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むだい。  作者: 伏見 ねきつ
1章
2/21

「飲み物はオレンジジュース。おやつはなし。」

 場所は代わりぼくの部屋。

「そういわれてもな。」

 突然だったし。

 ぼく、おかしそんなにすぎじゃないんだよ。オレンジジュースがあったのも不思議って感じだからさ。

「好きな食べ物が海苔とかすごいかわいそうなんですけど。」

「なんで知ってるの?ってききたいんだけど。」

「ん?気のせいだよ。ってのらりくらりとかわしたいところだけど本題に入らなくちゃ……。」

「?」

「まず一つ。暁人ちゃんは政府の人間です。」

「はい?」

 政府って?

 それは生きてた頃のはなし?

 今のはなし?

「ちょっと言えない部署にいるんだ。国家秘密だもの。」

 まー暁人ちゃんとしては言ってもいいんだけどねー。

 だとのこと。

「え…と?暁人ちゃんは政府の方?」

「うん。」

「なんで?」

「なんでって酷くない?」

「だって君、学生でしょ。」

「そーだね。うーん。うーん。雫は霊が見えるって能力でしょ?んで、暁人ちゃんもそんな能力を持ってるわけ。んでねースカウトされたんだ。」

「そんな能力?」

「うん。暁人ちゃんはね、極限まで影を薄くできるんだ。まるでそこにいないみたいに。」

「え?……だって君……」

 幽霊じゃん。

 ヘンテコな霊能力者とかぼくとかじゃないと見えないでしょ。

 それは生きてた頃の話?

 もしくは勘違い?

 あれ?でも政府の人にスカウトされたんだよね?

 あ?

 わけわかんね………。

 最近、親としか話してなかったから疑問を持つことがなかったからな…。

 普段使わない脳味噌使うと疲れる……。

「なに考えてるの?目紅いっすよ。黒髪でさー目が紅いと余計に死神みたいできもいよね。」

「あれ……あれれ。」

「ん?」

 目が紅い……?

 暁人見えてるぞ。ぼく。

 幽霊なら見えないはず。

 ありゃ。誤差動?

 待って。集中してみよう。これでいつ誤差動したのか判断する。

「…………。」

 見えるって。

 そういや、さっきも見えてたな。不思議だなぁって思ってたじゃないか。

 なんだ?一回目見えなかったのはなんで?

「…………ばーか。あはははっ。まさかっ!まさかのまさか!暁人ちゃんは幽霊なのかなー?って思ってた?馬鹿だねぇ。ヒントやったじゃん。」

「あ。」

 だまされた………。

 簡単じゃないか。暁人が影を薄くする能力とやらで政府にスカウトされたならぼくが目を紅くした途端にその能力を使えばいいんじゃん。

 じゃあ、暁人は生きてるのか。

 通りすぎたおばさんがすごい顔で見てたのは、ぼく…死神が同い年ぐらいであろう女の子と話していたからで…。

「やっぱり君は馬鹿じゃないか。親が親なら屑は屑だね。」

「色々違うよ…。」

「政府の方々はなんかわかんないけど最近、変な能力をもった子供たちを集めてるってわけ。チームが何個かあって、私は無所属。そろそろチームつくろーかって話。」

「ふうん?え……ということは?」

 まさか?

「スカウトしにきましーー」

「やだっ!」

「最後まで言わせろや!スカウトしにきたんだよ!」

「やだよ。巻き込まないでよ。君、親はどうしてるんだよ。」

 暁人は首を傾げる。

「死んだらしいけど?」

「……………ごめん。」

 聞いちゃいけないことだった。かも。

「なんで謝られてるかよくわかんないよ。暁人ちゃんは。だって、親の顔知らないもん。」

「あったことがないの……?」

「ない。」

「…………そ。」

「ねー。で来てくれるの?まー断ってもいいけど。半殺しになるだけだしぃ。」

「行かないよ。ぼくは。」

「ぐだぐだするなやー。どーせこのあと仲間になるんだからさ。」

 そうだけどさ。仲間ににならなきゃいけない気がするけど。

「やだ。」

「なるほど。つまり君はこうしたいんだね。まず、暁人ちゃんと君はバトルするわけだ。で、負けたほうが廃棄処分。」

「死ぬじゃねーかよ!」

 仲間になるルートが消え失せた……。

 てか、漫画のネタふってくるなよ。

 怒られちゃうだろうが。

「え?………あー!なるほど、負けっていうことは死ぬってことだから廃棄処分は出来ないってことか。」

「そーですね。」

「じゃさ、死ぬまででいいや。死んだら取りあえずネットにアップで。」

「えぇぇぇえぇ。」

 なんであげるの!?意味ないじゃん。

「バトルするにおいて君にこれを捧ぐ。」

 あ。バトルホントにするのね。

 暁人が出したのは棒状の…

「つまようじじゃねーか!」

「いや、違う。これはさまざまな勇者がてー」

「つまようじ。」

「チッ。つまんねーな。」

「てかバトルもしないよ?」

「は?」

「いや、しないよ?」

「いやいや、いやいやいやいや、流石にバカな君でもわかるだろ。」

「?」

「ここでバトルしなかったら面白味がないだろ。読者の皆さんが読むのやめちゃうよ。せっかくここまで読んでくれたんだからさっ。」

 読者いたの!?

