第4話[差異恭之助]
達子は懸命に二人を介抱する。
意識を取り戻した蛇乃が達子の姿を見てがっかりする。
服を着ていたからだ。
「はぁ〜、たくっもぉ〜、起きなさいよ。」
蛇乃が恭子をビンタする。
目を覚ました恭子が震えながら達子に抱きついた。
人形が…、人形が…、と呟き震える恭子に蛇乃が言う。
「ベッドの下に隠してあるのを見つけたの?全くそれくらいでびびるんじゃないわよ。」
首を左右に振り、恭子は二人にベッドの上から現れた事を話した。
達子と蛇乃が顔を見合わせる。
三人が部屋に戻ると人形はベッドの下にあった。
「いや、あるんですけど…。」
蛇乃がそう言うと恭子を睨む。
恭子は下を向き、本当だもんと呟いた。
「まあまあ、恭子ちゃんが怖がるからどうしようかそれ?」
達子に言われて蛇乃が少し考える。
可哀想だが仕方がないと言い、蛇乃はダンボールの中に人形を入れてガムテープを使いしっかりと蓋をした。
恭子の話を信じるわけではないが、これだけ頑丈にしていれば出てこれないだろう。
三人はトランプや、ゲーム、お喋りなどして遊び、夜遅くになって寝る事にした。
達子に抱きついて眠る蛇乃。
恭子もぐっすり寝ていたのだが、足元からゴソゴソと何かが動いているのに気づき目を覚ます。
「やっと出られた。ご主人様の為、殺す。」
ハサミを持って現れた人形に恭子は悲鳴をあげた。
あまりの煩さに蛇乃と達子が目を覚ます。
二人に人形の事を話す恭子。
ベッドから落ちたのか床に人形がある。
さすがにダンボールを恭子が開けたりしないだろうと思い二人は恭子の話を信じる事にした。
「とりあえず、私寝起き悪いのよね。」
そう言って蛇乃は人形を掴んだ。
大切にしている人形だが、罰はちゃんと与えないといけない。
蛇乃は一応達子に許可を取って人形に罰を与える事にした。
人形に紐をくくりつけて窓から投げ捨てる。
「真夜中の怒りのバンジーよ。」
蛇乃がそう言って笑う。
真夜中に起こされてすごく機嫌が悪いようだ。
壁にあたったのかぐえって音がした。
「平気なの?人形に呪われるわよ。」
心配そうに言う恭子だが、蛇乃はそういうのに強かった。
「呪われたら呪い返すし、人形相手なら負ける気しないじゃない。ましてや、達子から貰った人形よ。愛情を注いでいるから平気よ。」
蛇乃はそういうと、人形を引き上げて説教をした。
次やったら一週間お寺行きだと脅す蛇乃。
達子も蛇乃と一緒に人形に説教をした。
それが効いたのか人形は恭子に何もしなくなった。




