表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/37

閑話 管理者の憂鬱

手に取っていただき、ありがとうございます。

本編とは少し違う、番外編的なお話ですが、

物語の核心のお話です。

「ふぅ…次から次へと仕事ってのはあるもんだね。」



管理者、と呼ばれているその人物が大きな椅子に腰を下ろす。

その椅子は高級なようで、姿勢を深く倒してもすっぽりと包み込むような余裕があった。



薄暗い部屋で資料に目を通しながら、一服する。



時田 優。彼は上手くやっているだろうか。

あれほど優柔不断な人物は見たことがない。

彼の真っ直ぐで不器用な性格をその管理者は見抜いていた。


管理者が優の担当になったのは、完全に偶然であった。

優自身が希望したわけではないが、彼がこの管理者の管理する世界へやってきたのは理由がある。

その理由は管理者の手に持つ資料の中にあった。




「そもそも、この世界で何をするか、すら言ってなかったっけな…?」



管理者は大事なことを思い出したように首を傾げた。しかし、彼にとってそれはどうでも良い事だった。優がユウとして新しい世界で生きていくことに意味があるのだ。

それ以外のことはきっと、なるようになる。そういう風にこの世界を作ったのだ。



部屋をノックする音がして、頼んでおいた飲み物と軽食が届いた。

管理者といえど、食事は必要である。

届けてくれた秘書のような人物に、無理はいけませんよ、と小言をさされた。




「私が無理しなくては、誰が無理をするんだ?」



管理者は不敵な笑みを浮かべ、目を細めながらこう呟いた。

他の管理者ともうまくはやっているが、自分の信じられる絶対の協力者は自分以外に考えられなかった。

自分をコピー出来るような能力でもあれば、それは叶えられたが、管理者にまだそれを行う術をもたなかった。


小休憩を終え、再度その職務に着く。

黒い文字盤のようなものを小気味良く叩く。



1つの仕事を終えると、また別の仕事が舞いくる。

ローテーションのように、そのサイクルが回っている。


1つ1つが簡単な仕事ではないが、その荷の重さに彼自身は愉しさをも感じる程、管理者としての生活は充実していた。


これが人々の希望になってゆくのなら、と。



「しかし、彼は本当に王道らしい道を選ぶね。その道に刺激を与えるにも、【盗賊】という職業を与えたのは正解だったかもしれない。」



管理者は息を大きく吸い込み、満足気にため息をついた。

最後までお読みいただきありがとうございました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