隣国からの影
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沈黙する隣国の影
エレナの名は、もう王国だけじゃなくて、隣国にも知れ渡ってるんだって!
新型防護付与。
魔力干渉転換術式。
遠隔安定化装置。
これ、戦争を防ぐためのすごい技術なんだよね。
だから、当然――狙われる。
動いたのは隣国、
ヴァルディア帝国。
表向きは仲良し国。
でも裏では、王国の技術力をこっそり探ってるんだって。
狙いははっきりしてる。
奇跡の付与師を仲間にする、あるいは連れ帰る。
静かな侵食
まずは、ちょっとしたお誘い。
ヴァルディア帝国大使館から手紙が届く。
研究資金をくれる。
自由に研究できる環境を用意してくれる。
待遇も破格。
「我が帝国でこそ、貴女の才能は正しく評価されます」
丁寧な文章。
でも裏には、技術が漏れるんじゃないかって心配が隠れてる。
エレナは静かに断った。
「わたくしは王国の一員です」
水晶がキラッと光る。
「忠誠心、試されてるんだね」
次の手
甘い言葉が効かなかったら、次は強引に。
帝国は王国内の商会を買収して、エレナの素材の仕入れ網にちょっかいを出す。
希少鉱石の流通が、なんだか不自然に滞る。
値段が高くなる。
研究を遅らせる狙い。
さらに。
王国内の一部のお偉いさんたちに密書。
「フォルティア家が全部を独占するのは、ちょっと危ないんじゃない?」
仲間割れさせようとしてる。
見えない糸
でもエレナは慌てない。
ダンジョンで自分で素材を採る方法を知ってるんだ。
そして何より。
水晶がピカッと光る。
「網、逆探知」
エレナは流通記録に“魔力追跡印”を付ける。
書き換えられた契約書
不自然にお金が動いてる
帝国大使館との裏取引
魔力は消せない。
必ず痕跡が残る。
王宮魔導監査局に静かに提出する。
外交の場
王城の大広間。
王太子リヒャルトが立会いのもと、帝国大使が呼び出される。
穏やかな笑顔のやり取り。
でもテーブルの上には証拠がいっぱい。
「これは、民間商会が勝手にやったことでしょう」
大使は言う。
でも魔力署名は、帝国紋章付きの公文書と一緒。
言い逃れはできない。
王太子の声は静かだけど、しっかりしてる。
「友好ってのは、正直の上に成り立つものなんだよ」
それ以上の追及はしない。
戦争にはしない。
でも――
帝国の工作は公式に抗議されて
貿易の優遇措置は凍結
技術協定もストップ
痛い。
すごく痛い。
プチざまぁの代償
ヴァルディア帝国内部。
工作を仕組んだ宰相補佐官はクビ。
外交的な失敗の責任を押し付けられる。
大使は本国に呼び戻される。
処刑も戦争もない。
だが出世街道は完全に絶たれた。
技術を奪うはずが、信用を失った。
静かな敗北。
王国の決意
王太子はエレナに言う。
「君を守る法を整備する」
国家重要魔導技術保護令
特定技術者への国外干渉を禁じる新法。
エレナ個人ではなく、
王国の財産として守られる立場へ。
それは名誉であり、同時に重責。
「……重くはありませんか?」
アレクシスが問う。
「少しだけ」
エレナは正直に言う。
「ですが、わたくし一人ではありませんから」
その視線は、彼へ。
王太子は静かにその様子を見る。
格の違い
帝国の策略は失敗した。
だがエレナは一度も怒りを表に出さなかった。
糾弾もしない。
ただ証拠を揃え、誠実に提示しただけ。
その姿勢が、王国内の信頼をさらに強固にする。
奪おうとした者は失脚し
守ろうとした国は結束を強める
水晶が穏やかに光る。
「誠実、最大の盾」
王国は一段、強くなった。
エレナを中心に。
だが――
水晶の光は、以前より深く、蒼い。
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