から揚げ棒と死。そして転生。
話は変わってここは日本のある町。
高校3年生のツバキがコンビニでから揚げ棒を買って歩きながら家へと帰っていた。
「やっぱりから揚げ棒はサイコーマートに限るなぁ。」
から揚げ棒を頬張るツバキに小学生がぶつかってくる。
「ああ!!から揚げ棒が!!!!」
宙を舞うから揚げ棒を追いかけ、交差点に飛び出すツバキ。
パァーンとクラクションを鳴らしながらトラックが突っ込んでくる。
「えっ」
ツバキの意識はそこで途絶えた。
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「ここは?」
気が付くと真っ白な部屋にいて、その中心にイズが二つ、向かい合っておいてあるだけ。
ツバキがそこに座り、あたりを見渡していると扉が現れ、中から小さな老人が出てきた。
「誰だよ!?」
「ほっほ。ワシは神。全ての世界のバランスを保つ神じゃ。」
「神様ぁ?俺は死んじまったのか?」
「そうじゃ。トラックに轢かれて即死。ちなみにから揚げ棒は無事じゃ。」
「もうから揚げ棒はどうでもいいわ!!…んで、神様が何の用だよ。天国か地獄か選ばせてくれんのか?」
「いや、実はお前さんに頼みがあってな。ある世界を救ってほしい。」
「はい?」
「ワシの手違いでその世界の勇者が魔王に殺されてしまった。じゃから世界のバランスを保つために新たな勇者を生まれさせねばならんのだが、急に勇者が死んでしまってな、新しい勇者が育つ前に魔王が世界を支配してしまうんじゃ。」
「だから俺に勇者として異世界転生させて魔王と戦えって話か。」
「話が早くて助かるわい。ちなみに…転生先ではステータスも大幅に補正をかけるし、剣と防具も用意しよう。要するに強くてニューゲームじゃの。」
「いいねぇ。強くてニューゲーム好きだよ。魔王を倒しさえすれば後は悠々自適な勇者のスローライフってわけだな。」
「そう簡単にいくとは思えんが、まぁそういうことじゃな。」
「いいぜ。昔からゲームは好きだったんだ。早く転生させてくれ。」
「よかろう。頼んだぞ。勇者ツバキ。」
ツバキの周りに魔法陣が現れ、ツバキはシャンスたちの世界へ転生する。
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「ついたか。」
ツバキは見たこともない木や虫がたくさんいる森へ召喚された。
「うおおお!!!かっけぇ剣と鎧!!!!センスいいねぇあの神様!!」
ツバキの腰には赤い龍の装飾が施された剣と深紅の騎士のような鎧を纏っていた。
「やる気出てきた。やってやるぜ。魔王を倒して悠々自適な異世界生活をよ!!」
叫ぶツバキのすぐそばに緑色のドラゴンが落ちてくる。
「え?」
唖然としているツバキを他所に空から4属性のブレスが降ってきて、緑色のドラゴンを消滅させる。
「は?ちょっ…転生場所考えて飛ばせやあのくそ爺!!!」
魔力の塊となった緑のドラゴンを空から降ってきた赤いドラゴンが食べ始める。
「最初の敵はスライムかゴロツキだろうがよ!!!」
ツバキが剣を抜く。
「ん?人間よ、そこで何をしている。」
赤いドラゴン。天災竜イグニスが抜刀したツバキを見つけた。
「喋るのかよ。俺の名はツバキ。異世界から転生した勇者だ。」
「ほう。前の勇者は死んだか。」
イグニスが少し考えこみ、鼻息を鳴らした後、ツバキに話しかける。
「勇者よ。我は世界を滅ぼす竜を倒す者。その力、我に貸してほしい。」
「この世界は魔王だけじゃなくて竜も悪さすんのかよ…。」
「左様。我の名は炎竜フレア。竜をすべて倒し、滅ぼすのが我の役目。協力してくれるなら魔王討伐の時にも力を貸そう。」
「序盤からドラゴン退治かと思ったら協力イベントかよ。勇者補正すげぇな。よろしく頼むよ。フレア。」
「ああ。助かるよ。勇者ツバキよ。」
天災竜イグニスが怪しい笑みを浮かべながらツバキと行動を共にする。
ここに本物の勇者、ツバキが転生した。




