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運がいいだけの偽物勇者  作者: 麦瀬 むぎ
第四章
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イグニスの魔法。抵抗するツバキ。

「シャンス!見たことない魔法だ。油断しないでね。」


「天災竜目の前にして油断する奴なんかいねぇよ。」


イグニスの周りを飛んでいる5つの光がそれぞれの魔法を放ちながらイグニスが向かってくる。


「!?自動で魔法放つ玉みたいなもんか?」


イグニスの剣を受け流したシャンスに炎と氷の魔法が飛んでくる。


咄嗟の判断で躱したシャンスに雷と光と闇の玉が飛んでくる。


シャンスは体制を崩していて、回避できない。


「…っ」


剣を盾にしてイグニスの魔法を防ぐ。


衝撃で後ろに飛ばされ、地面に手をついたシャンスに一瞬で距離を詰めたイグニスの剣が襲い掛かる。


「恐ろしい魔法だね。」


イグニスの剣を太刀で受け止めたヨハンが黒炎を放つが、炎と氷と雷の3つの魔法によってかき消される。


すかさず飛んでくる光と闇の魔法を体制を立て直したシャンスが弾く。


「自動で飛んでくる5つの玉とイグニス同時に相手にするとかマジかよ。」


「結構辛いけどやるしかないね。」


シャンスとヨハンが構える。


「シャンス!僕があの魔法を全部撃ち落とすからどうにかしてイグニスに一撃入れて!」


「難しいこと言うんじゃねぇよ…でもあの魔法を気にしなくていいなら助かる。」


そう言ってシャンスはイグニスに斬りかかる。


それを阻止しようと5つの玉がシャンスに向け魔法を一斉に放つ。


「外しちゃったらごめんねシャンス。」


「怖いこと言うなよチャトラ!信じてるぜ。」


ヨハンがイグニスの5つの玉それぞれと同じ魔法を一斉に放ち相殺する。


「やっぱり大賢者様って呼ばれてるだけのことはあるよな。5つの魔法を同時にぶつけて相殺するなんて普通出来ねぇだろ。」


「僕だって必死にやってるんだ。だから外したらごめんねって言ったん…あっ。」


ヨハンの炎の魔法が外れる。イグニスの放った炎の魔法がシャンスに向かっていく。


「あっ!!ちょっ…チャトラ!!?」


メビウスがヨハンの主導権を一瞬だけ奪い、黒炎を放ち、ギリギリのところでイグニスの炎魔法を消滅させる。



「ナイスメビウス!!助かったよ。シャンスが黒焦げになるところだった。」


殿は昔からおっちょこちょいでござるよ。


「えへへ。」


「何わろてんねん!!!頼むぜチャトラ!こっちはもう防御を全部イグニスの剣にまわしてんだ。」


「ごめんよ。次は外さない。」


5つの魔弾はヨハンが相殺しているとしてもやはり勇者の体を支配したイグニスは強く、だんだんとシャンスも防戦一方になる。


イグニスの蹴りがシャンスの右腕に直撃し、シャンスの剣が宙を舞う。


「しまっ…」


「シャンス!!!」


シャンスの首にイグニスの剣が突き刺さる直前でイグニスの動きが止まる。


「…ちぃ。まだ精神が残っておったのか。」


「ツバ…キ?」


イグニスがシャンスから距離をとる。


ツバキがイグニスの中で主導権を奪おうとしているのか、イグニスの左腕が右腕を掴む。


「ずっと息を潜めておったのか。完全に貴様の精神は消滅したと思っていたぞ。」


「冗談…じゃねぇ…俺の体だぞ…好きさせて…たまるかよ…」


「ツバキ!!そのまま抑えとけ!!」


「無茶言うんじゃねぇぞ…偽物が…ずっと体が焼けるような痛みと戦いながら抑えてんだ…さっさと倒しやがれ…」


「シャンスを助けてくれてありがとう。ツバキ…すぐ楽にしてあげるよ。」


動かなくなったイグニスにチャトラが太刀を振り下ろす。


「…どうやら時間切れのようだな。」


ツバキの力を抑え込んだイグニスがチャトラの太刀を左手で受け止め、右手に持っていた剣をチャトラに突き刺した。


殿!!!


メビウスが憑依を解き、ヨハンを後ろに投げ飛ばした。


「っ!?メビウス!!」


メビウスの体がイグニスの体に貫かれ、5属性の魔法が直撃する。



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