モブ冒険者 バッドエンドを繰り返す(1回目)
「よ~~し!! 今日こそダンジョンボスを倒すぞ~~!!」
ダンジョンボスを倒して念願のダンジョン攻略を果たせると思うとやる気がこみ上げてきて思わず叫んでいた。
エイリア・マリクこと俺は冒険者を始めたばかりでダンジョンにはまだ数回しか挑戦してい初心者だった。
俺のジョブは剣士で、武器はもちろん剣である。防具はさびた鎧を身につけてダンジョンに挑戦していた。
前回までは、ダンジョンで雑魚のモンスターを狩ってばかりいた。何度かモンスターを倒して、自信を持つことができるようになったので、今回はダンジョンボスに挑もうと思った。
そして、ソロでダンジョンに向かった。ダンジョンの入り口近くに立つとやる気がこみ上げて思わず俺は叫んでいた。
近くにいた他の冒険者たちは、俺が叫び声をあげている瞬間を目撃して、「おっ、やる気に満ち溢れてるやつがいるぞ」と言われたり笑ってくるものもいた。
俺は周りの様子を見て、少し照れたがすぐに気を取り直して、叫びながらダンジョンの中に入っていった。
「ここのダンジョンを今日攻略してやるぜ~~!!」
俺は意気揚々と中に入っていった。
中に入ると、俺は先を勢いよく進んでいった。
俺は、いつもダンジョンボスまでの道を行き来しながら、雑魚のモンスターを狩っていた。なので、ダンジョンボスまでの道のりは手に取るように分かり、俺は、どんどん先に進んでいったのである。
道中で雑魚のモンスタ―であるスライムなどに出くわしたが、いつも通りに戦い、出会ったモンスターを倒していった。
そして、ダンジョンボスがいる6階層の手前の5階層についた。俺はいつもどおりに6階層に向かおうと進んでいた。
ところが、5階層の道中を歩いている時、いつもと違う道を発見した。いままでこの階層に数回行き来していたがこのような道は初めてみた。
俺は、ダンジョンボスに挑戦したいという気持ちも強かったが、今まで見かけてこなかった道の先に何があるのかという好奇心の方が強くなり、新しく発見した道を進んでいった。
新しい道は他のダンジョンの道と同じ形状と見た目をしていた。また、新しい道を進んでいったがモンスターに出くわすことはなかった。
「この道は新しくできた道だから、モンスターがいないのか。それとも‥‥‥」
そう思いながら進んでいくと、大きな部屋の入口に着いた。この部屋は一体‥‥‥俺はそう思いながらも、恐る恐る部屋の中に入っていった。
中は、いままで訪れてきたダンジョン内の部屋と違い、お金持ちの部屋のような装いをしていた。また、部屋の至るところにきれいな鉱石が連なっていた。
「この部屋は他のダンジョン内の部屋と違う‥‥‥この部屋は一体何なんだ‥‥‥!?」
不可思議に思いさらに辺りを見渡した。すると部屋の中央に何かの木箱を見つけた。俺は木箱まで恐る恐る進んでいった。
そして木箱の前に着き、震える手で木箱を開いた。中には、ピンク色に光る宝石があった。俺はその宝石に触った。
すると、その宝石があたり一面にピンク色に輝いた。その瞬間、あまりのまぶしさに俺は目をつぶった。
少しして目を開けたが、宝石はなくなっていた。俺の身体も何か異変がないか確認したがこれといった変化はなかった。
不自然に思いながら悩んでいたが、全くこれといった考えが出てくることはなかった。そのため、考えるのを止めた。
またその部屋には他にめぼしいものがなかった。鉱石はピッケルなどがないため、採掘などはできなかった。
この部屋にいても他になにもすることがないと思った俺はその部屋をゆっくりと歩きながら出ていった。
そして新しい道を引き返していった。行のときにモンスターが出なかったので、警戒することなく安心して俺は来た道を引き返していた。
そして来た道を半ばまで引き返した。俺は少し歩き疲れていたので背伸びをしていた。その時、背後からブンッという音が聞こえてきた。
その音が気になり背後を見ようとした。すると、背後には剣を持った骸骨がいた。
