最終問題のアンサー
プミ玉焼きの他にもう一品!?初めて聞かされた京美の計画に一同は驚きを隠せない。
必死に木の枝を使い調理をしていたマスターも思わず手を止めてしまった。
「え!? 他にも何かあるんですか?」
「うん、あるのよ」
「ちょっと! 武田さん? 私、何も聞かされて無いですよ」
村田は京美の腕をゆさゆさと強く揺らし、アリナも「うん!うん!」と頬を膨らませ不満気な顔をした。
「ごめんごめん、隠してたわけじゃなくて、『作れるかも!』って位で、たまたま思いついた事だから二人にも言わなかったのよ……」
ジト目の村田とアリナ。
「ふーん? わかりました……。で? 私達にそのクイズは答えられますか?」
「そんないじけないでよ〜。二人は答えられるよ。あの場にいたからね!」
「あ、これは僕らには答えられない感じですよ……デカさん。残念ですね」
ティムは慰めるようにデカの腰に手を置いた。デカは状況を理解出来ていない様子で小首を傾げている。
「武田さんと一緒にいた私達は解る事? なんだろう……なんだと思うアリナちゃん?」
「うーん、三人でお出掛けした時……?」
「そうそう、モーゼスさんに鉄板製作を依頼したあの日だよ」
「流石アリナちゃんだね! カワイイだけじゃなくて賢いんだね!」
別に正解した訳でもないのにヨシヨシとアリナの頭を撫でる村田。なんだかんだ理由をつけて撫でたいだけなのだろう……。
キッと眉を寄せ思い詰めた顔をしてアリナは呟いた。
「タ……タピォカ??」
『…………。』
あの凄惨たるアダムマーライオンを見た後でも、やたらとタピオカ推しのアリナに京美も村田も沈黙した。そして、黙っている二人の様子を見たアリナは少し悲しそうな表情になった。
「あ、あーー! でもでも? 近いかなぁ!?」
「そうなんですか!? もう、アリナちゃん正解でいいんじゃ無いですか!?」
「うん、そうだね正解で! ピンポーンピンポーン!」
アリナの表情は元に戻り、二人はホッと胸を撫で下ろした。結局の所、村田だけで無く京美もアリナにとても甘かった。
「あ、そのタピオカ?が正解なんですか? 初めて聞く料理名です! 知ってて凄いねアリナは!」
感心した様子のティムはキラキラと目を輝かせアリナを賞賛した。
アリナももじもじと照れくさそうにしている。
だが。
─実際の所、正解はタピオカでは無い。
アリナの機嫌を治す為に苦し紛れにピンポーンピンポーン言っただけなのである……。
いつもは鋭い発言でヒントをくれるティムだけど、今回ばかりは足を引っ張る事をしてくれちゃっている!
うーん、どうしよう。
今更、違うって言ったらアリナ傷付くかなー?
「武田さん、実際どうなんです? 私も答えわからないんですけど……」
京美は覚悟を決めた。
「えー、正解はネジリの実で作るスィーツです! タピオカもスィーツだから同じ様な物! アリナは間違ってないからね!」
早口で一気に言いきった京美の横で「うわっ!それは苦しいなー!」と村田は笑った。




