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第三章 文化祭

第三章 

「テスト終わったぁ」

「あぁ、そうだな」

「今回のテストは、数Ⅰと理科が難しかったですね」

「あの答えって――」

 テストの話で盛り上がっている四人。まぁ、一人は叙階ですが。あの体育祭で、仲直りした水仙が椿を説得し、また四人で行動している。

「まぁ、テストの話はソコまでにして、テスト終わった=文化祭だろ」

「そういえばそうですね。今年は、どんなことをするのか楽しみですね、椿君」

「あぁ、そうだな。まぁ、オレはどうせサボるけどな」

「おい、オレ様の前で堂々と、サボり発言をするな。もちろん、オレ様が文化祭実行委員になった暁には、サボるやつは強制連行させてやる」

 なぜか一人だけ、文化祭にやる気を出している人がいるのは良いのだが、何故だか黒く見える。


「文化祭がもうすぐ始まる。この一年で、一番大切な時。体育祭は前書きで、体育祭が本番。ここで間違えれば――」

「間違えれば、何」

 片手でもって居た双眼鏡を、一瞬にして声が聞こえた方向に、剛速球で投げた。だがしかし、ソレを軽々とキャッチしてドヤ顔で近付いてきた。

「おいおい、こんなもの投げるなよ。当たったらどうする」

「当たればいいと思ったから投げた。それだけなら、ソレを返して帰ってくれる」

「それが、人に物を頼む態度かよ。てか、蓮華から投げただろ」

 片手で、双眼鏡を弄びながら近寄ってくる夕の隙を見て、双眼鏡を取り返した変わりに夕に、手首を摑まれそのまま抱きしめられた。

「ちょっと、話してくれる。暑い」

「双眼鏡を、わざと返してやっただろ。だから、コレぐらい許せよ」

「……わかった、でも仕事があるから、十分だけ」

「あぁ、わかった」

 きっちり十分になったら、夕は蓮華から離れ学園長室を出て行った。

「訳分からん」

 体育祭の件といい、今回の件といい。夕のしたいことが分からない蓮華は、夕のことは追い解いて今は、文化祭のことに集中した。そのことで、また夕が可笑しくなるとも知らずに。


「それでは、多数決で妖怪喫茶店、で決定」

 文化祭実行委員は、琴音がやることになり、悲しみに打ち勝てなかった秋羅は、保健室でサボり中。この調子で良くと、文化祭もサボるかもしれないのであった。

「それでは、頑張りましょう」

 文化祭でやる出し物が決まったクラスから、今日から放課後の時間を使って文化祭の準備ができる。部活がある人は、部活優先。だが、部活内での出し物は禁止が、雨高のルールだった。このルールを破った部活は、廃部と言う厳しい罰則がある。

「綾女君達、ちょっとお願いがあるのだけど」

 文化祭の出し物が決まったので、今から寮に帰る気満々な綾女たちに、声をかけながら近付いて来た琴音を、無視して帰るような冷酷な人間になれず、琴音の方を振り返った。

「ごめんね、行き成り引き止めちゃって」

「別に良いよ。ところで、何か用だった」

「えっ、とね。今保健室居る、秋羅君に文化祭の出し物と、予備に言って欲しいなぁ、と思って……迷惑だったかな」

 上目遣いで、頼まれると流石に断れなくて、手か第一秋羅の存在をすっかり忘れていたとは、言えなかった。

「……ん、あぁ。良いよ、呼んでくるね」

「よかったぁ。それじゃ、よろしく」

 用件が済んだら、すばやくその場を立ち去った綾女達は、メンドくさいと小言を言いながら、保健室に向かい。一人一人から、殴られたのは言うまでもない。それから、一ヶ月経ち、文化祭本番。秋羅は、綾女達から半ば脅され渋々、文化祭の準備に参加した。

「可愛い、水仙ちゃん」

「ありがとうございます。ですが、皆も十二分にカッコイイですよ」

 クラスの男子と、話している水仙の格好は、魔女の格好。

「わぁ、椿君。すっごく、似合っている」

「ありがと。でも、あんたたちの方が、この衣装を着るのにふさわしいと思う」

 クラスの女子と、話している椿の格好は、悪魔の格好。

「あぁ、良いな。何で、あいつ等だけちやほやされてンだよ。てか、綾女早く出て来いよ。一緒に、この感じを味わおうぜ」

 着替えている部屋のシーツを引っ張り、綾女の姿を見た瞬間、秋羅の目が点になった。

「おい、もうちょっと大切に扱えよ。このシーツ壊したら、皆にドヤされるぞ」

「……」

「おーい、大丈夫か」

 顔を覗き込むように、前のめりになった瞬間、クラス全員の黄色い叫び声が聞こえた。その声で、意識を取り戻した秋羅は、綾女に詰め寄った。

「綾女! 何だ、その格好は」

「えっ、変か。これは、琴音さんのアイディアらしい」

「変じゃないよ! すっごく、似合っている」

 一人の女子生徒が、秋羅を押し倒しながら綾女に言ったら、次々と男女問わず綾女の周りに集まった。そんな、綾女の格好は、鬼の格好。しかも、ただの鬼の格好ではなく、妖艶の感じを出すために、髪の毛はロングの黒髪で、今朝気が少し巻いてある。そして、わざと、着物の裾を長く、着崩れさせてある。どこからどう見ても、男だとは思えないほど美しかった。

