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むだい。  作者: 伏見 ねきつ
4章
16/21

「言い過ぎたかも。」

「かも。じゃありません。言い過ぎです。……ただの八つ当たりじゃないですか。」

「ごめん。」

「なにを私に謝ってるんですか。暁人さんに謝るべきですよ。……諸行さん。その目が迷惑だといいましたが、私はその目好きですよ。貴方にきいたかぎりですが、その目嫌なのはわかってます。散々聞きました。でもですね……。」

「………………。」

「好きなんですからしょうがないじゃないですか!」

「……え。」

 愁ちゃん、凄く頬が赤いんですけど。

 …………ちょ……。

 こっちも照れる。

「私はぁぁああしょーちゃんが好きだぁああああああああああ!!」

「えぇえぇぇ!」

「いえ!嘘……じゃないですけど!忘れてくださらないでほしいですけど!あぁ!もういいです!告白しました!大好きです!しょーちゃんが世界一大好きです!」

「あう………あうあう……。」

 告白…………。

 人生初!……告白。

 こ……告白。

 ここここ告白!?

「へ………返事は不要です。今返事しちゃダメです!今返事しても信じませんし!今後永遠に話をききません!」

「は……はぁ。」

「最期にこれぐらい言わせてもらってもいいはずです。」

「字が違うよ………。」

 不吉だなぁ。

「間違えました。てへ!最後でした!」

 何が最後なのかはわからないけど。

 何かの節目をもうすぐでむかえるんだろう。

 ページもあとすくないし。

「暁人さんを追いましょう。諸行さん。」

「うん……。」

 教会へ向かって歩く。

 二人ならんで。

「私の存在意義ってなんなんでしょうね。」

「……?」

「私、話的には勝手に現れて勝手に生き返って勝手にここここ…告白して。自由なキャラクターです。」

「キャラクターもなにも現実なんだから君は君。愁ちゃんなんだよ。」

「そーでしたね。でも、たまに考えませんか?自分は何者かに作られたもので、話を作られて、観察されてるんじゃないかって。」

「……でもさ、言っちゃえばぼくは親に作られて、周りに話を作られて、周囲に観察されてる。って言ったら終わりだと思うよ。」

 厨二病みたいな考えだろうけど。

 そう思う。

「……じゃあ私、愁を知っている人数が少ないから、愁というキャラクターは自由…?」

「……そんなつもりはなかったぜ。………でも結局、自分を組み立ていくのは他人だからさ。」

「他人ですか?」

「そ。他人。」

 教会の付近に行くと暁人がいた。

 夕焼暁人。

 彼女はなんのために突っ走っているのだろう。

 暁人の周りの他人はどんなんなんだろう。

「暁人。」

「なんだい?屑の代表君。」

「屑じゃないし!ましては、屑の代表になんてなりたくないよ!」

「えっ!」

「え!?」

 なんで驚かれてるの?

「誰………屑じゃない雫って人は知らない……。」

「いや、屑じゃない雫って人はここにいるよ。」

「はじめまして?」

「…………。」

「いや、つっこみ放棄しないでよ。」

「ごめん。暁人。」

「えっと?屑過ぎてごめんなさい?」

「違うよ!ほら、さっきはごめん!って!」

「さっき?あぁ学校の中で無視したこと?」

「ものすごく前だね!根にもってたんだあれ!」

 なつかしいな幽霊だと思ってたんだっけ。

 暁人ちゃんって呼んでたなぁ。そういや。

「……………とりあえずさっきのことは許さないでおいておくから。精々従えよ。屑。」

「…………はい。」

 従いまくります。

 めちゃくちゃ従います。

 本当にすみませんでした。

「じゃあ中に行こうか。雫開けて。」

「あ。はい。」

「扉重いんだ。」

 扉をつかみ押すと、開きませんでした。

 引いても開かないし。

「開かないよ。これ。」

「諸行さんはチキンなんですか?チキンなんですね?ちょっとどいてください。邪魔です。」

「あ、はい。すみません。」

 サッとその場からどく。

 なんか、すごく低姿勢なような気がするけどいいや。

「暁人さん。私が開けますけどいいですか?」

「別にいいよ。」

「かしこかしこまりましたかしこー。」

 突然!?

 もう古いかもしれないよ?それ。

 ぐぐぐっと愁ちゃんがおすと扉があいた。

 ひらけごまっみたいな感じ。

「教会ですね。普通の。」

「いや、ここは普通の教会じゃないよ。多分。そこのマリア像の後ろに階段があって上に行ける。」

「つまり………?」

「つまり屋上さ。」

「屋上………。」

 教会の屋根は三角だから屋上なんてなかなか作れなさそうだもんな。

「マリアさんに失礼だと思うけどな。ぼくは。」

「像だしいいんじゃない?」

「軽い……。」

「行こーぜ。上にAがいるよ。」

「へー。」

「たおそーう!あ。雫。雫。手を繋ごうよ。」

「え。なんで?」

「透明になったら見えないでしょ。……この能力さ、他人と行動できないのが悩みものだよね。」

「あぁ。そうかもね。」

 暁人と手を繋ぐ。

 恋人繋ぎで。

 あ……あの指を絡めるっていうあのやつ。

「…………アキトサン?」

「わー照れてやんの。きもー。なに?暁人ちゃんが好きなの?きもきも。」

「…………。」

「ざんねんでした!暁人ちゃんはなんとも思ってません!あははは。じゃあね!消えます!」

 すーと暁人が消えていく。

 知ってはいたけど近くで見ると不思議だな。

 Aも同じ能力って怖いよな。

 見えない人が二人いるんだぜ?

 何を殴っちゃうかわからないじゃん。

「じゃあ…レッツゴー。」

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