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少しだけ早く

 テントから出た京美はブレンダと目を合わせ無言で頷き目的を確認し合う。そして二人は背を向けて反対方向に走り出した。

来た時と同じ様に京美の急ぐ足音が街中に響く。

バタバタバタとやたら聞き取りやすくなったその足音はアダムが近くに居らず、今は一人になったからだ。


ここに来た時、静かなミャラッカの街に京美は少しだけ恐怖を感じていた。でも、今はその恐怖はすっかり消え失せていた。

一刻も早く仲間と合流し今の状況を伝えなくてはならない。

そしてその後は【謎の男】の首根っこを押さえて【死の石】を事を聞き出す。

何故盗んだのか? 何故フィリップとアダムに使ったのか? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

たとえその男がダンマリを決め込んだとしても……絶対に。


「くそっ……聞き出して……そんでもってぶん殴ってやる!!」

思わず京美は声に出していた。


 街を出てフタツ面の森に向かう道で向こうから此方に向ってくる人影が見えた。一人ではなく数人は居る様子だ。不便な視力を最大限に活かすため京美は目を細めてピントを合わせる努力をしてみる。……がハッキリとは見えない。


「ん? 誰かこっちに……」

京美の独り言が終わらないうちに向こうから答えが返ってくる。


「おおーい! 京美さーーん!!」

この声は……!?


「ティム!!」


京美もティムもお互いに走り出し道の途中で合流した。ティムだけでなく後ろにはアリナとシロウも一緒に居る。


「フィリップさんは見つかったんですか? 京美さん遅いから心配しちゃって……」


「ああ、迎えに来たんだぞ……」


「キョーミ大丈夫?」


息があがっている京美は少しだけ呼吸を整えるとティムの腕を強く引っ張り、もと来た方向へ歩き出した。

「……ちょっと、皆来て!」


「ど、どうしたんですか京美さん……?」


「歩きながら……説明するから……!」


思ったより早く事が進み、京美は少しだけホッとした。

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