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日曜日、午後3時の空に舞う。

 その時、鈴の音が響いた。マズい!また落とされる!


「エンチョー!!あのおじさんだ!」


「え?あぁ、うん。りょーかい」


 エンチョーの携帯電話からシャッター音が鳴る。間に合ってくれ!








 気がつくと空の上に立っていた。クソッ遅れた……か?あれ?


「え?落ちてない?」


「地面を歪ませてきたのよ」


「なるほど。で、あのおじさんはどこだ?」


「そこにいるじゃない」


 エンチョーが指をさした方を見るとダンディーなおじさんがこちらを見ていた


「あ゛ぇ!!?」


「驚きすぎよ。ほらさっさと捕まえてよ…」


「エンチョーの異能で牢屋にぶち込んだりとかは……」


「無理ね。この地面とモルモットーランド歪ませ続けるだけで疲れるのよ。まぁ、最後の力を振りしぼっておじさんをここまで連れてきたんだけどね」


 疲れ果てた顔でこっちを見てくる。エンチョーの言う通りこれが精一杯なのだろう。ここからは私一人でどうにかしろってことか


「話は終わったか?探偵」


 渋い声が私を呼ぶ


「まさか、この俺がそこの嬢ちゃんに不意打ちを食らうとは思わなんだ。しかもなんで空中に立っているんだ?これじゃあ迂闊に動けねェなァ」


 あ、今空中にいるのって、おじさんの異能が発動したんじゃなくて、エンチョーが私たちごと上に連れてきてたんだ


「人を見かけで判断してはいけないということだ。さて、私はお前に聞きたいことがたくさんあるんだが」


「俺に聞きたいことだと?」


「あぁ。まずお前はどうして人を殺す?目的はなんだ?」


「目的ねぇ……まァ強いて言うなら俺たちがこの世界に革命を起こすためだなッ!」


 そう言うとおじさんは距離を詰めてきた。手を伸ばせば届く距離だ。するとおじさんはいきなり持っていた鈴を勢いよく振った。そして次の瞬間ヤバめな何かが私の真横に落ちてきた。その何かにかすったのか、私のお気に入りの服の袖が焼けた


「お前……!何をした!?」


「落としたんだよ…雷をな。この距離でミスるとは、この高さに少しビビっちまってるな……」


 どうやらおじさんは、私のいる位置まで地面があることに賭けて近づいてきたようだ。なんという勇気


「待て。お前は例の人を空から落としている犯人だろ?雷は関係ないはずだが?」


「そう、お前の言う通り犯人は俺だ。そして俺の異能はモノを『落とす』能力だ」


「『落とす』…なるほど。そういうことか」


 つまり、今の雷は『落雷』か。そうなるとこの『落とす』能力は結構厄介だな


「フッ……中田から聞いてるぜ。お前の能力モノを『解く』ってやつだろ?探偵らしいバカみてェな能力だな。そんなんで俺を止められるのか?」


 ……ってか、中田って誰だ?しかもさっき俺たちって言ってたし他にも仲間がいるかもしれないな。だが、まずは…


「絶対にお前を止めてやる」


「やってみろよォ!!」


 おじさんが鈴を振る。別に身体能力が高いわけでもない私は落雷を避けきれず左手に攻撃を食らってしまった……様に見えた


「ふっ…」


「ん?どういうことなんだ?当たってねェだと?」


 相手の動きが止まった。今だ!狙いは鈴!バラバラに(ほど)いてやる!私はおじさんの後ろに回り込む。勢いが良すぎたのか、スリップしてしまい、地面にズシャァっと手をついてしまった。だが痛みは感じなかった


「あ?おいおいおい隙だらけじゃねェか!これで終わりだな!」


 おじさんが私の方に足を一歩踏み出して鈴を振りかぶった


「避けなさい!」


 エンチョーの声が響く


「探偵ィ!地獄に落としてやるぜ!!」


 この絶望的に見える状況の中、私は既に勝利を確信していた


「いや、落ちるのはお前だぜ。おじさん」


 次の瞬間、おじさんの体は馬呉市へと落ちていった

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