1-1-9 俺は姉の言うところのデートを終えて帰宅する。
俺はイラついていた。
「あの女、自分が美人だからって俺のことをコケにしやがって」
理由は簡単だ。
サービスエリアでナンパした女が俺のことをバカにしやがったからだ。
弟をバカにするなだって?
そんなに弟のほうがいいのかよ?
筋金入りのブラコンかよ。よく考えたらないわー。
そう思ったら少し萎えてきたところで一台のバイクに抜かれる。
「ん?あのバイク、あのサービスエリアに止まってたバイクじゃねぇか。
しかも乗ってたやつの服装、間違いねぇ・・・・・・!」
俺をクソだと言いやがったクソ女がバイクで俺の車を抜きやがった。
そのことに無性に腹が立ってくる。
「クソアマが・・・・・・・許せねぇ!」
俺はアクセルを床まで踏み込んで加速させ追い越し車線に入りバイクの真後ろに追いつこうとする。
だがバイクのほうが俺に気づいて急加速を始める。
あっという間に引き離され、いくら踏んでも追いつけない。
「クソが!」
俺はあのバイクに追いつけなかった悔しさと怒りを車の中で爆発させた。
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「到着~」
どうやら目的地に到着したらしい。
ここは・・・・・・
あの有名な海の上にある神社があるところだな。
正確にはここはそこに行くための玄関口のところだが。
「どうしても健くんとここに行きたかったんだ~」
姉はそう言いながら再び俺に左手を差し出してくる。
俺が右手を差し出すと嬉しそうに
手を握って恋人つなぎにしてくる。
そんなに弟と手をつなぎたいの?
俺と手をつなげるのがそんなにうれしいの?
「じゃあ、フェリーに乗ってあの島に渡ろう」
俺は姉に連れられるままフェリーに乗る。
「高速でミニバンに煽られかけたたときはどうなるかと思いました」
フェリーの客室内で高速道路上で後ろからミニバンが猛スピードで近づいてきたときのことを思い出してその話を姉に振る。
「ああ、あれね。バイクだからと思ってなめてかかって煽ってきてさ、ホントムカついちゃったよ」
「姉さんがいきなり4速まで落としてスロットル開けたときは久しぶりに"スイッチ"が入ったと思って焦りましたよ」
「うん、あれは実際本当に入っちゃった。でもすぐ切れたしバイクのおかげであっさり振り切れたでしょ?」
姉がえっへんという感じで胸を突き出す。
そこはわたしのおかげとかじゃないのね。
まぁあのバイクに勝てる四輪なんて少なくとも市販車ではほとんどいないのは事実だが。
「ですがオービスに引っかかったりとか覆面に捕まりやしないかって私はヒヤヒヤしましたよ」
「そこは大丈夫、オービスの場所や覆面が多い場所は把握してるから!」
お、おう・・・・・・・・・
そんな会話をしているとフェリーが島に到着したため上陸する。
海岸にそびえ立つ鳥居に靴が泥だらけになりながら近づいた後目的地の神社で参拝した。
「健くんは何をお願いした?」
姉がそう聞いてくるので秘密と答えると、
「むぅ、教えてくれてもいいじゃない」
とむくれる。
「人に言うと願いが叶わないらしいですから」
というと姉はそうなの、じゃぁわたしも秘密と言って納得した。
その後姉と一緒に水族館に行って様々な海や川の生き物を見たり触れ合ったりして姉とともに癒された。
帰り道には屋台で売ってる食べ物をお互いに違うものを買って食べさせあうという羞恥プレイも姉の強い要望でやる羽目になった。
フェリーで本土に戻りバイクに乗って家へと帰る。
「ただいま~」
日がかなり傾いたころ無事に家に到着し姉が帰宅のあいさつをする。
「おかえり、あらあら随分と進展したようね」
「そうだよ!今日もいっぱい健くんとイチャイチャしたからね」
「そうなの、これからが楽しみね~」
絶賛俺はまた姉に手を恋人つなぎで握られている。
何もこんなときまでする必要はないだろ・・・・・・。
そして娘が息子に姉弟ではやらないことをしてるんですが止めないんですか母よ。
と思ったが今朝そういえばイチャイチャしてるのを止めないと堂々と言っていたことを思い出し母に止めてもらおうという甘い希望は捨てた。
「お父さん、バイクどこに置いとけばいい?」
「おー、とりあえず玄関先に置いといてくれ。
後で倉庫入れとくから」
姉が靴を脱いで父の部屋に行きバイクの置き場所を訊いている間に俺は靴を脱いで自分の部屋へと向かう。
そしてヘルメットやグローブを元の位置に収めて等々してる間に夜になりいい時間になったため俺は眠りにつく。
次回2人目のヒロインが登場します。
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