第6話[イケメン転校生現る]
あまりの痛さにジョンの視界が歪む。
余裕だと思っていた大会に現れた強敵。
立ち上がった恭之助がハナの腹部へ強烈な一撃を喰らわした。
その様子を見て、ジョンは信じられないでいた。
確実に恭之助は仕留めたと思ったからだ。
「くっ。」
ジョンは拳を握り、二人を倒しにかかる。
何度殴ろうが二人は立ち上がり、何度殴られようがジョンは立ち上がった。
こんなにすごい二人を倒したら、きっと母さんも喜んでくれる。
そう考えるだけで力が湧く。
そう考えるだけで何度殴られても立ち上がる事ができた。
十何時間にも及ぶ試合。
ジョンの拳がハナの顔面に、ハナの蹴りが恭之助の顔面、そして恭之助の拳がジョンの顔面へと同時に当たり、三人はそのまま倒れてしまう。
気がつくと会場の医務室で寝ていた。
協会の会長はジョンを褒め称える。
あまりにも褒めるものだから、ジョンはあの二人に勝ったんだと思ってしまう。
だが、表彰式で渡される三等分された優勝賞金。
トロフィーでは無く、三つの金メダル。
三王の称号。
この結果にジョンは涙した。
これじゃ駄目だ。
こんなんじゃ、母さんは笑ってくれない。
悔しさを噛みしめながらジョンは控室へ帰っていく。
その途中にハナの姿を見て、ジョンは睨みつけた。
「お前さえ、お前達さえいなければ僕は優勝できたんだ。優勝して入院している母さんに…。」
ジョンの瞳から涙がポロポロと流れ落ちる。
八つ当たりなのは分かっている。
ハナさんも恭之助さんも強かった。
だけど…、だけど…。
俯き泣いているジョンを見てハナが笑う。
廊下に響き渡るハナの笑い声。
しばらく笑い、落ち着きを取り戻した所でハナは口を開いた。
「馬鹿じゃねーのかお前。格闘技はな誰かの為にやるもんじゃねーんだよ。自分自身の為にやるもんだ。それなのにお前は、何が入院している母さんだ、くだらない。」
ゆっくりと顔を上げるジョン。
そんなジョンにハナは言う。
「いっその事、その母さんとやらが死んじまった方が良かったのかもな。そしたら格闘技にも専念できるだろ。もしかしたら、この結果も変わってたかもしれないぜ。」
悪びれる事無く言うハナに怒りを覚えるジョン。
拳を握りハナに殴りかかる。
だが、簡単に避けられハナの蹴りを喰らってしまう。
膝をつき腹を抑えるジョン。




