第6話[イケメン転校生現る]
「信じらんねー、あんな性格の悪い奴見た事ねぇー。」
怒りが収まらない直江にリリアも同調する。
そんな二人に恭子が言う。
「やめて、何も知らないのに蛇乃を悪く言わないで。」
泣き出す恭子を見て二人は黙る。
納得いかない。
けれど、一番辛いのは恭子さんなんだ。
そう思うと直江はこれ以上何も言えなかった。
そんな直江とリリアを見て、佐渡はため息を吐く。
「あんた達何か勘違いしているようだけど、蛇乃は恭子の事を大切に思っているわよ。」
それを聞いた直江が反論する。
「勘違いも何も見たままじゃないか。あれをどう勘違いしろと?」
そう言う直江に恭子が答える。
「蛇乃は達子の居場所を知らない。」
理解できない直江。
居場所が分からなくてもスマホで連絡を取ればいいじゃないか。
友達なら連絡先くらい知っているだろうし。
そう思った事を口にした。
それに恭子が答える。
「達子にジョンの事を伝えるつもりなら私に説明させるわ。その方が確実だから。それに…。」
言葉を詰まらせる恭子。
そんな恭子の代わりに佐渡が説明を続ける。
「それに、蛇乃は友達じゃないとキッパリと言わなかった。本当に恭子の事を友達と思っていないのならハッキリと口にするわ。私も初対面でボロクソに言われたからね。」
思い出し、怒りに震える佐渡。
そんな中、直江が口を開いた。
「なら、あの人は何処に行ったんです?」
それを聞いた恭子が再び泣き出した。
机にもたれ頭を抱える佐渡。
「本題はそこ、恐らく彼女はジョンを殺しに向かったわ。保健医として見過ごせないのよね。だけど私じゃ止められないし…。」
チラッと直江を見る。
それを察した直江が即答で止めに行きますと答えた。
驚く佐渡。
断られると思っていたからだ。
「私も行く。」
そう言って恭子が起き上がろうとする。
それを佐渡が止めた。
「あんたは安静にしてなさい。」
直江も佐渡に同調する。
「だけど、君じゃ二人を止められないでしょ。」
そう言って起き上がろうとする恭子に直江は親指を立てる。
「大丈夫、俺には妖精の加護があるから。」
それを聞いた佐渡と恭子がリリアを見つめた。
「何か頼り無さそうだから私も行く。」
恭子のその言葉に怒るリリア。
そんなリリアの肩を佐渡が叩く。
「後で少しだけ解剖していいかしら?医学の発展にも繋がると思うの。」
あまりの恐怖にリリアは直江の背中に隠れた。
そんな事をしている間にデタラメ学園の校長先生が保健室に現れた。
「行かせてあげなさい。」
身長は低く、髪の毛も少ない校長。
恭子の側に行く。
「校長、保健医として認められないのですが…。」
校長の言動に困惑する佐渡。
そんな佐渡に校長が言う。
「君も小学校を抜け出し、警部君を追ってきたじゃないか。私の…。」
顔を真っ赤にして校長の口を塞ぐ佐渡。
「そうですね。若い頃は多少無茶な事でもやるべきですよね。許可します。許可しますからぁ。」
少し涙を浮かべながら叫ぶ佐渡。
塞がれた口が自由になると、校長は佐渡の肩を叩きながらうんうんと言いながら頷いた。
「さてと、恭子君。君は蛇乃君を止められるかい?」
真っ直ぐな目で頷く恭子。
それを見て、校長は頷き直江を引っ張って連れてくる。
校長に言われるがまま屈む直江。
「さあ、乗りたまえ。」
校長は簡単にそう言うが、異性におんぶされるのを想像して恭子の顔は引きつっていた。




