拳聖とコウン王国騎士団団長。操られる偽物勇者。
ジークと合流したシャンスが状況を伝える。
「この騎士たちはアイリスに洗脳されてる。アイリスは俺達が引き受けるからこいつらを気絶させてくれ。」
「任された。頼んだぞシャンス殿。コウン王国騎士団よ!!命令は聞いたな!!!我が騎士団の力の全てを使え!!エーテル王国を救うのだ!!誰一人として傷つけてはならんぞ!!」
ジークの力強い声が王城に響き渡る。
それに応えるように騎士達が声をあげ、エーテル騎士団へ立ち向かっていく。
「ちっ。面白くない展開ね。ガルム。ひねり潰しなさい。」
アイリスが命令し、国王がジークの目の前へ飛び降りる。
「エーテル王国国王。拳聖…ガルム・エーテル殿。最強の武闘家と手合わせ願えるとは。コウン王国騎士団団長、ジーク。推して参る。」
ジークの拳とガルムの拳がぶつかり合う。
「さて、後はこのクソ勇者様御一行ね。来なさい。アイリス様のお人形にしてあげる。」
「チャトラ!」「めーちゃん!!」
2人にチャトラとメビウスが魔力の光となって飛んでいく。
「メテオラと黒炎!!!」
カルアが両手で魔法を放つ。
アイリスに当たる直前でアイリスは霧となって消える。
きゃははと響く笑い声がして、霧が収束していき、アイリスの形へと戻る。
「効かないっていってるでしょ?」
そう言ったアイリスの後ろにシャンスが回り込んでいる。
「直ぐに霧にはなれねぇんだろう??」
シャンスがアイリスをフォルスの剣で斬り裂く。
「きゃあああああ!!!…なんてね。」
真っ二つに斬られたはずのアイリスが霧となりシャンスを包み込む。
「…!?しまっ…」
シャンスの目から光が消えていく。
「シャンス様!!」
「きゃはは。勇者げっとぉ。私のかわいいシャンスちゃん。アイツらを殺しなさい。」
シャンスがカルア達に向かって走り出す。
姫!交代でござる!
メビウスがカルアから主導権を受け取り、黒い太刀を生成してシャンスの剣を受け止める。
「正気に戻るのだシャンス殿!!剣を向けているのは姫でござる!!」
「だめだ!ごめんメビウス!!シャンスから主導権が奪えない!!」
シャンスの意識を奪ってチャトラが喋るが体は操られているようだ。
「メビウス殿!私も加勢する!!」
ユウが左手で剣を抜き、シャンスをメビウスから引き剥がす。
「きゃはは。いいわよシャンス。そのまま全員殺しなさい。」
アイリスの声を聞き、シャンスが再び踏み込んでくる。
「シャンス殿!!」
「すまない。シャンス殿。」
メビウスに斬りかかるシャンスの剣を瞬間移動したユウが止めて、シャンスの顎に蹴りを入れる。
しかし、シャンスは一瞬よろけただけで、再び剣をユウに向けて振り下ろす。
「ユウ殿!!」
メビウスがそれを受け流す。
「すまない。助かった。」
めーちゃん!私と代わって。
「姫!?しかし…」
いいから代わって!!シャンス様は私が元に戻すから。
「…御意。無理はなされぬよう。」
メビウスからカルアへと主導権が移る。
「シャンス様。今元に戻してあげます。」
カルアが黒炎をシャンスに向け放つ。
姫!?当たればシャンス殿は灰になるでござる!!
「大丈夫だよ。シャンス様なら避ける。そして私に向かってくる。」
カルアの言った通り、シャンスは黒炎を交わしながらカルアへ突っ込んでくる。
そしてカルアへ剣を振る。カルアが太刀で受けようとするがシャンスの剣が当たる寸前で止まり、体を回転させながらカルアの腹を切り裂こうとする。
「…知ってますよ。チャトラちゃんを抜いたら私が1番シャンス様の動きを見てきたんです。」
シャンスの剣を太刀で受け止め、シャンスの顎に蹴りを入れる。
...はずだった。
カルアは体が固く、シャンスの顎まで足が届かない。そのことをカルアは計算に入れていなかった。
「あっ、シャンス様。ごめんなさっ…」
カルアの足は、シャンスの股間に大打撃を与える。
バゴォッと重たい音が庭園に響いた。




