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むだい。  作者: 伏見 ねきつ
1章
3/21

「はあ………はぁ。」

 河原着。

 駄目でした。

 どうも、持久力がないらしい。まず、運動が出来ないし。最近は更に体育の授業でしか動いてない。

「こんなペース、距離も無理なの?」

「……………し…ぬ。」

「死ね。」

 直球ストライク。

 ただし、デットボール。

「駄目駄目だね。駄目駄目ー。屑ー!」

「く……。」

 返す言葉がない。

「じゃバトルしよー。」

「……殺す気か?」

「君さ…どんどん口が悪くなってきてるよね。」

「………そんなことないし!」

 ほら、最初は人見知りしてたしさ。しかもおばけだと思ってたし。

 暁人の口が悪いしさ。それに対抗しようとしたんだよ。

 きっと。

 元が口悪いだけかもだけど。

「そんなに全力で否定させると、「そんなことあるよぼく。口悪いんだー」って言ってるようなものだよ。」

「いや、似てないし。」

「え?似てなかった?アホみたいな声が特に。」

「ぼくがアホみたいな声だというイメージをつけないでよ。」

「アホじゃなかったら君、なんなの?あぁ、馬鹿か。」

「勝手に理解するな!」

「え?」

「疑問をもたれた………。」

 今の所は、「あぁそうか。ごめんね。」って言うべきだよ。

 いうわけないけど。言ったら怖いし。

 何か裏があるんじゃないかと探るよ。

「話が進まないな………。君がいちいちつっかかってくるからいけないんだよ。」

「いや、むしろ君の方が。」

「……………。なにか?」

「いいえ。なにも。」

 めんどくさいし。

 そしてなによりも、早く帰りたい!家でぐたーとしていたい。

 はやく終わらせようよ。

 これからぼくがかっこいい展開になっていくんだからさ。

 ただのヘタレじゃないぞ!かっこいい雫!っていう展開なんだから!

「君は、屑。」

「いや、肯定されても困る。」

「よーし。はじめよ!」

「おー!」

「なんか乗り気だね。ムカつく。」

「なんで乗り気なだけでムカつくんだよ。」

「じゃあルール。」

 スルーされた。

「ルールはね。うーん。倒れるまで?それとも、水に顔突っ込んだ方が負けとか?」

「どっちでもいいけど。」

 どのみち、ここでバトルしたらびしょ濡れになるんだから。

「じゃさ、顔突っ込んだまけ。」

「……………そ。」

 つまり足を引っ掛ければいいのか。

 ずべってすべってはい。ぼくの勝ちみたいな。

 もしくは膝カックン。

「引き分けはなし。終わるまで。」

「おーけー。」

「殺しはいけませんよ。」

「おーけー。」

 まず、殺せないし。

 そして、「おーけー」は我ながら馬鹿っぽい。

「よーいスタート………!」

 暁人は飛びました。

 飛びました?跳びました。

 跳びましたが正解。

 始まりの合図をしたとたん上に高く飛翔した。

 えぇぇぇえぇえ。

「なんで、跳ぶんだよ。」

「かっこいいから!」

 とかいいながら暁人はこっちに向かって落下してきてる。

 これから私、飛び蹴りしますよ。っていう姿勢。

「こぇぇ。」

 一応、手をクロスしてガード。

 ガード?

 違うな。受け流すんだ。

 暁人の足を横に。流す。

「なにっ!?」

 わざとくさっ。

「…………おも……。」

「なにが?なにが重いの?暁人ちゃん?暁人ちゃん?なに暁人ちゃんが重いの?」

 そんなこと言いながら手を握りしめて殴ってくる。

 こわ。

 なにか言ったっけぼく。

「い……いや。」

 パンチを受けながら、言い訳?反論?をする。

「攻撃が重かったって事だよ……。同時に、勢いがついていたのでぼくの腕では勝てなかったっていうか。重かったっていうか。何て言うんだろう……なんていうか………………重かった。」

 攻撃が。

「お………重い!?なに?暁人ちゃんは君より遥かに軽いよ。五十五キロ以上ね!」

 なんでぼくの体重知ってるんだよ!こわ!ぼくが五十五キロで君は零キロなんですね?

「死んでるって。」

「は?」

 ぐーで殴ってきた!?

 こわい!

 なんか怒ってる!?

 ………っていうかそんなに強くない?

 一発一発が軽いというか。

 女の子なんだなぁって。思う。

 夜遅いから早く終わらせなきゃ。

 …………ね?

「鳩尾。」

 ぼくは言った。

「?」

「別名、水月。」

 一発暁人に入れる。

 人体急所。

 急所を打つたびにおとがなるけれど誰にも見えない。聞こえない。

 まぁ、ここまでやって倒れないのはすごいと思うけど。

 膝カックンすればぼくの勝ち。

「ぼくは強いんだよ。暁人。」

 それなりにね。

 運動能力と戦闘能力は違うんだよ。

 それに女の子にやられるほど柔じゃない。

「……………ははは。奇遇だね。暁人ちゃんもね、男の子に負けるほど柔じゃないんだよ。」

「どゆこと?」

 また、アホっぽい事を…言っちゃったよ。

「まほーってあるんだよ。案外。」

「魔法?」

 メラみたいな?

