7-4-3 俺は娘からしつこく妨害を受ける
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「みんなお疲れ」
「お疲れ様でーす」
俺はあの電話の後今までにない速さで仕事をし定時になったので退社する。
そして超特急で家に帰る。
「ただいま」
「あら、お帰りなさい」
「京香、桔梗は今どこだ」
玄関に入ってすぐ俺を出迎えた京香に桔梗の居場所を聞く。
京香は少し首をひねってわからないわ、と言う。
「わかった」
「ちょっと服」
「後で着替える!」
俺は京香の問いかけにそう答えとりあえずいる可能性が高い桔梗の部屋へと向かう。
桔梗の部屋の前に着きノックするとどうぞ、という声がしたので部屋に入る。
「桔梗、昼の電話はどういうことだ」
「あの時言った通りです。
何度も言わせないでください」
桔梗は怒ったように言う。
俺は詳細な説明を求めるが桔梗は頑として答えない。
「どうして健一郎をあの部屋に閉じ込めた」
「彼を外に出さないためです。
それ以上の説明は必要ありません」
「なぜ不要なのか説明しろ」
「不要なものは不要です。
これ以上彼のことについて話すつもりはありません。
出て行ってください」
桔梗が能面の表情で立ち上がり俺を力づくで部屋から押し出す。
俺はとりつく島もなく部屋から追い出されドアを閉められ啞然とする。
これ以上は何もできないので俺は自分の部屋に戻り服を着替える。
「一体何があったってんだ。
しかしこのまま桔梗が幽閉を続ければ間違いなく健一郎は精神的にも肉体的にも壊れてしまう。
そうなる前に何とかしなければ、私のために」
服を室内着に着替え終えた俺はそう思い部屋へと向かおうとした。
部屋のドアを開けた瞬間そこにはいないはずの桔梗がいた。
「お父様、どこへ向かわれるのですか?」
「ちょ、ちょっとトイレにな」
「そうですか、でしたらお供いたします」
「それはいい」
「いいえ、ついていきます」
俺は桔梗の心の闇がにじみ出た顔と言葉に怖気づきそのまま桔梗に監視されながらトイレへと向かう。
そしてその後数日間、何度も部屋に向かおうと試みるも絶対に部屋の前か道中で気づかれるかで桔梗に妨害された。
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「どうしたらいいんだ」
業務の最中俺は心の中で叫んでいた。
深夜も早朝も何も関係なく部屋に向かおうとすれば絶対に桔梗に妨害されるとう状態のまま1週間以上が過ぎた。
もはや打つ手がなくなり途方に暮れてしまった。
「くそ。何でだ、どうしてこうなった」
一体俺はどこで間違えたんだ。
必死に考えるも答えは全く出ない。
「部長、部長!どうしたんですか?」
必死にどうするべきか考えていたら大声で部下に呼ばれる。
俺は必死に取り繕い部下の用を聞く。
「ああ、すまない。どうした」
「この見積もりの承認をお願いします」
俺は部下に渡された書類に目を通し承認印を押す。
「ありがとうございます」
一言礼を言って部下が去っていく。
そしてその後も考えに考えたが結局今日も何も案が出ないまま仕事を終える。
「お疲れ」
俺は部下にそう言って家路を急ぐ。
「駄目だ、早くどうにかしないといけないのに!」
どうしてこういうときに限って何も浮かばないんだ!」
その後いくら考えても案を出せないままに時間だけがどんどんと無情に過ぎていく。
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