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放浪サーカス団

サーカスに参加する事に決めた京美一行。

フィリップに案内され

ミャラッカの城下街へやって来た。


放浪サーカス団の見学が主な目的だ。


「”シロウのなんでもお助け団さん達”が参加してくださる事、誠に誠に! 感謝しております! きっと今度の生誕祭は大成功、間違いなしでしょう! ワハハ!!」


フィリップは街中に響く位の大きな声。


その声に街の人達は何事かとこちらに注目する。


「フィリップさん、声大きいって!」

シーと人差し指を口元に当てる京美。


シロウの目は力が抜け空虚感を感じる漆黒。

諦めに近い感情をひしひしと感じる。


シルクハットの縁をクイッと掴みフィリップは言う。

「いやぁ、これはワザとやっているのですよ、宣伝宣伝」

キラリと金歯を光らせた。


ミャラッカの街は自然と都市が一体化したような作りで

立ち並ぶ街路樹と煉瓦色の街並みで何処もかしこもお洒落。

街のシンボルとも言えるお城も威圧感を感じさせない、調和を重視した国王の人柄が表れている。


中央広場に向かう大通りには様々な商店が立ち並ぶ。

服、帽子、靴、アクセサリー。

アリナは忙しそうに首を振り、店の商品を見ては目を輝かせている。

デカもキョロキョロと後に続き首を振りとても忙しそうだ。



大通りの先に全く調和を考えない配色のサーカステントが見えてきた、というより嫌でも目に入る。


ゴールドとバーミリオンレッドとツートンカラーのテントは目を瞑っていたとしても見えるのではないかと錯覚させるほど派手であった。

看板にはフィリップ団長の横顔のシルエットをモチーフにしたイラストが描いてある。


思わず言葉が漏れてしまう。

「派手だねぇ……」 


フィリップは振り返る。

「まずサーカスは目立ってお客様に興味を持って頂く、それが一番。 そして足を運んでいただき実際に見て頂く、それが2番」


「確かにね、もし落ち着いた色のテントだったら、堅実さは感じるけど、ワクワク感は余りしないかも」


「左様でございます! さっ中に入ってご覧になってください」


話が丁度終わると同時にテントに辿り着いた。

団長はままだ閉ざされている入り口を手で押し開き、内部を案内してくれる。


中ではサーカス団員達が各々の芸の練習をしている最中だった。

まず、奥に居る羽の生えた人集りが目に入った。


京美はギョッとする。

「あの人達、羽が付いてるよ」


「そうか、京美は初めて目にする種族だな、あれは天族だ」

シロウは当たり前の様に説明してくれた。


「天族……?」

(まあ、見慣れちゃったけど確かにヤーシャ族だって角が生えてるし、羽がある人達がいても不思議じゃないか)


フィリップの姿が目に入ったのか、天族の女性が一人こちらに近づいて来た。

「団長、お疲れさまです」


「レナ、お疲れ様、頑張っている様だね」


「あら? お客様ですね、初めましてレナと申します」

まるで、花が開く様に微笑んだ。


余りの綺麗さに驚いて、ちょっと反応が遅れたが京美は挨拶を返した。

「私は”シロウのなんでもお助け団”の京美それからアリナ、ティム、シロウ、デカ、宜しくね」

京美に名前を呼ばれ、それぞれが軽く会釈をする。


「こちらこそ宜しくお願いします、団長この方々が噂のゲストさんですね?」


「流石、レナ察しが良い、その通りだよ」


「だって、素敵な方々なので一目でわかりますよ」


デカは顔を赤くして「いやぁそれ程でも」なんて照れている。



その直後、男の声で

「レナ!! 何してるんだ!!」と怒声が聞こえた。

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