第6話[イケメン転校生現る]
恭子が差異狂流の構えをとる。
一戦交えるつもりだ。
だが、ジョンと恭子では実力差が違う。
ジョンもそれは分かっていた。
「弱い者を痛ぶる趣味は無いんですよ。見逃してあげますから早く鬼頭さんか片代さんにこの事を話しに行った方がいいんじゃないですか?」
元々、達子が居れば強くなる何てあまり信じていないかったジョン。
ただ楽に勝てればラッキー程度にしか考えていなかった。
ジョンの目的はただ一つ。
同じ三王であるナラクノハナを倒す事だけ、その為にわざわざ日本に来て蛇乃と勝負する事を決めた。
恐らくハナも片代蛇乃に注目しているだろう。
三王になってから行方不明になったと聞いていたが、今日本に向かっているかもしれない。
奴が来るまでに片代蛇乃に勝ち、最強の座を手に入れ、そして…。
「馬鹿にするんじゃないわよ。」
そう言って突っ込んで来る恭子の攻撃を交わし、恭子の顔面にカウンターを入れる。
口は切れ、鼻から血を吹き出し倒れる恭子。
あまりの痛さに顔が歪む。
「分かったでしょう。あなたじゃ僕には勝てない。早く片代さんの所に行ってこの事を話してください。そしたら怒って僕と戦ってくれるでしょう。」
ジョンの言葉を聞き、恭子が立ち上がる。
そして、拳を握りジョンに向かって行く。
ジョンは恭子の一撃を受けてもびくともしない。
先程のカウンターが効いているのだろう。
恭子のパンチは死んでいる。
もう決着はついた。
無理に殴る必要はない。
恭子の腕を掴みジョンが言う。
「いい加減にしてください。あなたの負けです。早く片代さんに助けを求めたらどうですか。」
恭子は首を横に振る。
「蛇乃は私が守る。」
ジョンの一撃を喰らい、恭子は思った。
達子が居ても居なくても関係ない。
コイツと闘えば勝ち負け関係なく、怪我をするだろう。
それに、蛇乃がお父さんに勝ったあの日、お父さんは完全に油断していた。
おまけにトラックにまで跳ねられている。
あれが無ければどうなっていたか分からない。
そして、コイツはお父さんの様に油断しないだろうし、トラックに轢かれる事もない。
こんな事になったのも、全て私と私のお父さんのせいだ。
責任を取るんだ。
私が蛇乃を守るんだ。
大丈夫、誰かを守る為なら力が湧く。
絶対に負けない。
再び恭子はジョンに殴りかかる。
ジョンはため息を吐きながら恭子の顎を狙った。
恭子の視界が歪む。
膝に力が入らずそのまま倒れてしまう。
気を失った恭子を保健室に運ぼうと思い、倒れている恭子に近づくジョン。
だが、恭子はまだ気を失っていなかった。
ジョンのズボンの裾を掴み恭子が言う。
「私が蛇乃を守るんだ。」
ジョンの眉間にシワが寄る。
地面に這いつくばって尚、まだそんな事を言うのか。
恭子がゆっくりと立ち上がりジョンに向かって行く。
ジョンがそれを交わす度に転けては立ち上がり向かってくる。
「私が蛇乃を守るんだ。」
起き上がる度にそう言って、恭子はジョンに向かって行く。
その情けない姿があの時の自分と重なり、ジョンは拳を握った。




