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落下中

「え?おじさん落っこちちゃったけど何したの?」


 エンチョーが覇毛に聞いてきた


「あー、なんというかなぁ……まぐれってやつかな?」


「まぐれ?」


「あぁ。アイツの鈴を(ほど)くために後ろに回り込んで不意打ちするっていう作戦だったんだけど、勢い余って地面に手をついてしまったんだよ。そしたら地面がするするーっと」


「ふーん。つまり地面が解けて、そこから落ちてったってことね」


「奇跡だったな」


「地面が薄くなかったらあなた死んでたけどね」


「……」


 確かに。もし地面が厚ければおじさんが転んだとしても攻撃が当たってしまってたかもしれない


「まぁ、私が力をあまり使いたくないから最低限の足場を用意したんだけどね」


 つまり、エンチョーが元気だったら今死んでたのか?と思い、覇毛は鳥肌が立った。


「ほら。一応おじさん助けなきゃじゃない?」


 下を見るとおじさんが猛スピードで落下していた


「あ!やべっ!エンチョーあのおじさんの近くまで歪ませてくれ!」


「別にいいけど、あまり無茶なことしちゃダメよ」


「すまないな。巻き込んでしまって」


「いいのよ。もともと私がついて行きたいって言ったのだし」


「よし。じゃあ行くか」


「えぇ」


 エンチョーが頷くと見えない地面が消えた。突然の出来事だったので覇毛は体勢をくずし頭からダイブする感じになってしまった


「あばばばばばば」


「ちょっと何してんのよ」


「エンチョー!早くぅぅううう!!」


「わかったわよ」


 エンチョーが覇毛をおじさんの近くまで歪ませた。おじさんはピクリとも動かないが、念のため覇毛はおじさんの手をネクタイで縛った。鈴は風になびいてチリンチリンと鳴っている


「今から鈴を(ほど)くから、それが終わったらすぐにこいつを監禁できそうな場所に移動させてくれ!」


「わかったわ。そっちは任せたわよ」


 覇毛がおじさん鈴に手をかけたその時、おじさんが覇毛の顔を覗き込みニタリと笑った。覇毛は今のお前に何ができる?といった顔でおじさんを睨みつけた


「俺をここまで追いつめたヤツはお前らが初めてだぜ。だが俺は負けねェ…ここで終わらせてやるぜ」


 おじさんがそう言った後、巨大な影が覇毛たちを覆った。


「これは……『落石』か」


 上を見ると巨大な岩が落ちてきていた。それは隕石と言っても差し支えのないものだった


「ッ!このなにデカイはさすがに対応しきれないぞ!?」


「ハハッ!ここで終わりだ!俺もお前らも!そしてこの町のやつらもな!」


「クッ…」


 覇毛は何もできない自分を恨んだ。覇毛は祈った。無意味だとわかっていても彼には祈る事しかできなかった。

 が、運命は覇毛を見捨ててはいなかった


「!?」


 突然覇毛たちを覆う影が消え、真っ青な空が顔をだした


「なにッ!?どういうことだァ?」


「このくらいの岩で勝った気になってるんじゃないわよじゃないわよ。異能使いすぎると身長伸びなくなるのに……なんかムカついてきたから、アナタにはとっておきの罰を与えるわ」


 その声は怒気を帯びていた

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