第4話[差異恭之助]
蛇乃は恭子に向かい別にと言ってベッドに座る。
しばらく三人で談笑し、晩ご飯の支度ができたからと蛇乃の母親に呼ばれ三人はリビングに向かった。
「何これ。すごく美味しいんだけど。」
恭子がそう呟く。
ナイフがスーッと入り、口に含めば極上の肉汁がじゅわ〜っと広がる。
噛めば柔らかく肉汁を出しながら溶けていくような柔らかさ。
そしてソースが肉にもご飯にも合う。
ソースをおかずにご飯が食べれてしまう美味さだ。
「サラダも美味しいね。」
笑顔の達子にデレる蛇乃。
海鮮サラダには漬けてあったサーモンやマグロなどを小さめに切り、プリッとした小海老が入っていて食が進む。
甘さのある南瓜のポタージュを蛇乃がスプーンで、すくい口に運ぶ。
デザートには蛇乃の母親特製の青林檎ゼリーを食べた。
「食器はそのままでいいからね。お風呂が用意できたら呼びますね。」
笑顔で言う蛇乃の母親。
遠慮して食器を運ぼうとする恭子を二人が止めた。
達子が幼い頃、恭子と同じ様な事をして蛇乃の母親を泣かせたからだ。
「蛇乃ちゃんの大切なお友達に気をつかわせるなんてママ失格だわ。」
そう言って自分を責め続けわんわんと泣く蛇乃の母親を見て幼い達子は驚いたと同時にいけない事をしてしまったと思い、達子も泣き出してしまう。
ごめんなさいと謝りながら泣く達子。
蛇乃は泣く達子を部屋に連れて行き、泣き止むまでなだめ達子に必死に謝った。
「ごめんね達子、びっくりしたよね。私のお母さんちょっと変わってるから。達子は悪くないから気にしないで。」
泣き止んだ達子にそう言うと蛇乃は母親の所へ行き、今度は母親を泣き止むまで慰めた。
それ以降、蛇乃の家では食器を片付けるのは禁止となった。
「蛇乃のママ、晩ご飯美味しかったです。蛇乃が羨ましいよ。こんな素敵なママがいて。」
達子のその言葉に喜ぶ蛇乃の母親。
あの時以来、達子は食器を片付ける代わりに本心を言う事にした。
初めは褒めようと思ったが、蛇乃のお母さんがあまりに優しくいい人なので別に褒めなくても思った事を言えば自然と褒め言葉になると思い、いつも本心を口にしている。
食事を終えた三人は蛇乃の部屋へ向かいテレビを見ながら談笑する。
しばらくしてお風呂が沸いたと蛇乃の母親が呼びにきた。
「さあ達子、お風呂の時間だよ〜ん。お先にどうぞ。」
いつもの事だ。
蛇乃は達子の浸かった湯船などを堪能したくていつも達子を先に入らせようとする。
だが、気をつかい達子は後に入ろうとする。
「いつものジャンケンで決めようか?」
達子がそう言うと恭子も誘いジャンケンをした。
結果、一番風呂は恭子に決まり続いて蛇乃、達子の順で入る事となった。




