7話:疑問
■――疑問――
「それじゃあ、今の私はどうしているの?連花」
そう尋ねると、連花は気まずそうに視線をそらした。
三笠はそれに気づかず、会話を進めていく。
「何に、なったんだろう?画家?陸上選手?すっごい有名だったら嬉しいなぁ。どうなの連
花」
「・・・・」
連花が、一向に答えようとしないのを疑問に思い、首を傾げると連花は一言だけ、
「ついてきて…くれるか?」
とつらそうにいった。
連花がつれてきた場所。
それは、大きな交差点だった。
さっきから、青のランプだけが静かにかがやいている。
大勢の人々がいきかっている一角に、花束が置かれていた。
それは、ここで人が亡くなったことを切々と告げていた。
「ここが・・・どうしたの?」
三笠は、交差点から目を離さずポツリとこぼすように言った。
まるで、何かが分かるかのように。
連花は置いてある花束をつらそうに見つめ、はき捨てるように答えるのだった。
「ここでな。お前、事故にあったんだ・・・。2日前に」
「…」
三笠は、感じていた。感覚で。直感で。
(私・・・、ここで死んだんだ。本当に?)
分かってしまった。その場所を見た瞬間に。
その事実は、三笠にナイフのように突きつけられた。
(どうして・・・)
彼女はただひたすら。
(何で、死んじゃったの?)
夢であるように願うのだった。
しかし現実は、変わることもなく三笠の目の前にただ広がっていた。