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白の一角の理由

「御頭、デカが……」


駆け付けたヤーシャ族は

それ以上の言葉は発しないが

察しはついた。


「…危ないのか?」

白の一角は言葉を続ける。


「はい」

飲み込むようにヤーシャ族は返事をした。




その報告を聞き、京美は心の中でデカイヤーシャ族が駆け付けた時の事を思い出していた。

(アイツ、死んじゃうの…?)


白の一角は言う

「今すぐ、見つけなきゃならねぇな… 

 デカの側には一人、他は全員治癒草を探すぞ!」


その言葉を聴いてハッとした。

(コイツら治癒草探してる?)


白の一角は立ち上がり

「怖がらせたな、すまなかった」

一言謝り、アリナの頭を撫で

京美達をその場に残し去ろうとした。


立ち去ろうとする白の一角の腕をグイッと引っ張り

京美は言った。

「アイツ危ないんでしょ、私も協力しようか?」


「何言ってんだお前? 俺はお前を攫ったんだぞ」


京美は鼻息荒く言う。

「あの力馬鹿に借りがあるんだよ、それにあんた達、探すって言うけど治癒草見た事あるの?」


「無い……そもそも俺達がアジトをここに作ったのも聖獣に拘っていたのも治癒草を見つける為。お前、見た事あるのか治癒草を?」


京美は手を離すと深く溜息を付き

「あんた達の目的を詳しく聞かせて

    内容次第で情報を渡すし、手伝いもする」


目を瞑り、観念した様に答える白の一角

「情けない話だが、今は格好つけてる場合じゃねえな……デカの命が懸かってる…頼るしか無いみたいだな。」


「そうだよ、時間がない!早く聞かせて」


「元々俺達は隣国バンガの傭兵部隊なんだ。俺の親父は王の片腕みたいなもんで…まぁ、気に入られてたんだ。」


ティムがアッ!と言う様な顔をして

「バンガ国の王…奇病の眠り病を患ったと聞きました!」


頷き、話を続ける白の一角

「そう、王は親父と一緒に狩りに出掛けた日、眠り病に罹った…親父は疑いをかけられて幽閉されている」


「何で病があんたのお父さんの仕業になってんのよ?」


「父だけが病に罹らなかった。それに狩場に居た怪しい魔女を連れ城に戻った、それで疑いをかけられたんだ。」


「わかった…要は王様治して、お父さんの疑い晴らしたい訳ね?」


「あぁ…」





屋台村での悪態、二人を柵に縛り付け、

自分を攫った事、いきなり狩りに参加させた事、

どれも許し難い行為。


しかし


褒められ慣れず照れながら得意げに話していた姿。

自分を助けに来た姿。

真剣に治癒草を探す理由を語る姿。

─信じられる気がした。




「協力する」と京美は決めた。

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