7-3-10 私は健一郎が静さんの車でどこかへ行くのを追いかける
健一郎を押し倒して突き飛ばされた日から数週間が経った7月初旬。
「健一郎、今日は気分どう?」
「健一郎、してほしいことはない?」
あれから私は健一郎にたくさん話しかけ、健一郎の気分を損ねたりしてないか確認したりするようになった。
でも彼は私のそう言った確認に対しては大丈夫としか絶対言わない。
何度私が本当か確認してもそれしか言わない。
そして私の問いかけに対して健一郎は答えをはぐらかしたりするようにもなった。
手をつないだりと言ったことも拒否されるようにもなった。
まさか私が押し倒したことで健一郎がこんなことになるなんて。
私はあの後押し倒したことに対して謝罪して彼に許しはもらった。
でも彼はどこか私に対して心を全く許さなくなった。
私は彼の今の状態を見て後悔している。
一時の感情であんなことをしなければと。
でも、でも・・・・・・・・・。
義理の姉である静さんとたとえ姉弟同士でだとしてもあんなに濃密にスキンシップをするのはやめてほしいという気持ちもある。
そんなにスキンシップがしたいなら私とすればいいのに、というのに私にしたいと気持ちをぶつけて欲しいのに。
私は健一郎の婚約者なんだから遠慮することなんてないのに。
そしてよくよく考えてみたらどうして静さんとは姉弟でありながらそういうことはするのに私とはしたがらないどころか今は拒否するのだろうか。
釈然としない彼の矛盾してるとしか思えない行動に私はもやもやする。
しかしある日私はあるきっかけで彼のその講堂の意味を知ることになる。
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7月の終わり、健一郎の学校が終業式の日。
結局今日の今日まで健一郎は私に対して、塩対応というのかしら、そういう感じで私に対して気を許すことを全くしないまま。
そんな中私は午前中講義を終え、この後午後の時間最初の講義がなく迎えに行く時間があることから電話をかけようと講義棟を出た。
私がスマートフォンを取り出し大学の正門に向かいながら電話をかける。
けれど健一郎は誰かと通話中だった。
「誰と一体話してるのかしら?
健一郎って確か学校に・・・・・・いえ、これ以上は言ってはいけないわね。
でも少しして掛ければいいことよね」
私はそう思いスマートフォンを一旦しまう。
正門まで来たとき私の前を見たことのある車が通過した。
私は少し記憶を巡りそれが健一郎の家に置いてあった車だと気づく。
私はそれに気づいてすぐ駐車場まで急ぐ。
駐車場についてすぐ私は車のエンジンをかけ車が走っていった方向に向かおうとした。
しかしそこで私は一呼吸おいて考える。
あの車は伊良湖家の車。
で、大学の近くを走っていたということは恐らく運転していたのは静さん。
ということはあの車の行き先は。
私は当初の予定通り健一郎が通ってる高校に向かう。
ただしできる限り最速で。
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「ここを曲がれば健一郎の通ってる高校。
私が去年まで通っていた高校でもあるのだけれど
もしもすでに静さんの車に乗ってどこかに行ってたら諦めるしかないわね」
そう思いながら交差点を曲がる。交差点曲がり切った瞬間道の向こうに正門前で見た車が見える。
「いた!急いで追いかけないと」
私ははやる気持ちは押さえつつ中間に他人の車をはさみながらできるだけ自然にその車の後ろを走る。
そして市内のある一角でその車が止まったので私は追い越さないように別の道を行って近くの駐車場に止める。
急ぎ足で車が止まった道まで行き陰から車が止まったところを見ると静さんが健一郎の手を引っ張ってどこかへと向かっていた。
私はその後をできるだけ周りから見て不自然じゃないようについていく。
すると途中でチェーンのコーヒーショップに入っていった。
外の窓から私は2人の様子を除き会計を終わったところで私のお店の中に入る。
四苦八苦しながらカウンターでコーヒーを注文し私は2人の席の近くへと向かう。
健一郎と静さんが座ってる席が見えた瞬間私の目に手を握り合っているのが見えた。
私はそれを見て2人が座ってる籍の近くの席にコーヒーを置き2人の間に割って入る。
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