「実は、化粧もしたかったのよ。でも、綾女君の顔自体アレだからね。やっぱり、化粧しない方がよかった」

 遠まわしに、綾女が女顔でよかった、と言っているのに気づいたのは水仙だけで、他の人は、ただ単に褒められていると、思っている。ちなみに、秋羅の格好は、アインシュタインの格好。

「これは、もう一位決定じゃない」

「だよねぇ。だって、あんなにカッコ可愛いく、美しい人が居るのよ。このクラス以外どのクラスが一位になるのよ」

「会長のクラスとか」

 女子トークが炸裂の間、綾女と椿と水仙は店の看板役として、雨高内を回っている。秋羅は、男子達と食品の出し入れ中。そんなこんなで、文化祭本番スタート。


「文化祭、あたしの思惑通りに進むように、何としても成功させてやる」

 双眼鏡を片手で持ち、綾女のスラスを覗いた。


「綾女君、もう休憩とっていいよ。朝から働いてばかりだったでしょ、お昼ご飯にしては遅すぎるけど、お昼ご飯食べてきていいよ」

「あぁ。ありがとう」

 妖艶な笑みを向けられた、琴音が顔を真っ赤にしているにも気づかないうちに、教室を出て行った。なので、着替える暇も無かったので皆にガン見されたのは言うまでもない。

「あれ、綾女君?」

「あっ、姫宮先輩。こんにちは、先輩もお昼ですか」

「えっ、あぁ、うん。でも、一瞬綾女君だと分からなかったぁ。あっ、横座って良い」

「うん。良いよ」

 横の席に座り、何気ない話に花を咲かせた。数分後、行き成り菫が話し出さなくなり、ある一点を見つめていた。その方を向いてみたら――

「愁……夜君……」

「すみ……れ」

「愁夜、この人誰ぇ」

「……」

 何だぁ、この展開。あの男の人は、多分姫宮先輩の彼氏だと思う。あそれって、先輩の彼氏の浮気現場を、見ちゃったという正しく、修羅場なのか、と心の中で思っている綾女に、愁夜の隣に居る女が話し掛けた。

