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崩壊

3話目なんですが僕的には少し熱めです。

「何なんだよ!何が起こってんだよ!」

この状況が読み込めない。痛みで意識を失って目覚めたら辺り一帯焼野原だって?ふざけないでほしい。周りを歩いてみても燃えている瓦礫とビッガの死体のみで他の人間の死体すら転がっていない。その現状が受け入れられずに空を見上げ、唖然としていると近くに何かが着地したかのような音が聞こえた。音が聞こえた方向を見てみるとそこには背の高い女と小柄な少女が立っていた。

「あれだけの規模の爆破をしたというのにまだ生き残りが…」

あれだけの規模の爆破?この街を惨状に仕立て上げたのはこの二人だというのか?どんな破壊力の爆弾を使えば三千人が住むほどの街を更地に出来るというのだろうか。何かに気付いたかのように少女は言った。

「例のやつかもしれない。トウカ、あいつの腕を切り落としてみろ。」

「ですがアマツさん…生き残りかもしれませんよ…」

「この惨状で生き残りがいるのは有り得ん。いや有り得てはいけないんだ。それにここで人一人殺した所で変わらんよ。あの魔法を使ってしまったのだからもう後戻りはできん…」

ー一時間前ー

「こんなことをしてもいいんですかね…私たち…」

トウカは複雑な表情を浮かべながら言った。それにアマツは表情一つ変えずに答えた。

「こうでもしないとあの化け物を消し去ることはできないんだよ。一年前に施設から脱走して捕まえられなかったあの化け物…やっとチャンスが巡ってきたんだ…!」

「でも脱走してから一度も被害が出たことはなかったんですよね?」

「被害こそいままで出なかったがあの力を持ったものが暴れだしでもしたら町一つじゃ済まないんだよ。捕まえたっていつかは逃げられるリスクがある。だったらここであの呪いを完全に仕留める!」

「了解しました…」

そういうとトウカは背中に背負った筒状のものを地面に下した。そしてアマツが背負っていたカバンから大きな結晶を取り出し、その結晶に力を籠め始めた。力を籠めを終えると筒状のものの先端に結晶を取り付けた。

「準備は完了しました。」

「では行こうか…二手に分かれて探そう。それとこれは肝に銘じておけ。お前が所属している組織は一を殺して百を生かす。忘れるなよ。」

「はい…」

トウカは苦虫を嚙み潰したようにそう返事をした。

「ターゲット発見。アマツさんと合流次第作戦を開始します。」

「了解。至急そちらに移動する。」

「あれが‘‘黒の呪い‘‘…何て禍々しい見た目…」(だれか戦っている?)

トウカがあっけをとられているうちにアマツが到着した。

「何をしている。早くあれを打ち込むぞ!」

そういうとトウカとアマツは上空に飛び上がった。トウカは筒状のものを黒の呪いに標準を合わせた。

「魔力開放、出力増加、空間適応完了!」

言い終わると筒状のものの周りに赤い魔方陣の様なものが現れた。

「打てぇ!」

次の瞬間赤い大きな魔力の球が黒の呪いに向かっていった。黒の呪いに着弾し、爆発した。

「くっ!シールドを展開するぞ!」

「はいっ!」

「はぁ!完璧防御(パーフェクトシールド)!」

トウカとアマツを包み込むようにシールドが展開されたが、目の前は衝撃波による砂ぼこりで見えない。砂ぼこりが止み、シールドを解いたころには焼野原が広がっていた。あんなにたくさんの建物が立っていたのに一、二分の間にほとんど何もなくなっていた。その変わりようにトウカは絶句した。こんなひどいことを自分がしたのかと思うと吐き気を催した。それを見かねてかアマツはトウカの背中をさすりながら言った。

「初任務のお前にこれはさすがに荷が重すぎたか…すまなかったな。」

「いえ。平気です。それよりも本部に報告をします。」

「うむ。」

そういうとトウカはポケットに入っていたスマホを取り出し電話をし始めた。

「もしもし。トウカです。任務は完了しました。」

通話を終了し、辺りを見回すと一人の死体が転がっていた。近づいて顔を見てみるとどこか見覚えのある顔だった。

「これで生き残るなんて何者なの…」

もう一度よく見てみるとトウカは気づき固まった。それはトウカの所属している組織の先輩にあたるビッガであった。

「嘘…何で…」

ビッガとはそこまで深い仲というわけではなかったが何度か話したことがあり顔見知りではあった。数回話しただけでもわかる見た目とは裏腹な気さくで優しい性格。そんな人を自分の手にかけてしまった。そう思うとトウカは再度吐き気を催した。近づいてきたアマツはビッガの死体を見てすべてを察し黙って立ち尽くし、しばらくして口を開いた。

「これからも仲間の死体を見るときは来る。慣れろとは言わんが乗り越えられるようになれ。」

「了…解…」

ー現在ー

女がこちらに向かって歩いてきている。またこの力のせいなのか?魔法?どれもこれも何のことかさっぱりだった。だが今はそんなことを考えている暇などない。手によくわからない赤いオーラをまとわせた女がこちらに来ているのだから。

「やめてくれ…俺が何したっていうんだよ…」

何とか絞りだして抵抗の言葉もむなしく女の手刀によって腕が切り落とされた。しかし瞬きをする間もなく再生してしまった。

「あれだけやっても消せないというのか!くそっ!もう一度やるぞトウカ!」

「了解!」

もう一度?こんなことになった原因のものをまた打つというのか。どうすればいいかわからず縮こまっているとどこからか声がした。

「こんな弱そうなやつに二対一。落ちたもんだなお前ら。」


ちなみにビッガの死体が消し炭にならなかったのはとっさに自分でシールドを張ったからです。いきなりだったので防ぎきれませんでした。

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