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運がいいだけの偽物勇者  作者: 麦瀬 むぎ
第三章 天災竜 イグニス
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アイリスの魔の手、いつものカルアさん。

「よくぞ参ったな勇者シャンス殿。して、魔王の手が迫っていると聞いたがその内容はわかっているのかね?」


「はっ。魔王軍のアイリス・ラエビガータがエーテルに侵入し、国王を洗脳し、国を乗っ取ろうと企んでいるという情報を手に入れ、それを伝えると同時に止めるため、このエーテルへと参りました。」


「そうか。して。その証拠はどこにある。」


「証拠は…提示できるものはありません…敵から貰った情報ですので。」


「ほう。敵の情報を鵜呑みにしてはるばるここまできたということかね。」


エーテル国王の顔が険しくなる。


「そなたの国、コウン王国とは友好関係を築いてきた。だが王国は天災竜イグニスの魔力を失ったと聞いた。資源確保のため、我が国に攻めてきても不思議ではないだろう?」


「…!?決してそのようなことは…!!」


シャンスは気づいた。エーテル国王の目がカデルと同じく光を失っていることに。


「そうよ!このクソ勇者はエーテルを襲い、ウンディーネの加護を奪いに来たのよ。」


国王の背後からアイリスが姿を現す。


「初めましてクソ勇者様。母親殺しの大罪人。」


アイリスが嬉しそうに嗤う。


「アイリス…お前が…俺の両親を!」


シャンスが抜刀するが王国の兵士がシャンス達を取り囲む。


「シャンス様!!この人たち皆操られて…」


「きゃははは。私を殺したいんでしょ!?ならこの場の人間皆殺しにして私を殺しなさいよ。その代わり戦争になるけどね。」


「このクズ野郎が…」


「誰に向かって口きいてんだよ。」


アイリスが合図すると兵士たちがシャンスを取り押さえる。


「がっ…」


「シャンス様!!!あっ…」


カルアも5人の槍を持った兵士たちに取り押さえられる。


「地下牢へ閉じ込めておきなさい。この王国の支配が終われば魔王様をお呼びして、目の前で処刑してあげるわ。」


アイリスが笑いながら国王を蹴飛ばし、玉座へと座る。


「アイリス!!!!!!」


シャンスが叫ぶ。


「きゃはっ。ああ怖い。そんなに私が憎いの?母親を洗脳して父親を殺させ、あなたを狙わせた私が。」


「絶対お前だけは…許さねぇ…」


「処刑される日までせいぜい私の殺し方でも考えてなさいな。無理だけどね。」


きゃははと嗤うアイリスが消えていく。


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「シャンス様…どうやって脱出しますか?」


牢屋に入れられた二人が手と足を拘束され、横たわっている。チャトラとメビウスは袋のような物に入れられ、顔だけが袋から出ている。


「魔力を封じる魔法石が壁に埋め込まれているでござる。魔法は使えないでござるよ。」


「それでもなんとかしねぇと。すでに国王はアイリスの洗脳にかかってる。アイリスを止めないと戦争になる…」


シャンスが力を込めて、拘束を解こうとするが、手錠と足かせはびくともしない。


「くそ…」


「私の出番でふね!」


カルアは口をもごもごさせて口から針金を出す。


「カルアさん!!でかした!いつの間に…」


「ふっふっふ。わたひこういう盗賊の本が昔から好きで読んでいたんれふ。これでだっしゅ…へぁっちゅん!!!!」


カルアのくしゃみで針金は檻の外へと飛んでいった。


「う…うぇぇぇぇぇぇぇ…シャンス様ぁぁ。」


「よしよし。そんなことだろうと思ってたよ。さすがはカルアさんだ。」


シャンスとカルアが絶望する。


「何をしているの?」


檻の外から声がして二人がそちらを見つめる。


「くしゃみの音がして針金が飛んできたんだけれど…」




そこには水色の髪をすらりと伸ばした少女が立っていた。檻の鍵を持って。



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