洗脳された騎士団団長。怒りの鉄拳。
シャンスの剣を受け止めた隻腕の騎士団団長、ユウはシャンスを蹴り飛ばし、アイリスの前で立ちはだかる。
「エル!知り合いか?」
「ユウ・テンペスト。隻腕の魔法剣士。エーテル国の騎士団団長ですわ。」
「ジークさんレベルかよ…こりゃ気ぃ抜けねぇな。」
「きゃはは。いいわよユウ。あたしを守って頂戴。」
「…!?汚い手でユウに触るな!!!」
エルが叫ぶ。
「あら。エレーナ様は騎士団団長が好きなのね。ごめんね。この子はもうあたしの物なの。」
アイリスに指示されユウはアイリスへキスをする。
「…!!」
「きゃはは。いい顔。もっと見せて???そうだ。お父様が好きな男に殺されるのってどう?その時のあなたの顔見てみたいの。」
嗤うアイリスの顔の半分が炎の魔法で吹き飛んだ。
「シャンス様の両親を殺して…エルちゃんの大切な人まで弄んで…絶対に許しません!」
「ひっどいなぁ。シャンスちゃんの母親殺したのはシャンスちゃんじゃないの。顔半分なくなっちゃったじゃない。でも私に攻撃とか効かないから。どんまぁい。」
紫色の霧が集まってアイリスの顔が再生される。
「私戦闘向きじゃないから。あとは頼むわね。わ、た、し、の、ユウ。」
「かしこまりました。アイリス様。」
アイリスが扉から出て行く。
残ったユウは左手だけで剣を握り、構える。
「ユウは風魔法で瞬間移動にも似たスピードで切りかかってくるわ。気をつけて。」
「エルの大切な人なんだろう?絶対に洗脳を解いて元に戻してやる。チャトラ。」
「了解だよっ。」
主導権はシャンスのまま。チャトラがシャンスに憑依する。
「魔力感知は拙者の方が得意でござる。姫。主導権を。」
「分かった。灼いたらダメだよ。」
「御意。」
カルアにメビウスが憑依してカルアに片翼と尻尾。片角が生え、片方の紫色の瞳が黒くなる。
「すごい…」
エルが驚くと同時にユウの姿が消える。
「来るぞシャンス殿!!」
メビウスが叫んだのと同時にユウがシャンスの目の前に現れ、剣撃を繰り出す。
「はっや…」
シャンスがそれに反応し、ギリギリのところで受け流す。
「ある程度予測しなきゃ受けきれねぇぞ。」
シャンス!僕の魔力感知の感覚を共有するからそれである程度の攻撃を予測して。
「了解!」
またしてもユウの姿が消え、今度はメビウスへ剣が振られる。
「見えているでござるよ。」
メビウスがしゃがみ、ユウの剣を避ける。
「1回の移動の後、次の移動まで時間がかかるのでござろう?」
メビウスが太刀を生成し、その柄でユウの顎を突く。
ユウが一瞬よろめき、後ろへ下がる。
「ユウ!目を覚まして!!あなたは私の騎士なの!私のために力を使いなさい!!」
エルの言葉も今のユウには届いていない。
ユウが再び消え、エルの目の前に現れる。
「しまっ…!?エル!!!」
シャンスがエルの元へ走り出すが間に合わない。
「このバカユウ!!!」
エルから魔力が溢れ出し、振りかぶるユウの剣を避けてユウの顎にアッパーを繰り出した。
「がっ…」
ユウの脳が揺れ、意識を失って後ろに倒れる。




