第1話[もうこんな学校イヤ]
「このクラスの担任になった絵夢田警部だ、みんなからはよくデカ長なんて呼ばれている。」
クラスのお調子者の男子がよっ、デカ長なんて言って騒いでいる。
そんな中、達子は普通のクラスだと安心する。
最近、娘が産まれたのだと喜びながら話す警部先生。
中年でたるんだお腹に禿げかけた頭、蛇乃は達子に小声でよくあんなので結婚できたねと小声で囁いた。
そんな蛇乃の頭を達子はチョップした。
「私、性格が悪い子は嫌いだよ。」
ショックを受ける蛇乃に達子は続けて言う。
「それに、家族思いのいい先生じゃない。」
更にショックを受ける蛇乃。
「達子、おじさんが趣味なの?そんなの駄目だよ。〇〇とか絶対に駄目だよ。私の方がいいよ絶対。」
達子は全力で何度も蛇乃の頭をチョップした。
そんな中、蛇乃の隣に座っていた殻田弱太が立ち上がり具合が悪そうに気分が悪いですと警部先生に話した。
心配そうに弱太の所へ向かい背中に手を当て、保健室に行くか尋ねる警部。
弱太は弱々しくはいと答えた。
「ちょっと、弱太君を保健室に連れて行くからみんなは自由にしてていいよ。」
そう言うと警部先生は弱太を連れて教室から出て行った。
心配だなと蛇乃に話す達子。
だが、蛇乃は達子以外興味がなかったので、正直に弱太がどうなろうと興味がないことを話した。
「ひどい。」
少し涙目になる達子。
蛇乃はそんな達子を見て可愛いと思いつつ、少し焦った。
「いや、達子その…。ほら、死にはしないって。」
「あたりまえだよ馬鹿。」
中学生の時はクラスに体調が悪そうな子がいると、男女問わず心配して声をかけていた蛇乃。
達子はそんな中学生の時の蛇乃の話しをし、高校生になって変わったと悲しそうに話した。
「いや、あの時猫かぶってたからさ、正直内心はめんどくさいなぁって思っていたよ。」
ヒーローショーを観に来た子供が楽屋裏でヒーローの正体を知った時のようにショックを受ける達子。