1 『女神降臨』
◆◆◆
目を覚ましたら、真っ白な部屋にいた。
「突然なんなんだよ...」
戸惑いながらも立ち上がり、辺りを見渡す。部屋には照明がないのにも関わらず明るくて、多少の不気味さを憶えた。
だがその不気味さとともに、どこか神聖さも感じられる。
だがやはり不気味だ。
とっととこんなとこ脱出しようと、出口をさがす。
少し歩きまわることにした。
ーー10分後
歩いてみて気づいたことがある。
部屋には壁がなく、ただ白い床が地平線まで延々と伸びていらように思えた。
そして歩いていて気づいたことがもう一つある。
暑さや寒さを感じない。
「ここは天国なのか?」
さっきから感じている非現実味がそう思わせていた。
でも天国にしては質素すぎない?天国ってこんなものなの?
そう思った瞬間、目の前に一本の純白の羽が落ちてきた。
そして真上を見上げると...
「はぁ?!なんなんだよお前!」
真上には白い翼を纏った女性のようなものが長い白髪をなびかせて飛んでいた。
その姿は異形だが、顔は端麗で肌は純白、その舞う姿はハーピーや女神を彷彿とさせるものだった。
その女性、いやメス?は目の前に降りてくると、微笑みながら喋り出す。
「ここは天国ではありません。現実世界でも
ありません。そして.....」
「そして?」
「あなたはあと1秒で死に至ります。」
「なるほどーー」
え、、この人いまなんつった?
俺死ぬの?嫌だよ?
そう混乱していると女性がまた話し出す。
「混乱しますよねー。突然知らないところに飛ばされて、死を宣告されるんですから。」
「、、、」
「そう絶望しないでくださいよ。課題もやらずにすみますよ?よかったですね!」
「いいわけねーだろ!煽ってんのか!
この非情者、鳥女、メスアホウドリ野郎が!」
いや、アホウドリに失礼だな。
そう思っていると鳥女野郎が微笑みながら口を開く。
「ふふっ、冗談に決まってるじゃないですか。
にしても、随分と酷いことを言うのですね。」
「えっ!死ぬってことも?!」
「いいえ、これから死ぬということは本当です
しかし、私にはその運命を変える力をあなたに与える権利があります。」
「えっ!?まじで!?それを早く言ってよー!」
さっきまで侮辱していたことを忘れ、明るい調子で言う。
この人マジで女神かもしれない。
「だだし、力を得て、使用するには条件が2つあります。」
「条件?なになに?教えて教えて」
「まず、一つ目は...」
「一つ目は〜?」
「先ほどの私への言動の謝罪をしてください。」
「、、、」
ドンッ!!
「?!」
「先ほどは鳥女だのメスアホウドリだの言ってすみませんでした!あなたは女神です!うん!まさしく女神!美しき女神!」
俺は渾身の土下座と媚び売りを披露した。
実は課題が終わらなかった時用に土下座の練習をしていたのだ。
媚び売りの能力はいつのまにか身についていた。
これで大丈夫かと祈っていると、
女性が笑いながら話し出す。
「顔をあげてください笑。私の冗談をこんなに真に受ける人は初めてですよ笑。」
「冗談?」
「はい、少しムカついたので」
こちらもムカつくけど、これに関しては俺が悪いな。
でもこれでもう一つの条件をクリアすれば...
「では、2つ目の条件はなんですか?」
「2つ目の条件は...」
あいた間に少しの緊張を感じた。
その途端、女性は鋭い目つきで言い放ったーー
「代償として、あなたの魂ーーつまりは寿命を
削り取らせてもらいます。」
記念すべきep2!
読了ありがとうございます。
小説ってこんな風で大丈夫ですかね?
文系の人!教えてください!
(作者は数学ができない理系です)