表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/197

何をすれば?

レナを怒鳴った男は天族だった。

金髪の巻毛、背は高く、顔立ちは彫刻の様でその表情は自信に溢れている。

「レナ、こっちに戻れ!」


「アダム、お客様よ」

レナはアダムを窘める。


アダムは苛立った様子でこちらに近づいて来て

「お客様だってぇ……? ハッ」

京美達をジロリと見渡し鼻で笑った。


フィリップ団長は声を荒げる。

「アダム! この方達は今度の生誕祭のゲストだよ」


「団長、オレ、新技思いつきました。 だからゲストなんて必要ありませんよ」


「いいから、戻りなさい」


アダムはチッと舌打ちし、レナの肩を抱きながら踵を返す。レナは申し訳無さそうに京美達に軽く会釈をした。



団長はこちらを振り返り謝る。

「うちのアダムが大変失礼な態度……申し訳ありません」


「団長も大変だねぇ」


「いやぁ……、あのアダムはうちのエースなのですが、見ての通りあの様な性格で程々手を焼いております」


「何処にでもいるよそういう人。だから気にしないで」

京美は悟ったように言うが、実際には自分の若い頃を思い出しての発言だった。


「そう言って頂けると有り難いですね、では案内を続けさせて下さい」


どうやら放浪サーカス団は天族の演者がメインのようで、他の種族は殆ど見当たらない。

「さ、こちらが私の住居になります、どうぞこちらへ」


サーカスの裏手には簡易的に組立てられた居住スペースがあり、そこで団長達は生活しているようだ。

内部はランプが吊るされ、大きな円形のテーブルセット、ちょっとした調理スペースがあり、生活するには不便は無さそう。


居住スペースには赤髪で”努力して得た品”の女性が居た。

「ブレンダ、皆様がいらしてくださったよ」


ブレンダは微笑み

「歓迎いたしますわ、”シロウのなんでもお助け団”の皆様」


「どうぞ、お座りください。ブレンダの淹れるティーはどんな店よりも美味しいですよ」

団長は冗談めかしたように言った。


「貴方、やめてくださいな、手が震えてしまうわ」


椅子に座り京美は団長に質問をする。

サーカスのゲストになる事は決めたが、具体的に何をすればいいのか確認しなくてはならない。

「フィリップさん、うちらは具体的に何をすればいいの?」


団長はワハハと笑い

「皆様の出来る事で良いのです!」と言い切った。


「それでは、困っちゃうんだけど……芸の素人だしさ」


「…聞けば、屋台村では聖獣に芸をさせていたとか?」

フィリップの表情は笑顔のままであったが、細めた目の奥はこちらを伺うような動き、時が止まっているように感じる。


京美はフィリップの瞳から目を離せない。

「あぁ、ダイマルね…。 そうだけど?」


フィリップはパッと表情を変え

「そうです! そのダイマルちゃんがいれば何だって成功しますよ!」


京美はそうフィリップに言われた直後、無性に腹が立ち、何か言い返してやろうかと思った。しかし実際に”芸”と言う事に関して自分達は何も出来ないと思い我慢した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