7-4-6 そして俺と姉は
遅刻して申し訳ありません。
これにて完結となります。
9月。
俺は姉に連れられ入院していた病院を後にする。
姉から聞いた話では俺は綾瀬家で意識を失って倒れたらしい。
で、典史氏が偶然それを発見し救急車を呼んだ結果ここに運び込まれたとのこと。
運び込まれてすぐ検査したところ腸内がアレで詰まっていたらしい。
その結果すぐにでも手術の必要があるとのことで手術になったらしい。
で、俺は気付けば姉にまた入院中のお世話をされ今日退院した。
「つくづく俺の人生手術と入院ばかりだな」
「そ、そうだね。
できればもう入院や手術になるようなことにはなって欲しくないな。
でもわたしはいつまた入院しても絶対にお世話するからね!」
俺は姉が嬉しそうな顔でその言葉を言うのを見て少し複雑になってしまう。
俺としてもいい加減それらとは無縁の人生を送りたい。
今回の件は全て俺の策略でわざとこんなことをした。
とはいえこれ以上姉を含めた家族に、例え危機的状況から脱出するためであっても、負担をかけるわけにはいかないし。
そう思い俺は車に乗る。
「あと、もう犯罪者が俺の周りに来ないようになって欲しいな」
「うん、わたしも本当にそう思う」
姉が俺の言葉にそう返しつつ車を発進させる。
これも姉から聞いたことだがあの後綾瀬先輩は監禁罪で捕まったらしい。
で、その幇助罪ということで典史氏も逮捕されたらしい。
これは姉からだけじゃなく父やテレビでも聞いたのだが、その後行われた家宅捜索で典史氏に色々な裏金や違法な取引を行った証拠が鬼のように出たらしい。
で、余罪分の刑罰が更に科されもはや二度とはもとに戻れないとのことだった。
勿論そんなことが発覚したものだから契約の破棄を父が即刻相手に通告し受け入れさせた。
そりゃそうだ。
で、そのことなどを姉と車中で話をしていると家に着く。
家に戻るのは何か月ぶりだっけか、と思うくらいには懐かしく感じる。
家に着いてすぐ荷物を降ろし始め、それらを家の中のしかるべきところに片付け終える。
そして俺が自分の部屋の片づけを終えて部屋を出るとその前に姉がいた。
そして姉は俺がドアを閉めた瞬間俺に行った。
「健くん、おかえり!」
俺に帰宅の挨拶をし、そして俺にキスをする。
姉と長い長いキスをし終え俺は姉の言葉に返す。
「ただいま、姉さん」
キスをし終え、帰宅の挨拶をして改めて思った。
ああ、俺はやっぱり姉さんのことが好きだって。
俺が心を許せる異性は姉さんしかいないって。
そして、姉さんとともにこれからの人生を生きたいと。
最後に俺は、姉さんに助けられるだけじゃなく姉さんが困ったときに助けられるようになろうと、そう決意した。
++++++++++++++
それから月日が過ぎ、3月1日。
俺はあの後姉とともにレースに出場し優勝を重ね更に名前を売った。
それだけでなく俺は大学受験、姉さんは大学院試験の勉強を共に励んだ。
そして今日。
「確かに婚姻届けを受理しました」
俺と姉さんは区役所に婚姻届を提出し、法律が認める正式な夫婦となった。
「やっと、ここまで来たね」
「ああ、長かった」
俺と姉、いやもう夫婦になったんだから姉はおかしいな、静はそう言って区役所の駐車場に置いてある車に乗り込む。
乗り込んですぐ静がかばんからアレを取り出す。
「はい健くん、結婚指輪」
静がそう言って俺に指輪を渡す。
「本来なら俺がそれを出すべきだったんだがな」
俺が指輪をはめながら言うと静はあの時言ったでしょ、と指輪をはめ終わった後言う。
「ああ、そうだったな。
『わたしがこの指輪を買って、無事に婚姻届けを受理されたらその時にわたしのほうから渡すから』
だったな」
「そう」
「で、結婚したという報告は俺からする、だったよな?静」
「そうだよ健くん」
「結婚しても俺の呼び方は変えないのか?」
「うん!だってこの呼び方がやっぱり一番しっくりくるから」
「そうか、そういうことならそのままで」
俺と静は少し話をして区役所を後にする。
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夜。
玄関から父と母がただいまと言う声がするので俺と静は玄関に向かう。
「父さん、母さん、お帰り。
2人に報告があるんだ。
俺達は、正式に今日から夫婦になった」
俺と姉さんは帰宅の挨拶に返事した後、父と母に手を恋人つなぎでつなぎながら俺たちが正式に夫婦となったことを報告した。
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そしてその後俺と静のもとに志望大学、大学院に合格した旨の通知が来た。
ちなみに俺が今年入学する大学と姉さんが入学する大学院のあるは同じだ。
なので俺達は春から一緒に通学することになる。
「健くん。
夫婦生活とキャンパスライフを目一杯に楽しもうね!」
「ああ」
俺と静は来る大学・大学院に備えて一緒に準備しまた1ヶ月ほど過ぎる。
「健くん、準備はいい?」
「ああ」
「せーの、入った~!」
「入ったな。行こう、静」
「うん!」
俺と静は入学式を無事出席し終えて最初の授業がある日、俺は姉さんと同時に大学の校門を通り構内へと入っていった。
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