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運がいいだけの偽物勇者  作者: 麦瀬 むぎ
第四章
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魔王の油断。そして本気。

「我のお気に入りの2頭だ。強いぞ。」


「まずは魔王倒して次はてめぇだ。さっさと片付けるぞ。偽物。」


ツバキがスペアの剣を抜いて、黒龍へと走り出す。


「上等だよ。足引っ張るんじゃねぇぞ。本物。」


シャンスももう一体の黒龍へ向かう。


「シャンス様!援護します!」


カルアが黒龍にメテオラを放つ。


黒龍はカルアの魔法に黒炎をうち、無効化する。


「黒炎!?やっぱりあのドラゴンめーちゃんの親戚なんじゃないの?」


拙者と同じ黒龍ではあるが…まだ子供でござるよ。


「めーちゃんよりおっきいのに??」


拙者の本来の姿はあれより大きいでござるよ。


メビウスとカルアが話しているうちに黒龍がカルアに向け黒炎を放つ。


「黒炎!!」


カルアも黒炎で相殺する。


「カルア!相性が悪い!魔王に向けて魔力温存しとけ!ユウ!一気に叩く!合わせろ!!」


「分かりました!」「了解。」


シャンスとユウが同時に消える。


光と風が交差して黒龍へと向かっていく。


黒龍は黒炎を放とうと口に黒い炎を溜めるが、シャンスとユウのスピードには間に合わない。


黒龍の足元から首めがけて二人が肉を斬りながら駆け上がっていく。


痛みに叫びを上げた黒龍の首がシャンスとユウの斬撃によって地面に落ちる。


それと同時にツバキが1人で戦っていた黒龍の首をはねた。


「はっ。こっちは一人なのにそちらさんは二人で俺と同時かよ。」


「うるせぇな。ぼっちは一人で戦ってろ。」


「ぼっちって言うんじゃねぇ!!!!フレアが憑依してんだよ!!!」


「んじゃこっちだってチャトラ先生憑依してるから3人だわ。」


シャンスとツバキはどこまでも仲が悪い。


「随分と余裕だな?」


魔王が喋ると同時に無数のダークボールがシャンスとツバキを襲った。


チャトラがシャンスの主導権を奪い、ダークボールを回避する。


ツバキは避けきれず、3発のダークボールを体に受けてしまう。


「がっ…フレア!!…なんで避けてくれなかったんだ!!」


「すまない。余所見をしていた。」


「ふざけんじゃねぇ!!魔王戦だぞ!!」


「気を抜いていたのはツバキも同じであろう?我に頼りすぎなのだ。」


「くそったれ!!!」


ツバキがポーションをガブ飲みし、穴が空いた箇所を再生させる。


「ユウ!このまま攻めるぞ。カルアは援護してくれ。」


「了解。」「分かりました!」


シャンスとユウが消え。カルアがメテオラを詠唱する。


「ふむ。相殺させてもらおう。メテオラ。」


魔王がカルアの放ったメテオラにメテオラを放つ。


魔王の魔力から打ち出されるメテオラはカルアのメテオラをいとも容易く相殺し、残った炎の玉がカルアに飛んでいく。


カルアはとっさに片翼で体を覆い防ぐ。


「こんなの…威力が違いすぎる…」


魔法を詠唱して硬直状態の魔王にシャンスとユウの剣が振り下ろされる。


「ふむ。ダークウォール。」


魔王が一瞬で硬直を解き、周囲を闇の防壁を作る。


二人の剣はその防壁に邪魔され、魔王には届かない。


「まじかよ…」


攻撃を弾かれ、体制が崩れたユウの目の前に魔王が瞬間移動。


「っ…!?」


ユウの腹に魔王の蹴りが炸裂し、後ろに吹き飛ぶ。


「ユウ!!」


「次は小癪な黒龍の娘だな。」


魔王がそう言うとまたも瞬間移動。一瞬でカルアの目の前に現れる。


「カルア!!!」


シャンスの叫びも空しく、魔王の手がカルアの首を掴む。


「う…あ…」


「やめろぉぉぉぉ!!!」


シャンスが聖剣を光らせ、魔王に向け光を放とうとする。


「おっと。いいのか?この娘ごと消し飛んでしまうぞ。」


魔王がカルアを掴んだままシャンスに向ける。


「っ…」


「シャ、シャンス様…私はいいから。撃ってくださ…い。」


「馬鹿言ってんじゃねぇ!!俺はもう大切な人を失うのは嫌なんだ!!」


「馬鹿はシャンス様です…今がチャンスなんですよ?撃ってください。めーちゃんも離れて。」


カルアがそういうとメビウスの憑依が強制的に解かれる。


「姫!!!」


「は…やく…シャンス…様…」


「できねぇよ…カルア…」


シャンスが込めていた魔力を手放した。


次の瞬間、カルアを掴んでいた魔王の腕が消し飛び、心臓から剣が生える。


「ぐぉぉ…」


腕が切り落とされ、地面に落ちてくるカルアをシャンスが受け止める。


「言ったよなぁ?俺を無視すんなって。終わりだよ。魔王。」


回復を終えたツバキが魔王の腕を魔法で消し飛ばし、背後から心臓を貫いた。


「ふっ。勇者ツバキよ。今までRPGをプレイしてきたのであろう?人型の魔王を倒すと次はどうなる?」


「…!?第二形態…」


ツバキが剣を抜いて離れると魔王を闇の霧が包み込む。


「この姿を見るのは貴様らが初めてだ。光栄に思うといい。」


闇が消え、現れたのは闇の竜。


「我は魔王であり、暗黒竜。その名をヴリトラ。」


魔王の第二形態。ヴリトラが巨大な翼を羽ばたかせ、シャンス達とツバキの前に舞い降りる。


「さぁ。第二ステージといこう。」

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