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「諸行さん。」
「なに?」
「ちょっと外に出ません?」
ということでぼくと愁ちゃんは乃橋の上を歩いている。
暁人はぼくの部屋で漫画読んでたからおいてきた。愁ちゃんも二人が良かったらしいし。
日がやっと傾いてきて、少し寒いなって思える時間帯。
緋咲さんに再び会った。
「…………ちょっと秘密の話をしようと諸行さんを連れ出したのですが、思わぬ方と出会ってしまいましたね。」
「そうっぽいね。」
秘密の話ってなんだろう。
まぁ、この状況じゃ秘密の話をきくことはしばらく無さそう。
「よっ。」
「どうも。」
「さっきぶりです。」
「下、降りようぜ。」
「嫌です。」
一応、暁人の敵に登録されてるし。
「じゃいいや。ここで。座ろうぜ。」
「いや、道のど真ん中ですけど。」
「そんぐらい気にするなよ。な?」
緋咲さんはその場に座る。
いやいやいや。
「いや、邪魔ですって。…………あーはい。下に降りればいいんですか?降りますから立ってください。」
緋咲さんって自由な人だよな……。
ぼくより数段自由だと思う。
「ありがと。人目につきたくないんだ。」
「そうなんですか?」
「ちょっと仲間に見つかるとヤバイって言う感じ。」
「?」
「お前が抜けてから、お前に接触するの禁止されてるんだよ。俺ら。」
「…。そうなんですか。」
階段を降りると、昨日暁人と戦って負けた場所につく。
とりあえず石段に座る。
緋咲さんの隣がぼくで、愁ちゃんは立ってる。
「ちっこいやつ。」
「愁です。」
「じゃあ愁、座れよ。」
「諸行さんを守るって事になってるんで無理です。」
そうなの?
いざというときは自分でそれなりにするし。
愁ちゃんに危ないことさせたくないし。
「愁ちゃん。座っていいよ?」
「…………。」
「ぼくのとなりあいてるし。」
「……了解です。」
すごすごと座る愁ちゃん。
一度でいいから堂々とすわる愁ちゃんを見てみたいなぁ…。
「で、なにか用ですか?緋咲さん。」
「用っていうか、暇潰し。」
「………。」
暇潰しって。
俺と会ったこと忘れろよ。的なこと言ってたのに?
今日の朝のことだけど。
「暁人探しも終わったし。やることねーんだよ。」
「終わった?」
「雫の家だろ?………上には言ってないけど。感謝しろよ。」
「はあ……感謝ですか。」
「俺が上に言ってたら暁人の今日が無かったかも知れないんだぜ?」
「喧嘩の性ですか?」
「喧嘩?喧嘩ねぇ……。嵐の風雲は、なぁ?」
「なぁ?って言われてもわかりませんって。」
嵐の風雲は暁人のことだよ。お忘れなく。
「どこまで知ってるんだか知らねーけど信用ばっかりしてるのもどうかと思うぜ?」
「ぼく自身もどこまで知ってるのかわかってないですって。」
暁人がぼくにすべての情報を話してる訳じゃないだろうし。
なんたって2日しかたってないんだよ?
「喧嘩してる理由は?」
「しりません。」
「……本当になにも知らねぇな。傍観者って言うより無関係だぜ?それじゃ……。被害者以前の問題だわ。」
「……………。」
そうなんだよね。ほんと、なにも知らない。
「私のほうが理解はしていると思いますよ。そして、貴方達より情報は得ていると思います。暁人さんに言ってはいけないときいたのでぎりぎりまで言うつもりはないですが。」
「ちっこい愁が?」
「ちっこいって言わないでください。年齢は貴方より上のはずですよ。私。」
ぼくを挟んで、そんな会話しないでほしいんだけど。
座れっていったのぼくだけどさ。
「俺より年上でさらに背はちっこい。見た目は小学生。頭脳は大人って事かぁ?」
コナンかよ。
コナンにも使っていいですかぁ?ってきかなきゃいけないじゃないか。
「大人ではありませんがそれなりにわかります。小学生並みの脳ではないのは確かです。」
「見た目で騙す仕事が向いてると思うぜ?……まず、仕事出来るかとかわからねーが。」
「しません。諸行さんにしろと言われたならしますけど。採用すらされないと思います。」
小学生だもんね。
「俺と同じ仕事する?仲間ならいくらでも募集中だぜ?」
「いたしません。私が入るってことは諸行さんも入るってことになります。ということは貴方も諸行さんに会っているのがバレますよ?いいんですか?」
「おまえだけでも………って離れられないんだっけ?そうかそうか。ならいいや。」
ぼくが入る隙がない。
ぼくの存在意義が無くなっていく………。
「ま…そろそろ雫に接触出来るようになると思うけどな。」
「なんでですか?」
「これぐらいなら暁人からきいてるだろ?お前の目はまじで特別なんだって。あいつら…上が必死になって探しても見つかんねーぐらいのレア物なんだよ。」
なにがレアなんだろう。
レアはレアなんだろうけど、役にたったことなんてないし。
迷惑。
「それでなんで接触ダメになったり出来るようになったりしてるんですか?」
「質問多いな…謎解き役か?俺。まだ、早いって思ったから。だと思うけど、よく知らん。……暁人もそっちけいの話で動いてるのかもしれねーな。」
「そっちけい?」
「そっちけいはそっちけい。」
「ぼくの目?」
「本当になにも知らねーな。これぐらいは知っておいていいと思うことを一つ教えてやる。」
「?」
「暁人でいう、喧嘩の真実。」
喧嘩の真実。
「………。」
愁ちゃんが止めに入らないということは諦めてるのか、許されてる秘密なのか…?
「夕焼暁人こと嵐の風雲は、逆賊として追われてるんだぜ?」




