさらに質問してくる。



「誰かを助けたことでなんで健くんは暗い気持ちになったの?」


「いえ、その女性を助けた後。俺思ったんですよ。

俺に助けられるなんて相手からしたら恐怖でしかないって。

自分のしたことはただの自己満足の偽善でしかなくて女性には醜い感情を押し付けてしまって申し訳ないって」


「それ以上はだめ」



姉がものすごい剣幕で俺の発言を止めてきた。



「それ以上自分を卑下することは言っちゃだめ」



姉はひどく怒った顔でこちらを見ている。

姉が俺に対して怒ったのはこれが初めてだ。

こんな表情も姉はするのかと内心驚いた。

そんなことを思っていた矢先姉が怒った表情のまま俺に再び問いかける。



「健くん、聞いてもいい?」


「何ですか?」


「健くんはなんでその女性を助けようと思ったの?」



姉は俺に女性を助けた理由について訊いてくる。

俺は助けるときに思ったことを正直に話す。



「このままだと女性が非道い目にあうのが目に見えていたのでとにかく助けないといけないと思いました」



姉は俺の言葉を聞いて表情を和らげる。



「ならそれでいいんだよ」


「?」


「健くんはその女性を助けたかった。

本当は邪な理由だったとしても、その気持ちは本当でしょう?

だから健くんは何も気にする必要はない」



姉はそう言って俺のことを弁護してくれる。



「ですが何かのタイミングでもし再会することがあったときに感謝されるどころかマジサイアクとか

こんなのに助けられたなんてとか言われるんじゃないかと思うと気が滅入ってしまって」


「大丈夫。もし今回の人助けで助けた相手からそんなこと言われて傷ついたらわたしが健くんの傷ついた心を癒してあげるから。

わたしはどんなことがあっても健くんの味方だから」



姉はそういって俺の頭をなでる。

気持ちいい。気持ちよくてくせになりそうなんだが。

どうにもなんだか子ども扱いされてる気がして複雑だ。



「・・・・・・!

もしかして子ども扱いされたと思った?

嫌な気分にさせちゃったならごめんなさい」


「いえ、大丈夫です。気にしないでください」


「・・・・・・・・健くん。

わたしたちが姉弟になってから確かに日が浅いよ。

でも、それでも、わたしは健くんのお姉ちゃんなんだよ。

健くんには嫌な思いをしてほしくないしさせたくない。

だから嫌だと思ったら嫌だってためらわずに言ってほしい」


「いえいえ本当に大丈夫ですから!

気を使わせてしまってすみません」


「そう・・・・・・・・・?」



姉が不安そうにこちらを見つめる。



「大丈夫です」


「・・・・・・・・わかった。これ以上は言わない。

話がそれちゃったけど、人助けをしたことに対してそこまで自分を責めることはないよ。

一人の人を助けたことは誇りに思っていいよ」



姉のその言葉に俺は救われた気がする。

姉が俺の行動を肯定してくれたことと味方だと言ってくれたおかげで楽になった。



「ところで健くん」


「何ですか?静さん」



姉が今度は頬を赤らめ恥じらいの気持ちを多分に含んだ表情で俺に質問をしてきた。

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