「うっわぁ、この子チョー綺麗。女の私でも、負けたなぁ」

「詩鬼、ちょっと黙っとけ」

「えぇ……もう、分かった」

 鋭い目付きで、睨まれたら流石の口軽女も黙った。

「菫。あのな――」

「何、言い訳なの。そんなの聞きたくない! 行きましょ」

「えっ、ちょっ、良いの」

「良いの!」

 手首を掴み、走り出そうとした瞬間、菫の肩を掴み無理矢理自分の方に向かせた。

「いい加減、人の話を聞けよ」

「嫌よ、離して」

「離さない、菫が俺の話を聞くまで」

「聞くも何も無いじゃない。綾女君、お願い助けて」

 涙目になりながら、綾女に助けを求める菫の姿を見た瞬間、頭に凄い激痛が走った。その時、ある光景が思い浮かんだ。


「アーくん、助けて」


「うわあああああ」

 さっきの記憶は、幼い時の記憶であった。一瞬だったから、女の子か男の子かは、分からない。でも、たった一つだけ分かった。それは、その子を助けてあげられなかった。

「あや……め」

「離してやれよ、嫌がっているだろ」

 心配そうに見ている菫を、後ろに愁夜に歩み寄り、愁夜の手を無理矢理剥がした。

「退けよ。女だから、って手加減なんてしない」

「……」

「退け、って言っているだろうがぁ」

 殴ろうとした手を、綾女は軽々と避けたと同時に、回りにくい着物で回し蹴りをした。それが、運悪く鳩尾に入った。

「帰宅部だけど、甘く見るなよ。行こう、菫」

「えっ、あっ、うん」

 行き成り回し蹴りするは、初めて名前を呼ばれて、今一状況が掴めていない菫を引き連れ、その場を去った。


「なっ、何やっている。あぁ、もう馬鹿綾女」

 今までの事を見ていた蓮華は、双眼鏡を乱暴に投げ捨て学園長室を出て行った。しかし、蓮華の思い通りにならないことがまた起こるとも知らずに。

「いったぁぁ。誰だよ、こんな忙しい時にぶつかっ――」

 次の言葉が出ないほど、ビックリしたのは、ココには居ない人が自分とぶつかったからである。その人とは――

「おいおい、最初にぶつかって来たのは蓮華だろ、何キレてんだよ」

「夕、何で……」

「何で、って蓮華が暇にしていると思ったから、遊びに来てやったんだろ」

「……そう、だけどごめん。あたし、行かなきゃ駄目だから」

 体を起こし、一秒も早く綾女の所に行かなければ行けない蓮華は、夕のことを構ってる暇は無かっただが、そんなこと夕が許す訳も無く、蓮華を壁に押し付けるようにして逃げる通路を塞いだ。

「いったぁ、何す――」

「綾女の所に行くの」

「……だったら、何。最初に言っとくけど、止めても無駄だから」

「そう……それなら」

 その言葉と同時に、この間感じたあの感覚と同じ、唇に温かく柔らかい感触が感じられた。だけど蓮華は、今キスをされていると分かると、夕の頬を力強く叩いた。

「いっ……」

「あたし、別にあんたのこと嫌いじゃなかった、と思っていた。だけど、あたしの勘違いだった。あんたのこと、もう何も思わない」

「れん……げ」

 廊下を歩いていく蓮華に、力なく呼んだ夕の声が、以上に大きく聞こえる。その声で、蓮華が振り返ったのが嬉しかった夕は、最初は顔が綻んだ。だけど、その顔はまた絶望に似た顔になった。

「何」

 拒絶の顔。今の蓮華には、一番あった言葉だ。夕が何も離さないと悟った蓮華は、また歩き出した。

「蓮華」

 また夕が呼んでも、振り返ることはせず綾女の居る場所に向かった。

「蓮華ぇぇ。行かないで……行かないでくれぇぇ」

 何度叫んでも、蓮華が帰ってくることは無いと分かっても、夕には叫ぶことの他に何をすればいいのか分からなくなっていた。夕の一番嫌いなモノ、それが拒絶。それが、大切な人ほど。夕は拒絶を怖がる、あんなに大口を叩いているが、本当は人一倍人に嫌われるのを怖がっている。


「後……もうちょっと……」

 あれから、蓮華は自分の精一杯の速さで、綾女の居る場所に向かった。その為に、学園長と理事長だけが持つことが許される、カードキーで普段は通れない道を通り、普通の道を走って行くよりも、何倍も早いのである。

