表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運がいいだけの偽物勇者  作者: 麦瀬 むぎ
第四章
62/70

魔王vs偽物勇者と本物勇者。

シャンス達の前に落ちてきた闇から魔王が現れる。


「魔王…久しぶりだな。」


「勇者よ…この間はよくも…あれ?」


魔王がきょとんとシャンスを見つめている。


「村人じゃね??」


「そうだよ。あの時に本物の勇者は死んだ。あの野郎が死ぬ時に俺に勇者を演じろと頼んできて、今に至る。」


「ほう。ただの村人が勇者になったか。だがどうやってリコリスやアイリスを…貴様は運が高いだけの村人だろう?」


「何回か死にかけたけどな。チャトラさんとカルア達のおかげだ。」


「運の良い奴だ。ここまで頑張ったのは褒めてやる。だが、我を倒すことはできんぞ。」


魔王の体をツバキが放った4属性の魔法が貫く。


「俺を無視してんじゃねぇ。お前を倒すために異世界から転生した本物の勇者。ツバキ様だ。」


ツバキの魔法を受けても無傷の魔王。


「この威力。嘘ではないようだな。異世界からの転生者か…この世界の神も勇者の死は予期していなかったらしい。」


「お前神様知ってんのかよ。」


「はるか昔に以前の魔王が風呂場で転んで死んでしまってな。我も神に魔王として転生させられたのだ。」


「異世界転生者同士かよ。しかも前の魔王風呂場で死んだのかよ…」


「無駄話はここまでにしよう。偽物の勇者と本物の勇者よ。せいぜい楽しませてくれよ。」


魔王が杖を召喚し、闇の魔法を放つ。


「ダークワールド。」


紫色の光が空へと放たれ、太陽か闇に隠れる。


「空が…なんの魔法だ??」


シャンスが魔王に問いかける。


「聞けば教えて貰えると思うなよ。…雰囲気作りだ。」


「教えてくれるんじゃねぇか。そして雰囲気だけかよ。」


「明るい所で最終決戦とかRPGっぽくないじゃん。」


「それについては同意だぜ魔王。でもこの流れだとお前負けるぞ。」


魔王と同じ異世界転生者であるツバキが同意する。


「心配するでない。お決まりの約束もやってやる。勇者ツバキよ。もし、我の仲間になるのであれば、貴様に世界の半分をやる。」


「いいねぇ。ゲームで何回もやってきたやり取りだ。…答えはいいえだよ。この世界では俺が最強だからな。」


ツバキが剣を抜いて魔王に切りかかる。


「忘れるなよ。我も魔王として神から力を授かっているのだぞ。」


魔王の杖が光り、暗黒の玉が魔王の周りに現れる。


「全ての物質を削り取る闇。ダークボール。」


魔王がダークボールをツバキに放つ。


ツバキが咄嗟に魔法と剣で弾く。


「全ての物質を削り取ると言っただろうに…避けないとはな。」


ダークボールを弾いたツバキの剣が削り取られ、柄のみになる。


「しまっ…!?」


ツバキに残りのダークボールが襲いかかる。


「フォトンソード!!!」


シャンスがツバキに魔法が当たるギリギリの所に聖剣の光を伸ばした。


シャンスの光にダークボールが全て吸い込まれる。


「余計なことしてんじゃねぇぞ!!偽物が!!!」


「お前…俺が助けなきゃ穴だらけだったぞ!!ちょっとは感謝しろや!!」


シャンスとツバキが睨み合い、魔王をほったらかして今にも斬り合いを始めそうだ。


「魔王を目の前にして仲間割れとは…」


「「仲間じゃねぇ!!!」」


シャンスとツバキの声が被る。


魔王が右手の薬指にはめていた2つの指輪を外して投げる。


指輪から闇が溢れ、黒龍が2体現れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