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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
2章 二人の美少女とデート
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2-E-1   私はお父様の意向と自分の気持ちとの狭間でもがく

私は自室で悩んでいた。

今私はお父様の意向と私の本当の気持ちとの板挟み状態になっている。


お父様から彼、伊良湖健一郎くんのことをどんな手を使ってでも落とせと言われている。

私は決してお父様の会社の利益に貢献したいという理由で彼と結婚したいと思ったわけじゃない。

私は彼のことは純粋に男として好きになったのだ。


私は彼が私がピンチの時に真っ先に助けてくれ、その後あんな変な告白をした後も私と普通に話をしてくれ、そして私と対等に近い形で接してくれるところに惚れて結婚したいと思ったのだ。

決してお父様のためじゃない。でもお父様の言うことは絶対だ。

彼との関係をどう育むべきか、解決策は見えない。



彼は私にとっては初めての存在。

彼は初めて私のことを普通の女として扱ってくれた。

私に立場に臆することなく接してくれるのは彼だけだ。


今まで出会った人たちは私のことを避けていた。


私はこれまで学力試験で1位以外をとったことがない。

だから今まで誰にも1位を譲ったことがない。

少なくとも私に学力で勝ったことがある人間に未だに見たことがない。


それがゆえに私は「モンスター」のあだ名で呼ばれていた。

そしてそのあだ名と大富豪の家のお嬢様と言う生い立ちが災いして私の周りには誰も寄り付かない。



「彼女に近づけば人生が終わる」



そういった生い立ちから来たらしい根も葉もない噂を悪意ある人間が流し更に私は孤立していった。

誰も近づかないし話しかけてこない。

私は孤独な日々を過ごしていった。


私が今の高校に入学してからはそんな差別的な人間もいなくなった。

私に話かけてくれる人はいるがやはり遠慮がちであまり長く私と話そうとしない。


やはり私と対等に話してくれる人はどこにもいない。

そんな風に諦めていた時に出会ったのが彼だ。


彼も私のことを金持ちのお嬢様と知っている。

でも彼はそれに臆することもなく私と会話をしてくれる。

それがとても新鮮だったしうれしかった。

私は彼のそんなところにどんどん惹かれていった。





「綾瀬先輩、何をしてるんですか」

「何って、座ってるだけじゃない」

「行為について聞いてるんじゃないです。座り方について聞いてるんです」



放課後、生徒会役員会議も終わり誰もいない生徒会室。

その中で今私はドアに鍵をかけて彼の膝に座っている。

ただし彼と対面する形で限界まで密着させて座って抱き着いている。



「私の座り方に何の問題があるというの?」

「大ありですよ!」



私としても今私がしていることは問題大有りだとは思っている。

でもこれもお父様の命令を守るために仕方なくやっているの。

私としてはもっと時間をかけて彼との仲を育んでからこういうことをしたいと考えている。

彼に今の仲でこういうことをしてら嫌われるかもしれない。

そう思いながらも私はそのままし続ける。



「いいじゃない、私達愛し合ってるのだし」

「何言ってるんですか!?やめましょうこんなこと!」



私は彼にそんなことを思いながらもかなりハレンチなアプローチをし続ける。



「健一郎くん、暖かい」

「綾瀬先輩、まずいですよ!」



彼は私のアプローチに赤面しながらもされるがままになっている。

・・・・・・・・・・・・。


でも。

彼がもしお父様と私の関係を知ったら。

彼は私がお父様と彼の関係を知っていて近づいたと思うのだろう。

彼は私の今までしたこういった行為がすべて自分を落とすための打算だと思い激怒するのだろう。

そして私のことを彼は嫌いになり、二度と関係修復ができない状態になるかもしれない。


私はこれから起こりうるそんな結末に目をそらしながら彼に今もアプローチを続ける。



「もっと健一郎くんの体温を感じたい」



そう言いながら私は彼に座りながら抱きしめる。



「・・・・・・・・・気が済むまでお好きにどうぞ」



彼の体温を全身で感じながら私は思う。

私がいくらこうして体の接触をしてもうれしく思っている様子がない。

むしろやればやるほど免疫がついていっているように感じる。



「ありがとう」



私はそう言って彼から離れる。



「もういいんですか」

「ええ、ありがとう」



私がお礼を言うと彼はそそくさと帰る準備をする。



「どういたしまして。

すみません、今日はこれから用事があって帰ります」

「わかったわ。それじゃまた明日ね」

「はい」




彼は生徒会室を出ていく。


彼が出て行ったあと先ほどのことを思い出す。

私がいくら体を密着させても喜ぶそぶりを見せないあの様子。

あそこまで体の接触に鈍感だと色仕掛けで落とすのは難しい、というより逆効果かもしれない。



・・・・・・・・・・・・・もしかして彼は過去に何かあったのかしら?

とすると彼に友達と認められることすらそもそも難しいのでは?

どうしよう。



一人になった生徒会室で私は下校時刻までこれからどうするか考えた。

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