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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
5章 文化祭と夏祭りと海水浴と
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5-2-7  わたしは健くんの変化にうれしくなる

「健くん、起きて」



朝、わたしは健くんの体をゆすって起こそうとする。

でも健くんはこんなことでは起きないのをわたしは知っている。

今までわたしはそういう時はキスで健くんを起こしてきた。


だからわたしは今回は健くんを別の方法で起こそうと思う。



「健くんってば、お~き~て~」



わたしは健くんのふとももに跨って胸を胸板に押し付ける。

そして健くんの耳元でそうささやく。



「起きないと、またキスしちゃうよ」



わたしがキスすると予告した瞬間健くんが飛び起きる。



「おはようございます、姉さん」

「うん、おはよう」



健くんがわたしに朝の挨拶をするので返す。



「姉さん、また私を起こすためにキスしようとしましたか?」

「ううん。今日"は"そうやって起こさないつもりだったよ」

「"は"ってことは今度またそうやって起こすってことですよね?

ダメですよそんな起こし方は」



むぅ。健くんはやっぱりわたしとのキスは嫌いなの?

と思ったら健くんは意外なことを言う。



「キスするなら起きてからにしてください」



え?

それって起きてる時ならしてもいいってことだよね?

健くんが条件付きとはいえキスしてもいいって言うなんて。

これまで健くんとスキンシップしてきたのは無駄じゃなかった。


健くんがそこまで言うようになってくれたことがうれしくてわたしは健くんに抱き着く。



「姉さん、いきなりどうしたんですか?」

「ん?健くんがうれしいこと言ってくれたから、ごほうび」

「?」



健くんは不思議そうにするがわたしは気にせずそのまま抱きしめ続ける。

そしてわたしは健くんに再度確認をとる。



「健くん、さっきの言葉は嘘じゃないよね?」

「え?ええ、はい」

「なら、健くん。おはようのキス、しよ?」



わたしは健くんにキスをねだる。



「わ、わかりました」



健くんはわたしのキスのおねだりを聞き、わたしの顔に自分の顔を近づけていく。

そして健くんは目の前で一瞬止まった後わたしと唇でキスをする。



「ありがとう。わたしは今すごく幸せだよ」

「は、はい」



わたしにキスをして赤くなっている健くんの頭をわたしはなでる。



「それじゃ、着替えて朝ごはん食べに行こう?」

「はい・・・・・・・」



わたしになでなでされて顔をさらに赤らめた健くんが恥ずかしそうに答える。



「忘れ物はない?」



朝ごはんを食べ終えて健くんと荷物を片付けて忘れ物がないか一緒に確認する。



「大丈夫です。ありません」

「わかった。ならチェックアウトするよ」



健くんが忘れ物の確認をし終わった後わたしはそう言って健くんを連れてフロントでチュエックアウトを済ませる。



「よし、それじゃ出るよ」



健くんと一緒に車に荷物を積み終えて旅館を出発する。

そしてわたしたちはまた高速道路に乗って移動をする。



「健くん、今日はこれから家に帰るけどその前に寄り道をします」

「寄り道?今度はどこですか?」

「今度はね、少し前にテレビで有名になった美術館に」

「はあ」



わたしが寄り道する場所を言うと健くんはどこのことかさっぱりわからない、という顔をする。



「たぶん健くんは全く興味ないかな。

ここから少し時間がかかるけど今日はそこに行く絶好の機会だからどうしても行きたいの。

いい?」

「いいですよ。私はいくらでも付き合いますから」

「ありがとう!」



健くんが寄り道をOKしてくれたので二人で寄り道する場所を目指す。

そして2時間かからないくらいで寄り道場所に到着する。



「すごい、本当に警備員さんとネコが攻防を繰り広げてる!」



わたしは警備員さんに止められるネコを見ながらスマホのカメラでその様子を写す。



「なかなか面白い光景ですね」

「ね!ほら、またネコが入ろうとしてる」



わたしと健くんはしばらくその様子を眺める。



「姉さん、せっかくですし、美術館に入りましょう」

「うん!」



わたしはネコと警備員さんの戦いを見た後健くんの提案で美術館の中も観覧した。

観覧を終えた後また高速道路に乗ってそこからはどこにも寄り道せずに家へと向かう。



「ただいま」



家の駐輪場に車を止め健くんと手を恋人つなぎにして玄関のドアを開ける。



「おかえり、あらあら。もしかして、今回のお泊りデートでついにしちゃったの?」

「してません!」



お母さんの一言に健くんがすかさずツッコミを入れる。



「あらそうなの?静は積極的だからホテルに泊まったときに襲われたと思ってたけど、違ったのね」

「安心してください。そんなことは起こってません」

「私としてはむしろ起こってほしかったのだけど」

「そんなことは起こってはいけないんです。まだお互いに学生なんですから」



健くんとお母さんが言い合いを始める。

健くんがそういうことを言うってことはわたしのことを求めてくれるようになるまでにはまだまだ時間がかかりそうだな。

そう思いながら健くんとお母さんの言い合いを見守る。



「ふふ」

「どうしたの静?」



お母さんと健くんがわたしの笑い声を聞いて言い合いをやめる。



「いや、お母さんと言い合いするほどに健くんがうちに馴染んできてるなって」



お母さんと健くんがハッとしたようにお互いを見つめる。



「確かにそうね。今まで健一郎は私とこんなことをしたりしなかったものね」

「ち、ちが、これはそういうことではありません!」

「恥ずかしがらなくてもいいのよ」



そしてお母さんと健くんがまた言い合いを始める。

・・・・・・・・・・あれでも健くんは頑ななようでもあれから少しずつわたしからのアプローチを受け入れているのかも。

どれだけ時間がかかっても絶対わたしは健くんをお婿さんに迎えて見せる。


わたしは決意を新たにして健くんとお母さんの言い合いを尻目に車から荷物を降ろしていった。

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