 漫画?小説?どっち!?

 漫画のほうがいいな。ぼくかっこいいし。

 かっこいいし。

「いや、家だし。危ないし。荒らさないでほしいし。」

「じゃー公園で?」

「通行人いるし。危ないし。荒らさないでほしいし。」

「同じこというなよ。鳥頭が。」

「ぐすん。」

「きっ…………。でさー。」

「きもっていいかけて話を無理矢理繋ぐなよ。」

 冗談だし。

「早くバトル展開しようよ。あきた。」

「飽きないでよ!?」

「閑・話・休・題!」

「よくわかんない四字熟語を使わないほうがいいと思うよ。」

「諸行無常!曖昧模糊!獅子奮迅!天真爛漫!暴虐武人!」

「なんか違う!」

 暴虐武人ってなに!?怖い!強そう!

「お前が言ってみろよ。国語の成績3の癖に……。」

「だからなんで知ってるんだよ。行きまーす。荒唐無稽。八面六臂。清風名月。文人墨客。風林火山。一期一会。戮力協心。因果応報。」

「うるさい!うるさいうるさいうるさい!だまれ!」

「嫌だよ。言えと言ったのは暁人。君だろう?」

 記憶力がいいのだけが売りなんだ。

「閑・話・休・題!夜になっちゃう!屑の癖に話を伸ばすな!」

「延ばすだよ?」

「……………。怒った!怒った怒った怒ったぁ!はっ!屑が。廃棄物の癖に!タリタタッリリタリな脳味噌の癖に!」

「好き勝手言ってろ。ぼくはなにもしないさ。」

 タリタタッリリタリな脳味噌ってなんだよ。

「死神の癖に!変態の癖に!へんたーい!へんたーい!おまわりさーん!助けてっ!部屋に連れ込まれて監禁された!」

「してねぇ!」

 お巡りさん来たらどうするんだよ!

 来たら友達が増えるね!

「お前、男の癖に戦いに乗って来ないんだ?」

「やっっっすい挑発にはのりません。」

「勝つ自信がないんだ?暁人ちゃんに。」

「…………。」

「あはははっだっせぇ!」

「調子乗ってんじゃねーよ。」

 別にそこまで怒ってないけど言ってみた。シリウスー。ぼく、かっけー。

「じゃあついてきてよ。雫。」

「ぼく、別に戦いたくないけどなぁ。」

 なにがどうなってバトル展開になってるのかも覚えてないし。

「ついてきなさい。雫。」

「しゃーない。」

 行きますか。

 親、帰ってきちゃうし。

 ぼくなんかいないほうがいいんだ。

「暁人、行くってどこにいくのさ。」

 立ち上がってぼくは言う。

「公園。君の家の門限はいつ?」

「別にないけど。」

「そ。」

 暁人はそれだけいってすたこらと立ち上がって、歩いていく。

 階段を降り(ぼくの部屋は二階です。)、玄関から外へ出る。

「早いよ……。」

「ごめんね、屑にはついてこれなかったかー。」

「一言二言不要!」

 さっきぼくの歩くスピードについてこれなかったくせに!

「じゃあちょっと河原まで行こうよ。」

「危ないよ?」

 っていうかいまさっき公園に行くっていってたよね!?

「誰にそんなこと言ってるの?」

「暁人。」

「心配ご無用。少なくとも君より大丈夫。」

「そ。」

 大丈夫でしょうけど。

 大丈夫なような気がするし。

「めんどくさいな。飛びたい。」

 すたこらと歩きながらいう暁人。

「飛べないでしょ?」

「飛べるよ?」

「え?まじで?」

「君にあわせてるんだよ。」

「そりゃ……ありがとうございます。」

 すみませんね…。

「嘘だけど。」

「え?」

「飛べるわけないでしょ?馬鹿。本当に馬鹿だね君は。」

「嘘かよ!」

 つまらないところで嘘つかないでよ。わかりにくいな。

「走ろ。」

「え?」

「走る。ついてこい。」

 暁人はかなり早いペースで走り始めた。

 唐突になにかをはじめるなよ!ついていけないよ。

「早く。来て。殺すよ。」

「え。待ってよ。」

 ぼくを無視して走っていく。

 しょーがない走るか。

 たしかこっちの方向は……『乃橋』の方。

 結構近所だからそんなに走らないし。いつも以上のペースでいいか。

 ついていかねーと。



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