「しゅっ、愁夜ぁぁ」

「!」

 大声を出しながら、終夜に駆け寄る同時に愁夜の頬を叩いた。

「いっ……」

「何やっている、早く追いかけろ」

「てかぁ、あんた誰よ」

 口軽女が口を挟んでも、お構いなしに話を進めた。

「あんたが追いかけないで、誰が追いかける」

「それでも、菫は俺を拒絶した。それなのに、行って何になる」

「馬鹿じゃないの」

 俯きながら話している愁夜の襟ぐりを掴み、無理矢理自分の顔を見るように仕向けた。

「アレは拒絶じゃない、失望だよ。愁夜は、自分だけ好きだと思っていたから。ずっと、ずっと。でも、今日ソレは違うって知ってしまったの」

「……」

「女の子ね、ずっと側に居ない大切な人とは、不安が一杯なのよ。毎日メールしたり、電話したりするのは、自分のことが好きだと言う証が欲しいの」

「……それでも、俺……」

「毎日メールや電話が来ないんでしょ」

 図星を指された終夜は、顔を横に向け地面を見た。口軽女は、蓮華達の話を聞いては、共感出来るところは、頷いていた。

「それは、愁夜に遠慮しているからでしょ。毎日辛い練習で、帰ったら寝るが当たり前になっている人に、毎日、毎日メールや電話なんか出来ない、乙女心を察してあげなよ」

「そっ、それじゃ、俺のこと……」

「好きだよ、毎日生徒会のメンバーに惚気る位。愁夜のことが好きみたい」

「俺、何てことしたんだ」

「そうだね、自分の間違いに気づいたのなら、追いかけろ。今すぐ、追いかけろ」

 襟ぐりから手を離し、綾女達が行った方を指差した。

「てか、大丈夫じゃない」

 行き成り、口軽女が話しに割り込んで来た。

「だって、さっきの子。女の子ジャン。めっちゃ、綺麗な」

「そう言えば、そうだな」

「残念。あの子は、男だが」

 あんぐりと口を開いている口軽女をほっといて、愁夜の目を見て真面目な顔で言った。

「あの子のクラスは、妖怪喫茶をやっていて、そのクラスの女子達が面白半分でやって訳。だから、ひょっとしたらもう菫を取られているかもよ」

 その瞬間、行き追いよく走り去った愁夜の後姿を見て、ミッションクリア、と思っている蓮華の後ろからギャギャ、と叫んでいる口軽女の方を向いた。

「あんた、邪魔」

「はぁ」

「消えなよ、あんたの役目は終わり」

 その言葉と同時に、黒ずくめの大人数人が口軽女の周りを、囲み姿を消した。

「後は、がんばりなよ。愁夜」


「やっぱり、追いかけてくれない。あの人、新しい彼女なのかな。お姉さん達、自然消滅していたのかな。もう、無いも信じられない……よ」

「姫宮先輩」

 本格的に泣き出した菫に対して、どう接していいか分からずにオドオドしていたら――

「退けよ、菫は、俺の彼女だ」

 汗を拭かずに、綾女に近付いた愁夜。そのことに、ビックリした菫の手首を掴み、自分の腕の中に抱いた。

「えっ、愁……夜」

「あぁ……ごめんな。俺が、大学に入ってから菫から電話やメールの回数が、段々少なくなったから、もう俺のこと飽きたのか、って思っていて」

「違う、ソレは誤解」

「あぁ。菫なら、俺のこと考えて電話やメールを減らしたんだろ」

 頭をナデナデしながら、優しい顔で菫を見ている愁夜を見ていた綾は、お邪魔だと思い姿を消した。

「菫、俺に遠慮しないでくれ。寂しいなら、寂しい、と言ってくれ。メールだって電話だって毎日してくれて構わない。俺に遠慮するな、菫」

「そっ、それじゃ、あの女の人は誰なの」

「女……煤夢のことか」

「うん。何だか、男の子みたいな名前だね」

「だって、男だしアレ」

「えっ、嘘」

「嘘じゃない。まぁ、俗に言うお釜だな。一応、マネージャー」

 そんなこんなで、菫と愁夜の中が一層深まり、文化祭一日目が終わった。文化祭模擬店一位は、二年一組の、叩いて被ってじゃんけんポン、であった。ちなみに、この案を出したのは百合であった。その夜――

「夕、いい加減にしたら」

「るせーよ。勝手に入ってくるんじゃねぇ」

 生徒会の寮の夕の部屋は、空き巣に入られたような有様になっていて、その中央に立っていた夕に、ドアに凭れ掛かっている百合が尋ねた。

「勝手に入ってきて欲しくないのなら、モノを壁に投げつけるなよ。隣の部屋、誰か分かってやっているだろ。丸聞こえ、はっきり言って五月蝿い」

「テメェこそ、ウルセェよ。出てけよ」

「夕……誰か怒らしたよな。それも、怒らしたレベルの問題じゃないよな」

 図星らしく、散乱している部屋の中の物を百合に投げつけたが――

「おいおい、女の子に物を投げるのは、紳士がすることじゃないよ」

 軽々と投げたものをキャッチした渚は、百合の目の前に立ち、笑顔でも目が笑っていない。

「……」

「あんたが何時までも其のままなら、理事長の座は渡せない。僕が貰う、ソレが嫌なら、しっかりしな」

 それだけ言うと、百合は自分の部屋に戻った。

「百合が言っていたことも一理有るけど、それでも、押して駄目なら引いてみろ、と昔の人が言っていたのも活用するのも有りじゃない」

「……」

「それじゃ、お休み夕君」

 部屋を出て行った渚に、反論できずに居た自分自身に腹が立ち、壁を殴った。

「んじゃ、あの時どうしたらよかったんだよ」

 あの時の光景が今でも頭の中に駆け巡っている。

「はぁ……押して駄目なら引いてみるか……オレにはやっぱり無理だ」

 部屋を片付けるのも面倒になった夕は、ベッドにダイブしたまま夢の中に落ちた。

 文化祭二日目、今日も雨高は一般の人で一杯になり、模擬店の方では大盛況で打ち上げが何処も豪華であった。その夜――


「もう、来ないかと思っていた」

 ドアを背もたれにして、蓮華の方を向かずに別の方向を向いている。蓮華もその人影に目を向けずにグラウンドで、キャンプファイヤーや打ち上げ花火を楽しんでいる生徒達を見ていた。

「……」

「……何か、言うことが有るから来ただろ。なら、早く言えよ」

「……」

 振り向かずに淡々と喋っている蓮華の話を聞いてもなお、話そうとしない。

「……」

「……」

 長い沈黙が、学園長室の中を追いつくしていた。その沈黙を破るかのように、蓮華に近付いた。

「ごめん……それじゃ」

 それだけ言うと、学園長室から出て行った。その後姿に、無意識に伸びた腕を必死に押さえた。

「……何がしたかったんだよ」

 崩れ落ちるように床に座り、片手を顔に当てながら下唇を噛んだ。



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