俺は突然モンスターが背後に現れて、驚き慌てふためきながら、剣を手に取ろうとしていた。
だが、すでに骸骨が持っている剣は振り下ろされており、抵抗できずに剣は俺の頭を叩き斬った。
「グサッ!!」
頭を斬られた音が響いていた。
「ぐわああああああ~~~~!!」
斬られた直後、俺は頭からものすごい痛みを感じて両手で頭を抱え込みながら叫んでいた。叫びながら俺はその場にうずくまった。
「ああああああああ~~~~~!!」
俺はうずくまりながら叫んでいた。
だが、骸骨の方は、そんな俺を気にも留めることなく、俺に近づいてきた。俺は、あまりの痛みにうずくまりながら叫んでいることしかできていなかった。
すると、骸骨は再び剣を持ち直して、突きを俺にくらわしてきた。骸骨の剣は抵抗しない俺の心臓を貫いていた。
俺は、その瞬間、叫ぶなくなり、口元や心臓あたりから赤い血が大量に出ていた。さらに、そのまま地面に顔をつけて倒れた。
「こ‥‥‥このまま‥‥‥俺は‥‥‥死ぬのか‥‥‥」
次第に視界がぼやけてきた。そして間もなくして、俺は目を閉じた。
そして、しばらくして俺は目を開けた。
先ほど骸骨の攻撃をくらったので死んだと思っていた俺は、目を開けると天国のような景色が広がっていると思っていた。
ところが‥‥‥目を開けると眼前には、先ほどの洞窟の道が見えていた。
俺は死んだと思っていたので、天国じゃなく先ほどの洞窟の道が見えていることに慌てふためいた。
「い‥‥‥一体‥‥‥何が起きているんだ‥」
俺は、不思議に思いながら先ほど骸骨に攻撃をくらったことを思い出し、すぐさま心臓あたりをみた。だが、心臓がある胸部には、血どころか何もこれといったあとはなかった。
さらに、頭も確認したが、別に特段傷を負ってはいなかった。ますます不思議に思いながら俺はなぜ生きているのか考え込んでいた。
「俺は‥‥‥先ほど‥‥‥骸骨の攻撃を受けて‥‥‥死んだはずだ‥‥‥なのに‥‥‥どうして傷をおってすらいないんだ‥‥‥何が起きている‥‥‥」
考え込んでいたが全く起きている事象が分からず、戸惑っていた。
その時だった。背後からブンッという音が聞こえてきた。俺は先ほどその音を聞いたのでえっと思いながら背後を見た。
すると、背後から先ほどの骸骨が現れたのだ。なぜ再び骸骨が現れるんだ‥‥‥と思いながらも先ほどの攻撃を瞬く間に思い出し、すぐさま剣をとり、頭上にもっていった。
骸骨が振り下ろそうとしてきた剣は、頭上にもっていった俺の剣に当たった。先ほどのように何もできず頭を斬られることを回避したのだった。
さらに俺は驚きながらも戸惑うことなく、頭上にもっていった剣で骸骨の剣をはじき返した。さらに、そのまま今度は俺が剣を骸骨に向けて振り下ろした。
振り下ろした剣は、骸骨を叩き斬っていた。
骸骨は真っ二つになって地面に倒れた。
勝ったとおもいながらも、喜ばず先ほどの骸骨が同じシチュエーションで攻撃してきたことについて考え込んでいた。
「なぜ、先ほどと同じシチュエーションで骸骨が襲ってきたんだ‥‥‥まるで時間が戻ったかのようだ‥‥‥だが時間だけが戻ったのならなぜ俺は先ほど起きたことを覚えているんだ‥‥‥」
時間が戻っていたとしか思えないが、俺だけ先ほどのことを覚えているのに違和感を持った。
なぜ‥‥‥なぜ俺だけ時間が戻っていても戻る前の記憶を覚えているんだ‥‥‥
その時だった。先ほど触った宝石のことを思い出した。
「そういえば‥‥‥あの宝石‥‥‥触ったのになにも変化がなく消えていたな‥‥‥もしかして、時間が巻き戻ったようなこの現象はあの宝石が原因か‥‥‥」
マリクは気づいた。襲われる前に戻ったこの不可思議な現象の原因はあの宝石が原因であることに‥‥‥
そして、これからマリクはこの宝石の力によって何度も倒され生き返ることを繰り返す冒険を行っていくのである。
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