表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガイドブック  作者: たぶちゃん
序章
4/4

 3 『熟考』

  ◇◇◇


 目を覚ますと自室のベットに寝ていた。

 部屋のデジタル時計をみると、

 日付は2025年8月25日、

 時刻は7時23分。

 

 あれはなんだったんだろう。

 夢のようにも思えるあの体験。

 いや、ほんとに夢かもしれない。

 しかし、その体験を確かにすることが起きている。

 部屋のエアコンは点いていなくて、さっき時計を見た時、気温は28℃だった。

 普通なら暑い暑いと悶えているだろう。

 しかし先ほどの空間と同じように、暑さを感じない。現に汗もかいてないし...

 まあ節電できるしいいや。

 とりあえず、本当に運命を変える力を得たとして、具体的に何をすればいいんだ?

 実際俺は、自分の()()()()()()()()()()()()()しーー

 そういえばあの女性、ヒントを言ってくれたな。


 "あなたの過ちを正すこと"ーー

 

 結局あれはどう言うことなんだ?

 過ち?過ちってどこからどこまでが過ちって定義されてんの?

 そしてもう1つ疑問に思ったことがある。

 1()()()()()()()()()()()()だ。

 死ぬ?

 いや、そうとしか考えられない。

 だとしたら死ぬ場所も原因もそれでわかるのか。

 でもこの1週間で運命を変えられなかったらーー

 いや、そう考えても意味がない。

 結局は変えなければいけないのだ。あの女性も、今回とか言ってたし、次回があることに期待するしかない。

 だとしたらやることは決まっている。

 "過ちを正す"

 ただそれだけだ。

 

 にしても過ちって本当になんなんだ?

 そこで、パッとそれかもしれないものを思い浮かべた。

 

「課題か!」


 うん、それしかない。そうだな、きっとそうだ。

 え、なわけないやろ。って気持ちを頭の片隅に追いやって、課題をやることにした。


 ◇◇◇


 ーー2時間後。

 今、俺はゲームをしている。

 なぜかって?わかるだろ?

 課題をやる気が起きないのだ。

 正直、あと1週間もあるし大丈夫だろう。

 そんなことを1週間前にも思ったことは忘れるとして、また疑問に思うことが出てきた。

 

「起きてから何も食べてないな」


 そう、大抵、起きたらお腹が空いたなって冷蔵庫わ漁るのだ。なのに、全然空腹を感じない。

 まあ、節約できるし別にいっか、こんなこともあるだろう、と軽く疑問を流した。


 ◇◇◇


 時刻は13時36分。

 ゲームの休憩に、リビングに降りて、さっき沸いた疑問について少し考え事をしていた。

 正直この疑問を追求することが、“運命を変える”ことに繋がるかはわからなかったけど、

 所詮人間という生物は、好奇心に抗えない生物なんだ。

 そう自分に言い聞かせ、雑音を流そうとテレビをつけ、心当たりがないか考え事を続ける。

 

「やっぱさっきから暑さを感じないことと関係あるのか?」

 結局ここに行きついてしまうな。

 他にも、今まで起こったことをよく思い出すんだ。

 今までで起きたこと、あの女性の言動、今起こってる現象ーーー

 

 結局結論に至ることはできず、さっき考えたことから仮説を立てることにした。

 それで立てた仮説は5つ。


 仮説その1 時間が超遅くなっている説

 確かあの時女性は、俺は死まであと1秒しかないと言っていた。

 そこで俺は、自分の寿命を使うことによって、過去に戻り、運命を変える期間を1週間“与えられた”と思っていた。

 だがあの時、使う寿命は宣言する必要があった。

 能力の贈呈と混合してしまったのだろう。

 つまりは、運命を変える期間は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()である可能性がある。

 ここから言えることは、過去に戻るのはあの女性の比喩か俺の錯覚で、実際は寿命の前借りによって

 1()()()1()()()()()()()()()()()()ということだ。

 これが起こっているなら、暑さを感じないことや空腹感を感じないことに説明がつく。

 だが、朝時計を見た時、時計は8月25日と表示していることや、太陽の位置が変わっていることに矛盾してしまう。


 そこでその仮説2 擬似ゲーム説

 さっきの仮説1に加え、今起こっていることが、ゲームのようになっているという説だ。

 ゲームの中なら時間の経過が不自然なことや、感覚がおかしくなっていることにも納得がいく。

 しかしあまりにも曖昧だな。


 仮説3 感覚遮断説

 そのまんま名前の通り、感覚が遮断もしくは消失しているという説だ。

 だが視覚などの五感だけなくならないことなど、また新たな疑問が生まれる。


 仮説その4 何かの疾患説

 これもそのまんま、なんらかの病気によって感覚がなくなっているという説。


 仮説その5 夢説

 最初からこれら全てが夢である説だ。

 

 とりあえず思いついたものを整理してみた。

 この中だと一番現実的なの5だな。

 いや、この状況で今更“現実的”とか考えても仕方ないな。

 そうすると一番有力なのは……..1か2だな。

 

 「ん〜、でもしっくり来ないな〜」

 

 背伸びをしながらふとテレビの方に目を見やると、画面いっぱいにカツ丼が映し出されていた。

 どうやらグルメ特集のようだ。


「うわ、カツ丼超うまそうだな。」


 思わず心の声が出てしまった。

 そういえば最近料理してなかったな。

 久しぶりに作ってみるか!


 そう思い立って、さっきまで熟考していた自分がいなかったように、陽気に台所へと向かった。


  ◇◇◇


 時刻は21時28分

 気づいたらこんな時間になっていた。 

 ご飯を食べ終えたあと、本気で課題に向き合うことにしたのだ。

 その結果ーーー課題を2教科終わらせることができたのだ!

 少ないように聞こえるがこれでも頑張ったのだ。

 ちなみに教科は家庭科と国語だ。

 

「にしても徹夜でやるのとでは集中力が段違いだな〜」

 

 ストレッチをしながらベッドにドスンと倒れ込む。

 

 「でもこんな感じでいいのかな?」


 あまりの進展のなさに思わず不安になる。


「まあこれ以上考えすぎても仕方ないし、今日は脳も酷使してしまったしもう寝るか。」


 そう言ってそのまま眠りにつく。


  ◇◇◇

 

 翌朝ーーー

 

「まずいまずい非常にまずい!」


 俺は今、超危機的状況に陥っているーー


 

 

 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