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密談

 その子もトイレに行きたいはず!

 かわいらしく主張して、何とか三人きりで集まることができた。


「初めまして、八条那毬です」

「どうも、夜鳥留です」

「…あ、えっと、北原誠です」


 少年が頭を下げる。


「なんとなく察しはついてるし、そっちもついてると思うんだけど」

「子供の姿になってる。でも、大人の記憶は引き継いだまま」

「そう。置かれた状況を説明するわ」


そうしてなるべく手短に現状を伝える。トイレと言ってきたのだ、あまり時間はない。


「つまり、そっちのどっちかがおまけで、おまけは命が危ない、と」

「そう。で、こっちの提案なんだけど」


 留が考えていたことを話す。


「なるべく三人で行動する。ことがはっきりわかるまでは、子どものふりをする。その方が相手から情報を得られやすい」

「子供だと思って油断するしね」

「能力が発現しても、三人の能力がわかるまでは彼らにばれないようにする」


 そうすれば、彼らもうかつに間引くことはできない、はずだ。


「情報が欲しいわ。怪しまれない程度に、情報を集めなきゃ」

「わかった、協力しよう」

「彼らもバカじゃないだろうし、すでに那毬か私のどちらかがおまけ…いえ、魔王側のスパイと考えているかもね。あなたは身の安全が保障されているから、本当はこんな、こそこそしなくていいんだけどね」


 留が苦笑を漏らすと、誠は首を振った。


「いや、まだ誰が、何が正しいかすらわかっていない状況だ。信じられるのは、この三人だけと考えていいだろう」

「あら、私たちを数に数えてくれるのね」

「あぁ、まぁ人を見る目はある方だ」


 遠くで神子様と呼ぶ声が聞こえた。


「タイムリミットね。まだ彼らに自己紹介してなかったわ、そういえば」

「あ、忘れてたね」

「俺は暇がなかった」


 起きて早々、トイレだなんだと言われ、人けのない場所に連れてこられたのだ。


「じゃあ戻ったらまず、つたない子供らしい自己紹介ね」

「そうだな」

「よろしく―。私人見知りなんだよねー」

「こら、留!」


そうして、三人は声のする方へと戻って行った。


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