2-2-1 俺は親から仰天の提案をされる
「健一郎、家入れ」
と素に戻った父に言われ
「アッハイ」
と返事をし玄関に入る。
俺が玄関に入り
「ただいま」
と言うと姉が
「お帰り。ん」
と目をつむる。
何だろうと思ったら
「お帰りのキス」
と姉が俺に言う。
お、お帰りのキスっ・・・・・・・!?それはまるで・・・・・・・。
いやいや、何考えてんだ俺。
「今までそんなことしたこt」
「お帰りのキスは?」
「いや、姉さん。なんで今日に限って」
「お帰りのキスは?」
姉の言葉に返すごとに姉は俺にしつこくお帰りのキスを要求する。
恐らくキスするまで求め続けるのだろうからと俺は姉の前まで行く。
「ちゃんと唇にしてね」
姉の指示に従って俺は姉の唇にキスする。
「短すぎる。もっと長いキスをもう一回して」
すぐに唇を話したらもう一回長い時間してと姉がねだってくる。
なので少し長く唇にキスをする。
しかしキスし終わって再度離れた後も姉は物足りない表情だ。
「ダメ。足りない。全然足りないよ」
「何が足りないんですか?」
姉に俺は何が足りないのか尋ねると姉は色っぽい顔で俺に
「唇だけじゃなくて舌も使って」
とせがむ。
舌を使って?ってことはあれをしろと!?いやいやいや
「して。ね?」
姉に要求され俺は恐る恐る唇を合わせた後舌を姉の口の中に入れる。
すると
「あむ・・ん・・・・・・じゅる」
姉が俺の舌を唇で挟んで吸ってくる。
姉の行動に驚き放そうとしたが姉が顔の後ろに手を置いて俺の顔が離れないように押さえつける。
「ん、れろ・・・・んふっ・・・・」
少しの間、姉に舌を吸われた後、姉の舌に俺の舌を絡ませるとうれしそうに姉がねちっこく絡めてくる。
それが終わると今度は姉がまたあの時のように俺の口の中に舌を入れて味わようにする。
「ちゅ、んむ・・・・・・・ふぅ」
長いこと姉とディープキスをした後互いに唇を離す。
「すごく気持ちよかった」
姉が俺のキスをそう評価する。
ドキドキする気持ちを落ち着かせた後俺は姉に今日に限ってキスを求めてきた理由を問う。
「姉さん、どうして今日はこんなことを求めてきたんですか?」
すると姉は
「あの女がね、わたしの許可なく健くんの唇を奪って汚したから上書きしなきゃと思って」
と、目の輝きが失われた状態で答える。
思ったけどもしやうちの姉はあれか、ヤンデレっていうやつなのか?
更に言うと姉は重度のブラコンなんじゃないか・・・・・・?
「そ、そう」
「健くん、これからは他の女にキスを簡単に許しちゃダメだからね?」
そう言い残し姉は自分の部屋へと去っていく。
「随分とお熱いキスしてたわね」
と母がリビングからこちらへ向かってきながら言ってくる。
「いや、あれは姉が求めてきたから」
「はいはいそういうことにしておくわね」
と母に軽くあしらわれ俺は心の中でため息をつく。
「もうみんな夕ご飯食べたから健一郎も早く食べなさい」
と母が言うのでリビングに向かう。
「あ、そうそう、巌さんが夕飯食べたら部屋に来いって」
「わかりました」
母の伝言通りに俺は夕飯のを食べた後父の部屋へ行く。
「来たな」
俺が父の部屋に入ると一枚の紙を渡してくる。
「日曜日、ここで練習だ」
「はい・・・・・・・ん?」
俺は紙に書いてある内容を読んで苦虫を噛みつぶしたような顔をしてしまう。
「父さん、ここ」
「ああ、お前の苦手を克服するにはちょうどいいだろう?存分に走ってこい」
「・・・・・・・・・・わかりました」
俺が紙をポケットにしまうと父が姉について聞いてくる。
「ところで、お前最近静と仲が良すぎるようだがどこまで進んだんだ?ん?」
父が彼女ができた友達に聞くような感じ姉との関係について聞いてくる。
「どこまでと言われましても・・・・・・」
「今日あいつが帰ってすぐ静とあっついキスしてたじゃないか」
「見てたんですか!?」
「おお、ばっちりな」
父がサムズアップして俺と姉がキスしてたところを見たと報告してくる。
「あ、あれは姉さんが求めてきたからしただけで」
「でもしたってことは少なくとも静のことが嫌いじゃないんだろ?」
「別に嫌いではありませんが」
と俺がどもりながら答えると父が突然
「なら、いっそ18になったら静と結婚しないか」
と提案される。
俺は父の言ってる意味がわからず聞き返す。
「父さん、いったい何おっしゃってるんですか!?本気ですか!?」
「本気も本気だ」
父が俺の質問に真剣な顔で答える。
「それはなぜなのですか?」
「俺が言うのもなんだが、料理がそこそこできて掃除洗濯も要領よくやる。
美人ですらっとしてて頭よくてナイスバディ。こんな女、今じゃほとんどいないぞ?
おまけに静は"昔から"お前のことを心底好いているわけで」
昔から・・・・・・・・・・・?
昔俺は姉とどこかで会ったのか?
「すみません、昔姉さんと私って会ったことがあるんですか?」
「お?何言ってんだ。お前昔・・・・・・・そうか、そういやお前はアレから昔の記憶が一部なくなってるんだったか」
「ええ、退院するときだったか、医者から記憶喪失になっているようだと言われました。正直私は本当にそうなのか疑ってます」
俺はあの日からときどき何かを忘れているように感じることがときどきある。
それが本当に記憶していた出来事を思い出せないのか、してもいない体験を昔したかのように錯覚しているのか。
それははさなかじゃない。
「そうか・・・・・・でもな、事実として静は昔の出来事がきっかけでお前のことがどうしようもなく好きなんだよ」
「はぁ・・・・・・・・・?」
確かに姉のスペックは高い。おまけに俺に対して好意を全く隠さない。むしろ全力で俺にそれをアピールしているまである。
だが・・・・・・・どうしても引っかかることがあった。
「姉さんは何故あそこまで私のことが好きなのでしょうか・・・・・・・・?」
「そいつは静に聞くしかねぇな」
それもそうだ。近いうちに姉に俺が好きな理由を聞いてみるか、
「まぁそれでだ。話を戻すと俺はお前には静と結婚して俺の跡を継いでほしいと思ってる」
「私が、ですか?」
「ああ」
俺がその理由を訊こうとすると父は時計を見て
「健一郎、理由を説明したいがそれはまた明日か明後日にでも話す。明日は朝からバイトだろ?そろそろ寝ないとな」
と言う。
そう言われ俺は時計を見る。
確かに明日のことを考えるとそろそろ寝ないといけない時間だった。
「きちんと後日理由の説明をお願いしますよ。それでは今日はこれで失礼します」
「おう。時間取らせて悪かったな」
俺は父の部屋を後にして風呂に入り洗面を済ませ、自分の部屋へと戻る。
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