第4話[差異恭之助]
パスタメインのファミレスで昼食をとる事にした三人。
達子はクリーム系の明太パスタ。
蛇乃はムール貝の入ったトマト系のパスタ。
そして恭子はまだ悩んでいた。
「悩んでないで早く決めなさいよ。」
これが達子なら閉店まで待っていられるが、恭子なら別に悩んでいる姿を見ても癒されなくて単に時間の無駄だ。
急かす蛇乃をなだめる達子。
恭子は初めてのファミレスなので後悔しないよう真剣に選ぶ。
「あんた普段から何を食べてるのよ。」
疑問に思った蛇乃が恭子にそう尋ねる。
「えっ、定食屋か家だけど…。あっ、たまにお寿司を宅配で食べるくらいかな。」
それだけ?
疑問に思った蛇乃が再び尋ねる。
「うんそうだよ。いつもお父さんが漢は黙ってとんかつだろって言った日は大体定食屋かな。よく行く定食屋さんのとんかつがすごく美味しいんだ。」
そう言いながらメニューに視線を戻す恭子。
そんな恭子を見て蛇乃が言う。
「えっ、家族全員とんかつ食べるの?あんた女じゃない。」
再び顔を上げる恭子。
「いや、着いたらいつものって言って選ばせてくれないし、漢は黙ってとんかつだーって言って私とお母さんに…。いや、お母さんは別に気にしてなかったわね。とりあえず強制されて他の食べられないんだよね。」
何だか恭子の気持ちがわかる蛇乃。
蛇乃自身、両親に苦労させられていた。
言う事を聞かなければ泣く。
これがすごく恐ろしい。
嘘泣きならともかく、いい大人が一日中本気で泣くのだから堪らない。
「あんたも大変なのね」
蛇乃が恭子にそう言って同情する。
しばらくして、やっと恭子がパスタを選ぶ。
ウニとイクラのクリームチーズパスタ。
それに決めた事でようやく店員さんを呼ぶ。
注文してドリンクバーでドリンクを取りに行く三人。
「すごい、カラオケ屋とはまた別のジュースがある。」
驚く恭子を無視してドリンクを取り席に戻る蛇乃。
達子も無理に恭子に付き合う事ないのに。
そう思いながら料理が運ばれてくるのを待つ。
しばらくして料理が運ばれてくる。
蛇乃はパスタをフォークでクルクルっと巻きスプーンの上にそれを乗せる。
「はい達子、一口あげる。」