 レイズみたいな?

 ……………魔法?

「そ。魔法。君のおばけが見える目みたいなね…………!」

 といったとたん、暁人が消えた。

「え?」

 消えた?

 闇に紛れた?

 人間が消えるわけない。のに?


「インビジブルもいるんだよ!」


 とたん、ぼくの体が浮いた。

 さっきの暁人みたいに。

 暁人ちゃんによって飛ばされたんだ。たぶん蹴りで。

 見えないけれど!

 透明人間!インビジブル!

 スケルトンは透明人間じゃないよ!

「ていや!」

「ごふっ」

 わざとくさいけどこんな感じ!

 折角飛んだのに(飛ばされたのに。)上から踵落とし食らった感じ。

「……………」

 そういえば暁人って脚力のほうがあるよな。

 最初、高く飛んでたし。

 パンチはそこまでじゃなかったけど。

 じゃ……着地して、そこから作戦立てるか。

「バーカ。」

「!?」

 着地、否、落ちた所は水の上。否、中。

 否が多すぎて訳がわからないと思うけど。水の中に落ちました。

 着地とかないじゃんか。

 水の上に着地とか、それこそ魔法。

 そこまで深くないけど。

 ぼくの負けって事かな?

 かっこわる。ぼく、かっこわる。もう生きていけない。

「ぷはぁ!」

 もう、可愛いキャラを貫こうかな。

 ぼく、実は弱くて戦った事とかなくてーひ弱な男の子なんですー。萌え袖なんですー。みたいな。

 あぁ過去のぼくを消し去りたい。

「ひひっ暁人ちゃんの勝ちー。」

 暁人は手をぼくの方に差し出してくる。

「…………。どうも。」

 川から上がるとびしょ濡れでした。

 気持ち悪い……。

 制服のまま来たけど、どうしよ。

 学校……。

 あ、休みだ。

 忘れてた。今日は金曜日でした。

 都合がいいね。

「びしょ濡れだね、君。」

 河原の階段に一先ず腰をおろす。

「暁人のせいだけどね。」

「一回、家帰る?」

 暁人のせいだけど。っていう台詞無視した。こいつ。

「いいよ。また来るのめんどくさい。」

「暁人ちゃん、気配を消せば入れるけど。」

「いや、やだ。」

 あ。本音が。

 即答しちゃったよ。

「嫌だ?ひでー非情。」

「そこまで言われることしてないよ。ぼく。」

「暁人ちゃんは心がキレたんだ………。」

「どっち!?」

 キレたの!?それとも割れたの!?

「ねー。暁人ちゃんの勝ちだよね。じゃあ、君は仲間だ!いや………。……やっぱ、言わないでおこう。」

「何を言われるところだったんだ……?」

「ひみつ!」

「………。」

 何もいえねぇ。

 圧力に負けて。とかじゃなくて呆れて。って意味で。

 うん。

 じゃあそろそろぼくも秘密ごっこしてる場合じゃないよな。

 秘密は後で後悔するよ。

「………さて、ぼくは何から話そう。」

「え?何か話すの?」

「え?一般人がここまで戦えたのっておかしくない?」

「おかしいの?」

「お前、一般人って何か知ってる?」

「お前って呼ぶなよ。きもいな。」

 …………スルーしよ。

「あぁごめん。暁人、一般人って何か知ってる?」

「えっと、私?」

 まじで?

「…………。一般人はね、何も知らない人。」

「それは人間じゃない!」

「いや、なんとなく通じろよ。えっと、暁人は裏側の仕事。少なくとも一般人じゃない。一般人にあまりみられちゃいけない。」

「裏の仕事って誰かから聞いたけど。」

 うんうんと頷く暁人。

「で、一般人は身近な所だと、ぼくの両親、さっき学校にいた生徒、通りすぎたおばさん。というか、日本人の中殆どが一般人。」

 だから、一般っていうんだろうけどさ。

「よくわかりません。屑さん。」

「そうですか。まぁいいや、裏が分かってたら。」

「じゃ、いいじゃん。」

 …………いいんだけどさ。

 楽観的っていうかなんていうか。

 まあいいや。

「で、ぼくは元、裏の人なんだよ。」

「その単語だけきくと危ない人みたいだね。」

 そうだね。

「暁人がどこに所属してるのかもなんとなくわかったし。多分、同じとこ。」

「どうして。」

「制服。」

 ぼくは暁人を、否、暁人の制服を指差していった。

「あぁ。」

「暁人と同じような位置にいたんだよ。だから暁人が何をしてるかもなんとなく分かるし、国がどう動いてるかもなんとなくわかる。」

「え?そうなの。」

 ぼくのこと調べたんじゃないの。って聞きたいんだけど。

 無駄なことだけを調べたの?

 おつかれ。

「五歳までだけどね。目が黒くなってきたら、やめさせられた。」

 というか自主退場みたいなものだった気がする。

 きちんとは覚えてないけど。

「やめさせられた?」

「目が紅くなきゃぼくはただの子供だよ。ちょっと皆より強かっただけ。」

 で、ぼくより強いやつが出てきてるなんて時代は変わったなぁ。

 そんな魔法って形になってなかったし。

「過去の話に入ろうか。」

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