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”3つ”

「─今、物音がしたな……」

モーゼスはそう言って、店舗の方に様子を見に行った。



そしてティムは話を続ける。

「これは、あの後僕が調べてわかった事なんですが、石版には”治癒草”と”死の石”と”鍵”と言う”3つの言葉”が刻まれています」


いつになく真剣なティムの表情に京美は少し緊張する。


「”3つの言葉”?」

京美は呆然として、近くの石像に目をやった。


石像が此方を見つめるように置かれている。


「おい……、窓が少しだけ開いていただけで特に何も居なかったぞ。大方、風かネズミだろう……」


「──そうですか……」



沈黙している二人を不思議に思ったモーゼスは話しかけてきた。

「珍しいな……お前達がそんなに静かなんて」


京美は少し考えると、モーゼスに向かって言った。

「モーゼスさん、悪いんだけど……”死の石”を少しだけ砕いてくれない?」


「それは構わない……、直ぐにでもやるか? 丁度ブレンダからマスクを返してもらったからな」


モーゼスはマスクを付け、作業用の皮の手袋を着用すると、小箱からリンゴ大の死の石を取り出した。

「お前達のマスクは無いから店舗の方に避難してくれ」


「はい、お願いします」


京美とティムは既に灯りが消されている薄暗い店舗に移動した。

暫くすると、ガツン!と音がしてモーゼスがマスクをずらしながら声を掛けてきた。

「おい、終わったぞ」


「ありがとう、モーゼスさん」


作業台を見ると、リンゴ大の大きさから、チェリー大の大きさの粒に粉砕されている。

「とりあえず、これ位でいいか? 処分する時はもっと細かくするが……」


「ありがとう丁度良さそう……モーゼスさん、ちょっと手袋も貸してもらっていいかな?」


「あぁ…」

京美はモーゼスから手袋を受け取ると、一粒だけ”死の石の欠片”を取った。


「京美さん?」


「ねえ、ティムさっき”3つの言葉”って言ってたでしょ、それでね考えたんだけど”3”って言ったらさ、私、これしか思いつかないわけ……」


京美は石像の穴3つの内の1つの穴にチェリー大の”死の石”を嵌め込んだ。




最初は静寂だった。




時間が経つと少しだけ石像が揺れてるように見えた。

その揺れはどんどんと大きくなった。ガタガタと音を立てて作業台の上で暴れるように石像は揺れている。


『ウワワ……!』


三人は思わぬ石像の動きに驚き、見てる事しか出来ない。


そして、石像は蛍光色に発光しだした。

それは、この世界に来てからは見たことのないような光の色。

京美は元の世界のパチンコ店やデコトラを連想していた。


そして、機械で作られたような、男か女かわからない人の声が石像から響いた。


─ヒトツワネガイヲカナエテホシイ……フタツワアルベキバショノコエ……ミッツワナンジノタカラカギトナル…………


石像に嵌められた死の石はゆっくりと赤色ではなくなり、代わりにグレーの欠片に変わっていった。

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