2-2-6 俺は姉に俺に好意を向ける理由を訊く/わたしと健くんとの出会い
朝6時。
俺は学校のある日でも起きない時間に起きて身支度を軽く済ませる、
そして裏に行くと姉がトレーラーを車と連結するところだった。
「手伝います」
「待って。これはお父さんからわたしへの課題だから」
俺が手伝おうとすると姉が制止する。
姉はぎこちなくではあるがトレーラーを車と連結させる。
姉がカプラやチェーンを接続したあと
「健くん。トレーラーの電球切れてないか見たいから後ろ行ってくれる?」
というので俺はトレーラーの後ろに回り姉の指示に従って灯火の点灯状態を確認する。
「全部正常に点灯します」
「おっけ~」
車の準備が終わったので自分の荷物や水などを積み込む。
「健くん、忘れものはない?」
「大丈夫です」
「よし、じゃ行こっか」
姉がそう言って運転席に乗り込むのと同時に助手席に乗る。
「シートベルトしたね?じゃぁレッツゴー」
姉が俺がシートベルトをしたことを確認し車を発進させる。
「姉さん、トレーラーの運転は初めてでしたよね?」
「うん」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、問題ない」
久しぶりに姉がイケメンボイスで俺の質問に返す。
でもそれフラグ・・・・・・・いや気にするな俺。
だが姉は俺の不安に反して普段と変わりない様子で運転する。
俺は安心して、姉と二人なので前から聞きたかったことを聞いてみる。
「姉さん」
「ん?」
「前から聞きたかったんですけど、どうして俺に対してそんなに好意を持ってるんですか?」
すると姉は俺にその理由を話し始める。
「健くんを好きな理由、それはね」
姉は昔、俺と会ったときのことから思い出しながら話し始めた。
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わたしが中学1年生のときの夏休みの初日。
わたしの家に夏休み期間中両親の知り合いの子供が預けられることになった。
その理由はミニバイクの特訓をするためだ。
「それじゃ、よろしくお願いします」
「はい、私たちが責任もって預かります」
家族同士があいさつをする中で一人の男の子がご両親の後ろに隠れている。
でも彼は母親に引っ張られて前に出てくる。
「ほら、健一郎、挨拶して」
「佐田健一郎・・・・・・・です。よろしくお願いします」
わたしは彼はシャイな性格なのかな?と思った。
その後お互いに挨拶をし終わると彼のご両親が荷物をわたしの両親に渡す。
その後彼の両親が帰って行くのを見て寂しそうな顔をする。
「寂しいの?」
「はい」
「大丈夫だよ。わたしがいるから」
わたしがそう言うと
「どういうことですか?」
と彼はわたしに訊いてくる。
「今日から夏休み終わるまで、わたしがキミのお姉ちゃんとして一緒にいるから」
とわたしは彼の質問に答えた。
すると彼は
「そうですか」
と興味なさそうに答える。
・・・・・・わたしもしかして会う前から嫌われてる?
「ねぇ」
「何ですか」
「キミのこと、何て呼べばいい?」
わたしは彼に呼び方を聞いてみるけど、
「お好きに呼んでください」
としか言わない。
「なら、わたしはキミのことは健くんと呼ぶことにするね。
だから健くんはわたしのことはお姉ちゃんて呼んでね」
「・・・・・・はい」
とわたしが言うと彼はそう言って静かにうなづいた。
結局彼は初日と2日目はわたしがいくら話しかけても素っ気ない反応しかしなかった。
3日目、わたしと彼は練習をするためにミニサーキットに来ていた。
「んじゃ、最初の枠はお互いに今の本気で走ってみろ」
お父さんの指示で彼とわたしはサーキットの最初の枠を一緒に走ることになった。
お互いにまずタイヤを温めるために2周ほど一緒に走って3周目に入った瞬間、彼はいきなり猛烈な加速をする。
「えっ?」
そう思った瞬間からわたしは彼にどんどん引き離されていった。
同じバイクに乗ってるのに彼は異次元の速さでわたしのことを置き去りにする。
枠が終わるころには2周遅れ寸前まで差が開いた。
「どうだ静、彼の走りは」
「驚いた。わたしもそれなりに速いほうなのに全く話にならなかった」
「そうだろう。彼はロードレースの鬼才なんだよ」
お父さんは彼のことを前々から高く評価してたようだ。
「もしかして彼をうちに預けたのって」
「そうだ。彼のあの才能を俺の手でさらなる高みへと昇華させるためだ」
お父さんは彼を遠回しに将来的に最強のロードレースライダーに仕立て上げると言う。
わたしは彼について気になったことがりお父さんに訊いてみる。
「お父さん、彼は今何歳なの?」
「8歳だ」
「8歳!?彼、わたしより4つも下なの!?」
わたしよりも4歳年下であの速さ・・・・・・確かに鬼才と言える。
わたしは彼の戦歴が気になりお父さんにそれについて聞いてみる。
「彼は今までの戦歴ってどんな感じ?」
「彼はな、3歳からミニバイクレースをしていてな。
地方戦、全日本ともに出場した全てのレースで優勝している。
つまり彼は今まで一度もレースで負けたことがない」
わたしはお父さんの言葉に驚愕し、
「え!?まさかそんなこと・・・・・・」
ありえないと言おうとしたら
「あるんだよ。現に彼がそうなんだ」
とお父さんはわたしに言う。
わたしはそれを聞いた瞬間彼のことがさらにすごく気になってきた。
そして彼に訊きたいことがたくさん出てきたのでわたしは彼に色々と訊いてみることにした。
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