第7話[恭子ちゃん驚愕事件]
何百年も昔、とある村で人間と共存していた吸血鬼がいた。
彼らはバンパイア戦士と名乗り、人間の手伝いをする事によって報酬として人間の血をわけて貰う筈だった。
だが、村人のほとんどは彼らに血を与えなかった。
手伝いを終えると村人達はバンパイア戦士を帰そうとする。
足にしがみつき血をくれと懇願するバンパイア戦士。
それを村人達は暴力を振るい追い返した。
村人達は知っていたのだ。
暴力を振るってもやり返してこない。
血を与えなくても頼めば仕事を引き受ける。
彼らには憎しみや疑うといった感情が無い事を。
バンパイア戦士達は奴隷の様に働かされた。
「娘が病気なんです。助けてください。」
そう言って泣きついて来た村人に、薬を与えても…。
「血が欲しいって?ふざけんじゃないわよ。こっちは娘の命が関わっているんだ。助けて当たり前だろ。全く、これだから化け物は。」
そう言って帰って行く。
ごく稀に血をわけてくれる優しい人間はいた。
だが、血は足りない。
中には血が飲めず喉の渇きに苦しみながら死ぬ者もいた。
そんなある日の事。
バンパイア戦士の長の元に一人の少女が現れる。
彼女は言う。
人間達に復讐するべきだと。
だが、バンパイア戦士の長もバンパイア戦士の一族達も彼女の言葉に耳を貸す者は誰もいなかった。
彼女は激怒し、その場を去る。
そしてその夜。
彼女は村人を次々と襲い、一族では禁止されているハーフを作り、そしてゴミを増やしていった。
村中に吸血鬼のハーフやゴミが広がっていく。
村人達はバンパイア戦士の一族達に助けを求める。
足にしがみつき懇願する村人達。
だが、彼らは何もしなかった。
できなかったのだ。
吸血鬼になっても元は人間。
そんなハーフやゴミを殺す事など出来ず、バンパイア戦士達も村人も次々と死んでいった。
バンパイア戦士の長は村人をこんな姿にした少女の所へ駆けつける。
少女は人間の血を吸いながら笑っていた。
「何て事を、一族の長として私はお前を許すわけにはいかない。」
そう言って少女を殺しにかかるが、長年血を吸っていない事から返り討ちにあってしまう。
「いいかよく聞け、私は一族を抜け、ただの吸血鬼になる。そして人間共に復讐してやる。全ての人間共にだ。」
そう言うと彼女は近くにいた子供を捕まえる。
「やめてくれ、頼むやめてくれ。私が悪かった、だから…。」
そう言って涙を流す長の前で少女は子供の首筋を噛み、血を吸いあげていく。
血を吸われ絶命した子供を長の前に投げ捨て、少女は村を出ていった。
長は子供の遺体に何度も何度も謝った。
しばらくして子供の遺体が動き出す。
そして、吸血鬼のハーフとなった子供は長へ襲いかかってきた。
どうする事も無く、子供の吸血鬼にやられ意識が途切れる。
気がつくと昼になっており、長の周りに二人のバンパイア戦士が座っていた。
「みんなは?」
長の問いに誰も答えない。
起き上がり周りを見渡す。
自分を襲った子共の吸血鬼の死体。
生き残ったバンパイア戦士の二人の服についた血液。
それらを見て、全てを悟った。
「生き残ったのは、我々三人だけか…。」
そう呟くと長は立ち上がった。
残り二人も立ち上がる。
長は二人に昨日の出来事を話し、三人はバラバラになって、吸血鬼の少女を追いかけた。
そして、現代。
長は日本の森の近くにある洋館に住み伯爵と名乗っている。




