ハゲと助手と爆弾と目玉焼き
『────馬呉市で、今月3回目の爆破事件が起こりました。犯人はまだ捕まっておらず、警察はテロと異能者の両方────』
「はぁ…またこの事件か。犯人はまだ見つからないのか?」
言いながら私はトースターにパンを2枚セットする。全く、朝からこんなニュースを見ると気が滅入ってしまう。この世から犯罪が消える日はくるのだろうか…心配だ。
っと、ここで自己紹介をしておこう。私の名前は閃 覇毛。この馬呉市ではちょっと有名な探偵だ。最近はトーストの上に目玉焼きをのせて食べることにハマっている。頭に毛が1本も生えていなく、身長が180cmだが、19歳だ。
「ふぁ…おはようございます覇毛さん…」
「おはよう。もう少しでできるから座って待っててくれ」
「はーい…」
彼の名前は丸賀 凛太。坊主頭が特徴的な小学五年生。とある事情があって二年前から私の事務所に居候している。普段は頼れる助手だが、朝に弱い。
目玉焼きを華麗に2つ作り上げると丁度いいタイミングで、チンッという音とともにパンがひょこっとトースターの中から出てくる。私は間違えて砂糖を大量に振りかけてしまった方の目玉焼きを凛太くんのさらに盛りつけ、テーブルへと向かう。
「「いただきます」」
凛太くんが砂糖が大量に振りかかった目玉焼きを口へと運ぶ。
「ブフォッ!!甘っめぇ!?」
彼の口から目玉焼きが飛んでくる。当然、避けられるはずもなく顔面で目玉焼きを受け止める。
「すまん」
取り敢えず謝っておこう。謝罪は大切だ。あと顔も拭かなければ…
「覇毛さん砂糖と塩間違えてましたね?」
「まぁ、人間誰にでも間違いはあるさ」
「いや、間違えたのハゲさんでしょ!?」
私は朝食を口にかき込み皿を片付け、テレビの方へ目を向ける。
「ねえ、聞いてるんですかー?」
やれやれ、厄介なことになってしまった。ひとまず凛太くんをなだめるとするか。
「ちょっ『ブ────ブ────』
携帯電話がなった。
「ん?電話か?こんな時間に誰だ?」
取り敢えず、電話に出る。
「もしもし?」
『やぁ…君があの迷探偵の…キラメキ君…?』
相手はヘリウムガスを吸ったような声だった。風邪かな?まぁ、まずは間違いを正さねば。
「私の名前はヒラメキです。依頼ですか?」
『モルモットーランドに爆弾を隠した…2時間後に一斉に爆破するよ…』
「!?」
モルモットーランドといえば、あの平日でも混む超人気テーマパークだぞ!?もしそんな所で爆発なんて起こったら…
『警察が無能すぎて退屈だったんだ…だからさ…僕を楽しませてくれよ天才異能者くん…』
もしやコイツがニュースでやってた爆弾魔か!?しかも、私のことを知っているらしい。だとしたらヤバい!
「おい!…クソッ切れたか。凛太くん!急いで準備をしてくれ!モルモットーランドに行くぞ!」
「はい!僕ジェットコースターに乗りたいです!」
こうして、私達のハチャメチャな冒険が幕を開けた…
「いや、遊びに行くんじゃないよ!?」